ゲーテ色彩論「教示編」の目次より
「白と黒の混合から色が生まれる」(アリストテレス)
私は自分をこの世の中のどこに位置付けたいかというと、アリストテレスやゲーテなど、色彩の本質をとらえようとしていた自然科学者の列を、影からひっそり見る人ぐらいに置きたい。そのぐらい消極的な彼らのファンである。
ドイツの文豪として知られるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、文学だけでなく政治など多岐にわたる分野で活躍をしたが、自然科学者としての一面ももっていた。
私は、ゲーテは詩人とか自然科学者とかいうのは表現の一端であって、そういう枠じゃなくて、この自然界を自然にみる人みたいな感じの人なんではないかと思っているところがあります。まあ、これは独り言だけれど。シャルロッテの瞳を通してこの自然界の本質を見たんじゃないかななんて。これもかなり小声の独り言だけれど。
で、ゲーテの色彩論は、
「教示編」「論争編」「歴史編」の3つからなり、ゲーテはこれらを20年かけて著した。(まあ、ファウストに60年かかっているのですが)
ゲーテはこの著作の評価にヨーロッパの未来がかかっていると云ったそうだ。
「教示編」では、以下のような目次が展開されている。
長いですよ。ここから。目次紹介!
色彩論―教示編―
まえがき
色彩論草案
序論
第一編 生理的色彩
第一章 眼に対する光と闇の関係
第二章 眼に対する黒と白の像の関係
第三章 灰色の面と像
第四章 まばゆい無色の像
第五章 有色の像
第六章 有色の陰影
第七章 弱く作用する光
第八章 主観的暈
病理的色彩
第二編 物理的色彩
第九章 光線屈折による色彩
第十章 第一類の光線屈折による色彩
第十一章 第二類の光線屈折による色彩
―屈折―
主観的実験
第十二章 色彩現象を伴わない屈折
第十三章 色彩現象の諸条件
第十四章 色彩現象が増大する諸条件
第十五章 記述の諸現象の導出による説明
第十六章 有色現象の衰退
第十七章 屈折によって変位された灰色の像
第十八章 屈折によって変位された有色の像
第十九章 収色性と余剰色
第二十章 主観的実験の長所―客観的実験への移行
客観的実験
第二十一章 色彩現象の伴わない屈折
第二十二章 色彩現象の諸条件
第二十三章 現象増大の諸条件
第二十四章 既述の諸現象の導出による説明
第二十五章 有色現象の衰退
第二十六章 灰色の像
第二十七章 有色の像
第二十八章 収色性と余剰色
第二十九章 客観的実験と主観的実験の結合
第三十章 他の物理的色彩への移行
第三十一章 光線反射による色彩
第三十二章 光線回折のよる色彩
第三十三章 薄膜干渉による色彩
第三編 化学的色彩
第三十四章 化学的対立関係
第三十五章 白の導出
第三十六章 黒の導出
第三十七章 色彩の惹起
第三十八章 高進性
第三十九章 最高点への到達
第四十章 平衡関係
第四十一章 色相環の巡回
第四十二章 反転
第四十三章 固定
第四十四章 現実の混合
第四十五章 外見上の混合
第四十六章 現実の伝達
第四十七章 外見上の伝達
第四十八章 色彩の除去
第四十九章 色彩の命名法
第五十章 鉱物
第五十一章 植物
第五十二章 蠕虫・昆虫・魚類
第五十三章 鳥類
第五十四章 哺乳動物と人間
第五十五章 有色照明の物理的および化学的作用
第五十六章 光線屈折による収色性の場合の化学的作用
第四編 内的関連の概観
色彩の容易な生成
色彩のエネルギー
色彩の決定性
両側の混合
赤への高進
高進した両端の結合
多種多様な色彩現象の全体性
色彩現象全体の調和
色彩の一方の側から他方への容易な転位性
色彩の容易な消滅
色彩の持続性
第五編 隣接諸領域との関係
哲学との関係
数学との関係
染物師の技術との関係
生理学および病理学との関係
博物学との関係
一般物理学との関係
音響論との関係
言語と術語に関する結びの考察
第六編 色彩の感覚的精神的作用
黄色
赤黄色
黄赤色
青色
赤青色
青赤色
赤色
緑色
全体性と調和
特徴のある組み合わせ
黄色と青色
黄色と深紅色
青色と深紅色
黄赤色と青赤色
特徴のない組み合わせ
これらの組み合わせと明暗の関係
歴史的考察
美的作用
明暗法
色彩への内的欲求
明暗の釣り合い
彩色
風景の彩色
対象の彩色
特徴のある彩色
調和のある彩色
真の色調
誤った色調
弱い彩色
雑多な彩色
理論的なものに対する恐れ
最終目的
下地
顔料
色彩のアレゴリー的、象徴的、神秘的作用
結びの言葉
長いですね。書き写すの大変!
ゲーテの色彩論「教示編」の目次を抜き出して書いてみました。
私をはじめ、ゲーテの色彩論を読んでそれを日々の色彩の仕事(講座とか執筆とか動画とかセッションとかの)の土台としている人たちにとっては、これはいわゆる「種明かし」というか「原料紹介」みたいなものかもしれませんが、むしろ私が変な加工場になることなく、原液のゲーテ色彩論そのものを、紹介するべきだとふと気づいたのです。
これからはこれらの色彩論を少しずつ紹介していけたらいいなと思っています。
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