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6.撮影に関して 1日目【居酒屋】
4月某日クランクイン前日、
私は都内某所の撮影場所近くのホテルに前乗りした、自分だけ
前乗りしてやりたいことがあったからだ。
それは、初日に撮影する居酒屋へ行くこと。
ただ飲みに行きたいだけと思われただろうが
私の目的は実際に営業しているお店に存在して空気を感じること。
細かく言うと店員さんの動きや声、お客さんの動線を確認することだった。
これは、俳優部に求める事と同じだが
監督として撮影場所の空間認識をすることだ。
なぜなら、実際に勝るものはないからだ。
本当の店を本当の店のように撮ることは
本当に難しい。それを前々から感じていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1696960463762-1p02vKHTff.jpg?width=1200)
更にいうと私の根底にある
今村昌平イズムいわゆる日本映画学校の教えだ。
これには逸話が多々あるが、いまは語らずに進行したい。
とにかく、その場所に存在すること。
映画というのはその場所での生活をただ映すこと。人は生きている。
そして存在する。
ただそれをカメラが撮るという考えだ。
そして、実際にお店で食べて飲みお会計を済ませて空気を自分の中に落とし込んで眠りについた。
![](https://assets.st-note.com/img/1696960556352-JhicRSJ9px.jpg?width=1200)
そして、クランクインの朝
まず現場に入った私が一番にしたことはメイク支度前に俳優部に撮影現場を見せることだった。
空気を感じてもらって
空間認識をしてもらってからメイクに入ってもらうためだ。
中田圭祐と大原優乃を居酒屋と夜に撮影する予定のカフェ前の道で動きなど説明しながら歩いた。
スタッフはキョトンとしていたが、何も考えず動くには空間認識は欠かせない。
![](https://assets.st-note.com/img/1696960651604-HKyF1fYq9h.jpg?width=1200)
準備が整い居酒屋でのシーンから撮影が始まった。
夜のシーンを早朝から撮る。
嫌だけどやるしかなかった、なぜなら営業中のお店を借りているからだ。
絶対にロケ地に迷惑はかけない。それが制作部上がりの自分のポリシーだ。
多くのエキストラの方々が早朝から駆けつけてくださった、
これは本当にありがたかった。
昨夜、来店していたからかスムーズに人の配置やエキストラさんの動きを
つける事が出来た。
おかげで居酒屋の撮影は順調に終わり、いよいよ
大学の撮影へと向かうのだった・・・