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マイディアミスター私の害のないおじさん
普通の30代があまり経験しなさそうなことをNYで経験して、そのひとつが韓国人のおじさんと3か月くらい同居していた話。
もともとは、友人(20代日本人女性)がおじさんと住んでいたのですが、(おじさんじゃない別の彼氏と)結婚することになり相手と一緒に住むから次入ってくれる人を探していたため、ちょうど部屋探しをしていた私が入居することに。
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これがNY留学の現実!!、
■NY留学生家事情
NYでワンルーム一人暮らしをするのは余程の富豪でない限り難しいです。
家賃が高い。そもそも一人用ワンルームが少ない。
NYは地震がないため、築100年くらいのマンションやアパートやらが普通にあります。中をリフォームしたり、自分たちでDIYしている家がほとんど。
留学生はお金がないので、基本的にルームシェアをします。在NY日本人限定のサイトがあって、そこで探したり、友人伝いに聞いてもらったりして見つけます。
相場はピンキリで、マンハッタンだと2人部屋で安くても$1,500/月~。
私がおじさんと住んでた(正確に言えばおじさんがオーナーだった)家は、Woodsideという、マンハッタンから電車で40分くらいの所にあるベッドタウンで、東京でいうと錦糸町みたいな感じ。
家賃がなんと$600/月 しかも光熱費込み!東京で暮らすよりも安い!
語学学校やNYUの富豪チャイニーズ、タイワニーズ達が月$3,000のロングアイランドシティー(マンハッタンから10分のハドソン川沿の富豪アジア人居住区)のタワマンで一人暮らしをしている中、貧困日本人たちは隣の吉祥寺的エリアAstoriaやWoodsideに住んでいたのでした。
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日本人多め、住みやすくて良い所。
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エレベーターないので5階まで階段です。
■害のないおじさん
いくら家賃が安くても、言うても知らないおじさんと暮らす。という事象に、最初は真剣に考えましたが、探してても家が全然出てこなかったりして、一か八かでおじさんとのシェアを決意。
おじさんの名前はウンさんで、韓国語、英語、日本語が堪能。
友達から話は聞いていたのと、友達に会いに行ってスンドゥブをご馳走になったりしていたため一応面識あり。
実際入居して凄く良かったのが
・自分の部屋以外の掃除を一切しなくてよい
(通常シェアの場合、共用部分は分担するけど、ウンさんが全部やってくれる)
・ごはんを作っておいてくれる。(基本韓国料理なので有難い)
・冷蔵庫の食材は自由に使ってよい。
・冷蔵庫にビールが基本入ってて勝手に飲んでよい。
・Gとかネズミとか虫とか出ても全部退治してくれる。
・引っ越しのときとか重い荷物も全部運んでくれる。
・万が一の防犯に最適
・「○○ある?」と聞くと大体「あるよ!」で返ってくるので「HERO」のあるよの人並み。
という感じで、知らんおじさんと住むハードルに対して$600/月にはバリューすぎた。
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カレーを作ってくれたのでした。
第一にウンさんは安全な人間なのか心配ではないのか?という問題ですが、ウンさんは本当に害のないおじさんでしかなくて、母親には地球の終わりくらいに心配されたけど、私的には貧乏学生にはありがたすぎる生活を過ごすことができたのでした。
日本の友人に、「いま韓国人のおじさんと住んでる」って言ったら「IUだ!マイディアミスターだ!!」とめちゃくちゃテンション上がられたけど、残念ながらドラマみたいなイケオジ的韓国人おじさんではありませんでした。赤ちゃんおじさんみたいな見た目してる。
■おもろいおじさん
ウンさんのおもろエピソードがまぁまぁあって、
・昔しゃれっ気があった頃に髪の毛をパーマかけようとして美容院に行ったら熱をあてられすぎて500円玉ハゲができてしまい、以来その場所だけ髪が薄いというかまだハゲてる
・趣味がロードサイクリングで遠出したら、帰りは疲れて電車に乗って帰ってくる(距離縮めろよ)
・キムチが全然好きじゃないけど、ニュージャージーに住んでるお母さんが大量に送ってくる(私が全部食べた)
・若い韓国の男が嫌い(調子に乗ってるらしい)
・ネズミのことをミッキーマウスって言う
・好きな日本の歌手は美空ひばり
今思い出したらじわじわくるおじさんだったな。
■結果、3か月で出て真逆の生活を送る
ちょうどNY生活も残り1年を切ったところで、もう少しNYぽい場所で暮らしたいなと考えていた頃に、たまたま再会した元会社の同期がWilliamsburg(Brooklynの中目黒みたいな所)に住んでいてルームメイトを探しているとのことで内見行ったら一目惚れをした。
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前の住人が出るタイミングも良かったので、結果3か月でおじさんとの同居生活を解消し、Williamsburgというおしゃれタウンで、日本人の映像プロデューサーの女性(友人)と、ドイツ人のイラストレーター女性+大型犬1匹と暮らすという、真逆のPOPEYE的オシャレルームシェア生活に。
文面だけ見たら、東京の日常を理想的に上位変換した雑誌POPEYEのお部屋特集に登場しそうですが、30代移民3名のNY暮らしもなかなかハードだった。
日々ランドロードのイタリア人と家賃交渉の戦いをしながら、片づけられなくて歌が下手なミュージシャンの向かいの隣人との攻防戦を繰り広げていた。(この話はまた今度)
NYに行く前に見ていた、私が人生で一番好きだと言える海外ドラマ「GIRLS」の舞台がちょうどWilliamsburgの近所のGreenpointという場所で、貧乏20代後半女子4人の生活を描いていてめちゃくちゃ面白いんだけど、まさに描いていたドラマの中の話みたいな生活に変わったのでした(おじさんとの同居もある意味ドラマみたいな話だが)
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トレバー君
■マイディアミスター私の害のないおじさん
ウンさんにはお世話になったので、元々住んでいた友人とたまに遊びに行ってスンドゥブとかサムギョプサルをご馳走になったりした。
私が帰国する時は送別会も開いてくれたし、本当にマジでただの良いおじさん。韓国語も教えてくれたし。
とはいえ日本ではなかなかできないおじさんとの共同生活ですが、
絶対モテないのでやめた方がいいです。
POPEYEの皆さん聞いてますか?これがNYライフの現実です。NY特集やる際には是非呼んで下さい。
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振り返るとWoodsideに比べて写真が圧倒的に多い
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(元はギャングのテリトリーの証だけど、たぶんこれはただの飾り)
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(おじさんの話どこ行った)