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カメラについて考える

さて、カメラを持ち始めて何年になるのだろう?もうすぐ10年になるだろうか?最初にいわゆる一眼レフカメラを買ったのは20歳か21歳か、そんな時期だったと思う。友達が買ったカメラを学校に持ってきて、撮っていたのを見て、「欲しい」とすぐに感じた。

カメラは昔から好きで、一眼レフなんてものを知らないもっと小さい時には、遠足やら社会科見学やらの行事のたびにバカチョンカメラを買って、何も考えずに撮っていた時のことを思い出す。SNSというものがまだ存在しない時の純粋な写真、承認欲求なんてものなしに単純に「思い出」として撮っていた写真。今でもアルバムにきれいに収まり、年齢順に棚に整列している。たまに手に取り、パラパラとめくってみる。少し色褪せている。細かいことは覚えてないが、写真をみるだけでどんなところに誰と何をしに行ったかを簡単に思い出す。

これが記憶を記録として残すカメラのいいところか。人間の脳は基本的に忘れることが仕事だ。どんどんと新しい記憶が押し寄せ、古くなったものを忘れていく。本当に重要な記憶以外は残らない。

初めて買った一眼レフは、PENTAX K-30だ。

最初に選ぶカメラのことについて書いている記事をよく見かける。だいたいがスペックよりも色とか形とか持ち歩きたいと思わせるようなものを選ぶといい、とある。全くその通りだ。

私の選んだPENTAX K-30はカラーバリエーションが豊富で、好きな色にカスタマイズできるものだった。今となってはもうだいぶ古い機種だから生産も終わっているだろう。

そんなのが気に入って買った一眼レフで、初めのうちは旅行だのなんだので結構持ち歩いた。でも、基本的に最初はオートでしか撮れなかった。オート以外の使い方が全くわからなかったからだ。さらには持ち歩くのにもなんだか重いし、出したりしまったりめんどくさくなった。カメラを買ったはいいものの、カメラのネガティブな面にも気づく。写真を撮ったはいいものの、そのあとどうすればいいかもわからず、撮った写真たちはSDの中に眠る。カメラも眠り、そのうちに自分の中でカメラの第一次ブームも眠りについた。

これと同じことがどのくらいの人に当てはまるかどうかはわからないが、少なくとも私は早々にカメラに飽きた。だが、これだけは言える。カメラを始めるなら、スペックよりも自分の気に入ったカメラを買うこと、買ったらとにかく写真を撮るということに慣れること。始めてみたら案外ハマらないかもしれない。
でも、これが"新しいことを始めてみる"ということが、いい意味でも悪い意味でも新しい自分の発見に繋がる。
経験は経験からしか語れない。空想で語る言葉は薄っぺらい。

そんなこんなでどのくらい眠っていたのだろうか、私のカメラ。

しばらくして、もう一度私の心にカメラへの小さな灯火が燃え出したのは、ある人の写真を見たのがきっかけだ。知り合ってから、その人が撮る写真に惹き込まれた。自分もこういう写真が撮りたい。そんなふうに思わせる写真ばかりだった。その人からたくさん写真を教わった。いろんな雑誌やSNSでたくさんの写真に触れた。撮った写真をSNSに載せて、イイネをもらう。そんな承認欲求みたいなものもあって、一時期は毎日更新してたものだ。そしてとにかく、写真を撮っていることが楽しかった。そんな感覚を楽しむことが、写真に限らず好きなことを上達させる近道なんだと思う。

そして、写真を初めて10年近く経った今、そんな承認欲求も薄れ、単純にカメラと向き合ってみてこれを書いている。

「いい写真とは何か?」
と、問いかけてみる。

それは多分、撮った写真を自分で好きだと思える写真であることなのではないか。他人が気にいるか気にいらないかではなくて。イイネがたくさんもらえる写真ではなくて。
美術館に行って、この絵のどこがいいの?と感じることはないだろうか?失礼ながら、これなら自分でも描けそう、とか。それと同じで、人によって良いと思う写真とそうでない写真の感性は全く違うのだと思う。あなたの気に入ったカメラで、あなたにしか表現できない、またとない一瞬を切り取り、それをあなた自身が好きだ、と思える写真こそ、いい写真なのではないかと思う。他人があなたの写真を微妙だというのなら、その人とは違う感性があなたにはあるということだ。そう思えれば、もっと違うモノの見方で写真を撮る意欲が湧いてくる。

今、私が写真を撮る上で大事にしていることは何か。
なるべく1枚の写真に沢山の情報を詰め込みすぎないことか。写したいものはたくさんある。が、私の中でいい写真とは、引き算をしていくことで出来上がる。どんどんいらないものを取り除き、クロップしていく。そうすると、シンプルに表現したいものだけがきれいに残る。そして、自分が気にいる写真を完成させる。

長くなったが、言いたいことは、何事も楽しんだ者勝ちということにでもしておこうか。
今度は、写真編集についてでも書いてみようかな。

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