刀ステ考察(綺伝まで)
以前、維伝を見たあとに円環の考察を書きました。その後、刀ステのシリーズも増えましたので、再度考察してみます。以前のはコレ
でも結局、結論は出てません。なのにめちゃくちゃ長いよ。自分用メモのようなものです。お手柔らかに。
※ゲーム刀剣乱舞の大侵寇のネタバレがあります※
まず、悲伝のときの自分の疑問を確認。
①三日月だけが円環しているのか?
→ ステ本丸まるごとループしてる
②なぜ三日月だけが円環の記憶を持っているのか?
→ 他にも記憶を持ちつつある刀剣男士がいる。三日月の記憶力がすごいだけ。染鶴や小烏丸も円環の記憶がある。
③なぜ三日月は白くなったか?
→ 維伝・綺伝を見たあとだと、白三日月はどうみても朧化です。悲伝を初めて見たときには、刀解に逆らって力が弱まったからかと考えてたけれど、そうではない。无伝の三日月のウィッグには一筋白い髪がある。これは悲伝の朧化を予告している。(もし鶴さんが少し朧化しても誰も気づかないんですよね〜。小烏丸様の足袋は、悲伝が白、維伝が黒。これも朧化の兆しかも?)
④なぜ三日月は刀解されなきゃいけなかったのか?
→ 事前に頼んでいたのではないだろうか?
維伝の龍馬たち、綺伝のガラシャとキリシタン大名たちが、同じように白くなった。朧化した人たちは全員、刀剣男士に「私を斬れ」と言ってくる。无伝の高台院も三日月に「ことが済んだら私を斬ってください」という。多少こじつけですが、高台院は尼僧頭巾を被っているので髪の色が白くなってても見えなかった。人間ではない自覚もあるし、彼女も朧だったのではないか。いるはずのない文久土佐に龍馬がやってきた経緯と、いるはずのない大阪夏の陣に高台院がやってきた経緯も似ています。悲伝で朧化した三日月もまんばちゃんに「俺を倒してみろ」と言う。似てませんか?
けどまんばちゃんが三日月を破壊することはないので、前もって審神者に刀解を頼んでいたんじゃないか。「主に余計な手間をかけてすまなかったと伝えてくれ」と言ってたし。(時の政府の命令でない可能性もあるかも?いずれにせよステ審神者は事前に三日月に事情を聞いていた可能性が高い)
しかしなぜ朧化した人たちは斬ってくれと頼んでくるのか。朧化のトリガーもみんな同じというわけではない。綺伝で明らかになったが、放棄された世界のキリシタン大名たちは勝っても負けても同じ時間を繰り返す。これは白三日月にも同じことがいえる。まんばちゃんに勝っても負けても、三日月は顕現時に戻る。
⑤なぜ三日月は結の目になったのか?
→放棄された世界にはそれぞれその世界の核のような人がいます。維伝なら龍馬、綺伝ならガラシャ。この二つは確定です。しかし、ステ本丸時間(2205年〜)の核=三日月。これは合ってるんでしょうか? 維伝・綺伝では核の人物が朧化・消滅したら、その世界の時間は止まり始点に戻る。しかしステ本丸の場合、「結の目」三日月を刀解したにも関わらず、始点に戻ったのは三日月だけで、三日月がいない悲伝後の世界が続いています。つまり、核となる人物は悲伝後も存在している。
悲伝では三日月だけが円環の記憶を持ち得たので、時の政府からは【円環の中心にいる=結の目=三日月】と思われていたけれど、今は複数の刀剣男士が円環の記憶を持っています。また、核となる人物がループの自覚があるとも限らないので、三日月以外の人物が核なのでしょう。
⑥三日月は自発的に円環しているのか?なぜやめないのか?それとも円環に囚われて出れないのか?
→ まずは科白劇の黒田孝高の放棄された世界の説明を思い出してみましょう。「放棄された世界の時間の流れは繰り返す。一本の線を何度も重ねてなぞるように」慶長熊本も文久土佐も无伝も、何度も同じ時間を繰り返させられている。
【円環している時間=放棄された世界】
これがステ本丸にも当てはまるとしたら、ステ本丸はすでに「放棄された世界」のなか、なのだと思います。義伝で三日月が「検非違使は出ない」と断言している(検非違使は正史にしか出ない)。円環している歴史上の人物たちと同じことが、三日月の身にも起こっているのならば、三日月も円環に囚われて出れない。でも今はその円環を利用して本丸のみんなを強くしようとしている。ということではないだろうか。
・維伝の染鶴と无伝の染鶴
維伝では「あそこで何をしているかは知らんがいつか引っ張り出してやる」と三日月のことを言っていた染鶴。このセリフは、円環を巡っているのは三日月だけで、自分は正史にいるという前提の発言だと思う(維伝も円環の一部であるが気づいてない?)。一方、无伝の染鶴は三日月に尋ねる。「どうしたら狂わずにいられる?」「この戦いはいつになったら終わる?」无伝の染鶴は自分も円環していることを自覚している。自分もまた円環を巡る運命にあることを知っている。
染鶴の出陣の時系列は 虚伝初演(本能寺の変)→无伝(大阪夏の陣)→維伝(龍馬の時代)ですが、ループ回数は虚伝初演<維伝<无伝と、増えているように見えます。
※初演染鶴と再演健鶴、役者によってルートが違う説が有名ですが、ステの審神者は2振り育てている説のほうだと私は思っています。(どちらにしても納得できる説明はできないのですが)
・「放棄された世界」は円環している
刀剣男士が正史を守れなかった部分が「放棄された世界」になる。无伝で、政府権限により異説大阪夏の陣を「隔離する」と泛塵が宣言する場面があります。歴史修正が不可逆と判断された部分は隔離するしかない。隔離されたから、時間は未来へ流れることなくループを繰り返す。これがもっと大きな時間の流れのなかで起きたとしたら。ステ本丸が管轄する時間軸が「放棄された時間」だらけになったとしたら。その時間軸ごと隔離するしかない。悲伝に「このまま放置すれば、俺たちの管轄する時間軸は破綻する(まんば)」「そうなれば、時の政府によってこの時間軸は閉鎖される(小烏丸)」というセリフがあり、これは以前の円環ですでに起こっていることなのかもしれない。つまり、ステ本丸は「放棄された世界」。
維伝の鳥太刀コンビは「本来なら解体されても致し方なしだが、俺たちの本丸にまだ利用価値があると踏んでいる」という会話をしていました。ステ本丸には本来なら解体されるはずの事態が起きている。しかしまだ解体されてはいません。
維伝の南海先生の放棄された世界の説明で「放棄された世界がたくさんできると、正史に影響を与えかねない。だから時の政府は放棄された世界を調査しろと言ってる」というのがありました。放棄された世界から正史に向かって静電気のようなチリチリした線が伸びている図も映し出されました。
科白劇の黒田孝高は、ループを繰り返したせいで時間軸が濁って別時間軸の記憶が混ざってきていました。明らかにいくつかの時間軸が影響し合っている。
无伝で泛塵が「隔離された時間になる前に正史との大きな誤差を軌道修正しなければ」ということを複数回言っていました。染鶴も「『正史との誤差を残してはならない』というやつかな」と当然知ってる感じでしたが、これは无伝で初めて出てきたものだと思います。南海先生の説明だと維伝時の任務は「放棄された世界の調査」でした。泛塵たちは「改変された世界を正史に近づけてから隔離」を命じられている。無数の放棄された世界が正史に影響を与え始めたから、改変された世界をできるだけ正史に近づけて隔離しなければいけなくなった。放棄された世界が正史に影響を与えすぎて、正史が耐えきれなくなったらどうなるんだろう、という疑問がうかんできます。
悲伝に「歴史の奔流」という章があります。
めちゃくちゃSFですね。つまりステ本丸が管轄する時間軸は崩壊してしまったのです。ここからどうやって悲伝のエピローグ(平和そう)になったんだ??? 悲伝の本編とエピローグは実は繋がっていないと私は考えています。何も大事なことが語られていないんです…
・円環0の世界がどんなだったか 再考。
ステ本丸が放棄される原因となったまだループする前のステ本丸の歴史はどのようなものだったのか、再度考えてみます。
ジョ伝で山伏国広が折れ復活するシーンがありますが、三日月が骨喰にお守りを渡さず、そのまま折れてしまうというのが、円環0に近い世界ではないかと思います。
序伝に干渉できるということは、序も円環のなかです。円環の始点は三日月の顕現ではなく、もっと前、審神者が始まりの一振りを励起したところかもしれません。
基本的に円環の記憶を持ち得るのは三日月だけですが、たまにまんばちゃんや他の刀剣男士も未来を見てきたかのような発言をすることがあります。
「駄目だ…こんなことが…こんなことがあっては駄目なんだ!!」(序伝、山伏が折れるシーン)
「…主…逃げてくれ!ここで…あんたを失うわけにはいかないんだ!」(悲伝、本丸襲撃の審神者のピンチ)
まんばちゃんの脳裏にトラウマのように焼き付いているなら、この2つの出来事は円環0のときに起こったことだと考えられます。
次に終点はどうか。悲伝で三日月が「またこの時が来たか」と言っていることから、本丸襲撃は三日月が何度も経験していることであり、避けられない事項であることが分かります。原作ゲームでも「大侵寇」イベントはすべての本丸で起こりました。それぞれの三日月宗近がそれぞれの本丸を守るために幾度となくこの戦いを繰り返している。それぞれの本丸もループしていたのです。逆にいえば、円環0の本丸はこの戦いで甚大な被害を受けたのでしょう。
時空崩壊はゲームにはありませんでしたが、ステ本丸の三日月は時空崩壊のタイミングも分かっていて、永禄の変で皆を待ち受けていました。時空崩壊の少し前に「残された時間はわずかだ」と言い、戦いに応じます。
円環0では、本丸襲撃で審神者を失いまんばちゃんも折れたかもしれません。時空崩壊を確認する暇もなかったかもしれません。悲伝では、審神者を失うこともなく、刀剣男士は誰一人折れることもありませんでした。時空は崩壊しましたが、本丸は解体されることもなく、その後も三日月以外は生存している。三日月は一緒にいられないが、円環の終点は伸びている。それは三日月が円環を利用して本丸の皆を強くしてきたから。悲伝で仲間の成長を見た三日月は、ときおり嬉しそうに笑います(劇場版刀ステ悲伝にしっかり映っています)。
まんばちゃんをステ本丸円環の核となる人物と仮定してみましょう。
核となる人物の死=円環の終点・始点に戻るとき。
三日月の尽力によりまんばちゃんの延命がなされているので、ステ本丸も長く存在できることになります。これと似たようなことが起こっているのが、維伝や綺伝の「放棄された世界」です。とくに綺伝のキリシタンが集う神の国は一朝一夕にできるものではありません。最初の歴史改変から10年以上は経っていると推測できますし、死んだ人物がまだ生存していたりします。ステ本丸の存続期間(=円環)が伸びることもあり得るのです。
ステ本丸の円環の図です。
↑こちらで上の図を少し詳しくしたものを書いてます
・三日月宗近の目的
悲伝で「なぜこんなことをしたのか」とまんばちゃんに聞かれた三日月「俺は……未来を繋げたいのだ」と言っていて、これは何の未来なのか曖昧でした。ステ本丸なのか?自分の刀解されない未来なのか?
无伝で染鶴に「この戦いはいつになったら終わる?」と訊かれた三日月は「時間遡行軍を残らず打ち倒し、見事歴史を守り抜いたらであろうか」といっていました。悲伝で時間遡行軍側に付いたかのようにも見えた三日月ですが、ここでは時間遡行軍と戦い続けると明言しました。
三日月の目的は時間軸の崩壊を防ぐことではないだろうか。
「未来を変えたい」ではなく「繋げたい」というのがポイントです。時空崩壊を防ぐことは、正史を守ること。歴史修正に失敗したすべての時間を史実に近づけ軌道修正し、正史が放棄された世界の影響を受けないようにすること。そのために、ステ本丸の皆を強くする。本丸襲撃に耐えうる仲間を育てる。逆に円環を利用しレベルアップを図っている。それが円環を巡る三日月がやっていることではないかと思います。
(でも同時に黒甲冑や鵺や真田十勇士も強くなっていくんですが、それは最終的にこっちが勝てば問題ない、のか?)
・時空崩壊したのに、本丸は無事なのか?
ステ本丸が管轄している時間軸が破綻したら、ステ本丸も消えるのではないか? 円環0のとき、本丸襲撃で甚大な被害を受けた場合は、時間軸もろとも消えてしまうのかもしれません。でも被害が少なく審神者も無事な場合、つまり悲伝のエピローグや慈伝やその後に出てくる本丸はどこにあるのか。これはどこにも書かれていない(と私は思いますが、ご存知の方がいたら教えてほしい!)。各本丸は西暦2205年頃の日本のどこかで生まれたのだと思うのですが、明確な所在があるのではなく、時空の狭間のようなところに浮かんでいるのではないでしょうか。刀剣乱舞無双では「漂流本丸」が出てきますし。慈伝では、本丸の引っ越しをしていました。適した場所を見つけるのに苦労したというような説明もされていました。本丸が襲撃されたから場所を変えたのでしょう。だから、管轄する時間軸が崩壊しても本丸は消えるわけではない、と私は考えています。また、ステ本丸の時間が始点に戻ったときは、管轄していた時間軸も元に戻っていると考えます。(このへんは妄想でしかありません)
ステ本丸が管轄している時間軸を図にしてみました。
枝毛みたいに別れて生えた先で、放棄された時間はそれぞれで円環している。そこに未来から刀剣男士が出陣してる図がこれです。ステ本丸は一応2205年にあるということにしておきます。
それぞれに円環をかき加えてみたものです。本丸の時間も出陣を挟みつつ、本丸自体の時間も円環してます。
円環には上演されてない結末が違う時間軸も含みます(例えば、どんぐりを拾わない義伝、伽羅ちゃんが折れた義伝、山伏が復活しない序伝、鵺がいない悲伝、高台院がいない无伝、などなど)
枝毛部分は放棄された時間なので切り離して隔離したいんですが、単に放棄しとくと正史に影響がでるので、できるだけ正史との誤差を小さくしてから(緑の線)隔離する。このようなことが、何回も何回も行われている。
今のところは、ですが、悲伝後は放棄された世界にしか出陣していません。メインの時間軸は崩壊してしまったので、歴史の流れと呼べるのは「放棄された世界」しかないのかも。
――― 以下、考察しきれていないメモのようなものです。―――
・「朧」とは何か?
維伝・科白劇までは白くなることが「朧」と認識されていました。しかし綺伝で、遡行軍のような如水(私はダースベイダー如水と呼んでます)が、物語をおくれとささやく山姥切国広(維伝に出てきた遡行まんばと同じ?)を、「山姥切国広の影/朧なる山姥切国広」と呼んだことにより、白くなるから「朧」というわけではないということになってきました。さらに、いままでのシリーズで白くなって消滅した歴史上の人物たちも(白くなっていない人物も)遡行軍のような黒い姿に変化し、ダースベイダー如水&阿形吽形と同行していることが分かりました。白化も遡行軍化も同じ「朧」なのでしょうか。朧なる山姥切国広は、白化をスキップして遡行軍化したのでしょうか。
放棄された世界で白化した朧は、その世界からは出れず、円環を繰り返しています。
遡行軍化した朧は、時間遡行ができるようです。
この違いは何なのか?
維伝の遡行まんばは闇落ちや敵ではなく、手助けしてくれていたというのを以前書きました。ジョ伝の遡行軍コンビも長政さまと長谷部たちが出会うのに必要なパーツでした。ダースベイダー如水も「強くなれ」と長谷部に言い、修行を促しました(弟子に試練を与える師匠のような感じ?)。天伝でまんばちゃんを助太刀した黒いフードの2人組(姿は不明)もいます。
遡行軍とは何か違う、遡行軍風の姿の朧たち。
彼らは何者なのか。
このへんはまんばちゃんの単独行で何か明かされるかもしれませんね。のんびり待ちたいと思います。
・黒田如水率いる朧陣営の目的
无伝では「三日月宗近も我らも同じものを探している」と言いつつ「三日月宗近、いまだ不可解なり」と言っていたダースベイダー如水。
綺伝の朧陣営のみなさんは「刀剣男士を強くするための物語。終わらぬ円環を打ち破るための物語。そして三日月宗近を救い出す」と言っていました。
「三日月宗近は不可解」から「三日月宗近を救い出す」に進化しているので、ループの回数は綺伝のほうが多い。ステ本丸に三日月宗近が戻ってくるのに力を貸そうとしてくれてるのか…彼ら自身が三日月宗近を必要としているのか…どちらなのか。この発言を信じれば、彼らは刀剣男士をレベルアップさせるために合戦場をセッティングしてくれていた、と取れます。
しかし、ニ幕ラストのセリフは難解です。
これは禺伝に繋がるんだろうけども、正史を守る刀剣男士とはまったく相容れないですね(もちろん伝説や逸話から生まれた刀剣男士もいるのだけど)。続きを待つしかない!!
お読み頂きありがとうございました!こんなへろへろな文ですみません。
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