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ミスiD2020卒業式前夜に思うこと。

いつも布団に入ると1分で夢の中に旅立てるのだけれど、
珍しく眠れないミスiD2020卒業式前夜。

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中学校の途中くらいからだっただろうか。
写真がとても苦手だった。

きっかけは母から言われたひとこと。

「あなたはスタイルが悪いからスカートは似合わない」

今になって考えると思春期になって色気づいてきた私のことを心配してくれての言葉だったのかもしれない。
同じ頃に強制的に美容室へ連れて行かれ、泣きながら無理やり髪を切られた記憶もあるし、きっとそうなんだと思う。
(一番かわいそうなのはたぶん、泣いている私の髪を切らされた美容師さんだけれど笑)

でも、その言葉はコンプレックスとなって私の心の深く刻まれた。
まるでおとぎ話に出てくるの魔女の呪文のように。

それから中学高校と、制服以外ではほとんどスカートを履かずに過ごした。

そしてカメラの前で笑うことができなくなった。

高校の卒業アルバムを見ても、びっくりするくらい私は写っていない。
卒業旅行で「みんなで写真を撮ろうよ!」と声をかけられても、それとなく輪から外れたりシャッターを押す役に回った。

コンプレックスは20代になっても変わらなかった。
大学や就職の進路に関しても自分の意思を通せず、自分の意に反する進路選択をしたことも自分への自信のなさに拍車をかけ、見た目も中身も、自分のことを愛せなくなった。

今の道を選んだのは、もちろん好きなこと、すなわち音楽がやりたいということもあった。
子供の時からバイオリンが好きだったし、今でもやっぱりその気持ちは変わらない。

でもそれ以上に自分の生き方そのものを変えたい。そんな気持ちが根底にあったと思う。

私の人生、こんなはずじゃない。

過去の自分を捨て、20代半ばにしてこの道を選んだ。

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あれから4年。
明日(正確には今日)、ミスiD2020の卒業式。

苦手だったカメラの前でも少しは笑えるようになった。
ちびなのでモデルさんみたいなスタイルにはなれないけれど、でもメイクなりファッションなり運動なり、できる限りの努力すればいい。そう思えるようになった。

遅すぎる20代半ばにしてゼロからのスタートだった音楽活動も、少しずつ応援してくれる人が増えて、現場でも日々勉強させてもらって、少しずつだけど前に進んでいる実感がある。

人生はおとぎ話とは違って、素敵な王子さまが現れてキスで呪いを解いてはくれないけど、自分で呪いを解くことはできると思うの。

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ここまで応援してくれたみんなの期待に応えられるのかという不安と、場違いな場所に立つことに対する緊張に押し潰されそうだけど、これを乗り越えてより自信が持てる自分になれるように、歯を食いしばってステージに立ちます。

最後になってしまいましたが、期間中の応援、本当にありがとうございました。
そしてありがとうミスiD。

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