ジェンダー日記#24 理想像は変わる
この間、メンタルクリニックに行ってきました。
もうずいぶん落ち着いてきていて、急な不安、焦燥感に襲われる、なんていうことはなくなってきました。
一方、「自分の在り方」については、ここ最近で変化してきたなぁ、と思っています。
フェミニンでありたかった
昔…というか、移行を決めた数年前は、理想としての私は、「女性的な自分」でした。
男性的な要素を、服装や髪型から排除して、極力女性的でありたい、と思っていました。
だから、買う服もスカートが多くて、ジェンダーフリーというよりもフェミニンな雰囲気を目指していました。特に髪型はこだわりが強くて、しばらくはロングヘアに憧れて伸ばし続けたり、切ったとしてもボブで維持し続けていました。メンズカットのようになってしまうのは、どうしても嫌でした。
職場で、異性装勤務してよい、という話が通ったということも相まって、なおさらその傾向は強く出続けていました。家の中ではメンズのままだったのもあり、反動のように職場ではスカート中心でした。
でも、前回、思い切ってツーブロックのショート(レディースカット)にしてみたら、意外とフェミニンな感じも残しつつも、カッコイイ感じも出せていて、予想以上にイヤリングが似合う髪型になったことが、変化のきっかけとなった気がしています。
「男でも女でもない」と映る自分が今の理想
それ以降、「自分の理想像」を、客観視できるようになってきている気がしています。
固執していた「フェミニンな自分」から、もっと幅を広げた自分への拡大、と言えばいいのでしょうか。
女に生まれたかった、という気持ちは今でも否定できませんが、今の自分を受け入れて、性自認を少し柔らかく捉えられるようになったのかもしれません。
服装はメンズでもレディースでもいいんじゃないか。
髪型も、ショートでもいいんじゃないか。
男・女の二者択一じゃない選択肢を、表現していいんじゃないか。
そう思えています。
女性に映りたい、という気持ちはもちろん消えませんが、今は「男でも女でもどっちで映ってもいい」、「男でも女でも、どちらでもない」という気持ちの方が強い気がしています。
女性としてパスしたい、と、理想を追い続けるのは、辛かったです。そうじゃない現実を突きつけられることばかりでした。ファッション誌を読んでても、「私は男だし似合わないだろう」と考えるばかりで、好きなモデルであっても自己投影できないことが多かったです。
でも、そこから少し離れた位置から自分を見つめることができてきた、と言えるのでしょう。
追い求めても、現実との乖離に苦しむばかりであるならば、「理想像」がマイナスに働くだけです。
それならば、本来の目的に近づけて、理想像が、自分の理想として自己肯定感を高め、自己を容認できるようにしていった方がよいのかもしれません。
性自認は揺れる、というのは、Xジェンダーの仲間の中でたびたび出る言葉です。移行当初は信じていませんでしたが、次第にその言葉通りだな、と思うことが増えてきています。
少しでも安定した自分であり続けたい。
そう思います。