見出し画像

授業での疑問「~の深刻な不足」はsevere shortage of ... ?それとも serious shortage of ...?

"severe" vs "serious"

今日、高3のクラスで単語テストをしていて、ふと気になったので調べてみました。

問題にはこうあります。

深刻な水不足
a (    ) shortage of water

※模範解答 severe

ただ、同じような意味のseriousではいけないのかどうかが気になり、他の辞書ではどうなっているのかを調べてみると次のような結果でした。

1. serious shortage での例文 

ジーニアス英和辞典

ジーニアスでは次の例を見かけました。
sereveとseriousは入れ替え可能のようです。

They have [face] a serious [severe] shortage of doctors in rural areas.
田舎では深刻な医師不足である [に直面している]

Wisdom英和辞典

一方、ウィズダムでは、他にshortageを修飾することができるいくつかの形容詞を挙げて、ニュアンスの差を示しています。

深刻な食糧不足
a serious [an acute, (厳しい) a severe, (危機的な)a critical] shortage of food

ジーニアス和英

The shortage of nurses has become a serious problem.
看護師不足が深刻化している。

OLEX英和

The nation has been suffering from a serious shortage of manpower.
その国は深刻な人手不足に悩まされてきた。

The job shortage gives rise to serious social problems.
就職難は深刻な社会問題を引き起こしている。

LONGMAN英英

'We've got a serious staffing shortage.'
'That's not my problem.'

seriousまとめ

辞書によって、seriousが限定用法としてshortageを修飾している例文もあれば、叙述用法としてseriousを用いている例文もあったりします。

ただ、「何が不足しているのか」については、seriousの例文は、どことなく、「人手不足」について言及する際に用いられやすいような気がします。
(doctors/ nurses/ manpower/ job shortage/ staffing problem)

2. severe shortage での例文

一方、severe shortageで例文検索をすると、seriousの時とは異なる傾向が見られました。

food shortage/ water shortage/ shortage of water/ shortage of labor/ housing shortage/ shortage of (qualified) staff

というように、seriousの例と異なり、「食糧」や「労働力」、「住宅」、とりわけ「水」について言及する際に用いられる割合が高いと思われます。

ジーニアス英和

face a severe [an acute] water shortage
深刻な水不足に見舞われる

It looks like the water shoratage will be a little less severe thanks to the first rainfall in many days.
久しぶりの雨で水不足も一息つきそうだ

Wisdom英和

severe food shortages≒a severe shortage of food
深刻な食糧不足

We have a severe [acute] shortage of labor [teachers].
厳しい[深刻な]労働力[教員]不足だ

OLEX英和

We had a severe water shortage last summer.
去年の夏は深刻な水不足だった

a severe shortage of food [housing]
深刻な食糧[住宅]不足

OXFORD英英

a severe shortage of qualified staff

severeまとめ

ジーニアス英和によると、severeの最初の意味は次のように書かれています。


①<天候などが>厳しい、<事態などが>深刻な、<病気・けがなどが>重い、<痛みなどが>激しい

このうち、最初に出てくる「天候などが厳しい」という意味が、「水不足」とつながりやすいのでは、と推測します。
水不足の原因は、雨が降らない日が続くことによるものであり、天候によるものだからだと思われます。
その意味では、「食糧不足」も、その原因は日照りによる農作物の収穫高の減少、と言えるため、severeとつながりやすいのかもしれません。

一方、「事態の深刻さ」という意味では、たとえば「人手不足」や「住宅不足」などについては、天候とかかわりがないと言えるため、seriousとの入れ替えがしやすいのかもしれません。

まとめ

今回はseriousとsevereを見てきましたが、なるほど勉強になりました。
ほんとはコーパスなんかで調べてみたほうがはっきりした傾向がでるのだとは思いますが、使いこなせない私は辞書レベルでの比較がせいぜい……(-_-;)

教科書を教えていると、時々、理解できない文法が使われている文に出くわします。Teachers Manualにも解説が載っていなかったりすることもあるので、そういった文に出会ったときは少しわくわくします。

ではまた。


いいなと思ったら応援しよう!