夜縛夜明曲
エロコメの『夜縛夜明曲』を読んだ。日本では百年くらいに一度、全国で一人吸血鬼が覚醒するのだが、その吸血鬼には女性を虜にする能力があり、七人までの美女を眷属にできる。吸血鬼に選りすぐりの美女をあてがうための機関が存在しているのだが、その機関はいつ吸血鬼が目覚めてもいいように常日頃から優秀な美女を集めている。その機関は学校法人に擬態しているため、集められた美女たちも高校生であり、しかもその学校では学業よりも吸血鬼のために優秀な美女を集めることが大切なので、常日頃から吸血鬼基準における優秀=エロに従った露出度高めな服装を制服などに採用するなどしたり、部活の成績などにおいて優秀な美女を七つの大罪と呼ばれる公認スクールカーストの上位にランクインさせるなどの美女優遇措置を意識的に行っている。生徒たちはそういう裏事情を知らず自分は普通の学校に通ってると思い込んでいるのだが、ある日吸血鬼である主人公が吸血鬼能力に目覚めたため、学校側も全校集会で本来の目的を明らかにする。男子生徒たちに意識をおぼろげにする魔法をかけ、女子生徒たちに主人公へアピールするようにけしかける。アピールというのはこの学校の専門用語であり、たとえば水泳部だったらスク水を着て主人公の前でエロいポーズをする、などといった行動のことを指す。
しかしながら、そうは言われても女子生徒たちには自由意志があるので学校側のアピール指示に従う必要はなく、そのため校内の勢力は主人公および周囲の女子生徒で構成される吸血鬼派と、主に生徒会を主体としたグループである反吸血鬼派に分かれる。派閥が分かれた以上、何かしらの方法で決着をつける必要があるのだが、先ほど述べたようにこの学校には七つの大罪と呼ばれる公認スクールカーストシステムが存在しており、そのシステムに紐づく形で、学校公認勝負の制度が用意されている。この制度において、勝負の方法は自体は何でもいいのだが、しかしこの勝負形式で敗北した方の人間は勝者の命令に一つ従わなくてはならない。このマンガはエロコメなのだが、尊厳を破壊する凌辱的な方向のエロに特化しているため、敗者はたいてい屈辱感を伴った感じでエロい目に合う。この学校では校則が憲法よりも重要視されてるっぽいので、負けた生徒たちは警察などに相談することもなく結構自然に命令に従う。生徒会側は吸血鬼派閥の追放を、吸血鬼側は生徒会派閥の取り込みをそれぞれの目的として、勝負を行う。
みたいな感じのコミック。
上に書いた以外にも、設定的なギミックがいくつかあって結構おもしろかった。絵も綺麗なので好き。