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#2 そもそも研究者って何してるの? (実験編)
こんにちは。博士学生の柊です。
今日はそもそも研究者って何してるの?ってところを、「実験」という側面から書きたいと思います。
私は研究者の卵である博士学生として、日々実験・研究をしています。その中で、友人にはよく「研究室で何やっているの?」とか「実験って、一日中もやることあるものなの?」などと聞かれます。
確かに、実験なんて多くの人にとっては身近ではないと思います。学生のころに授業で少しやったくらい、という人が多いのではないでしょうか。
ここで私が伝えたいのは、学生たちが授業でやる多くの実験と研究者がやる実験には大きな違いがある、ということです。
授業でやる実験は、その実験をしたらどんな結果になるか「すでに分かっている」ものばかりです。先生の指示に従ってやると、先生が予想する通りの結果になります。なぜならそれは、先人たちがやってきた、もう結果が万人に受け入れられた「研究」の追試験に過ぎないからです。だから、予想通りの結果にならなかったときに、そんな結果になるはずはないと、先生に頭ごなしに否定されたことがある人もいるかもしれません。そんな経験を学生時代にして、「実験なんて茶番だ」なんて思ってしまった人がいたとしたら、私はとっても悲しいです。。。
研究者がやる実験は、実験結果が「分からない」実験です。そんなの当たり前だ、と思うかもしれませんが、これが研究室配属直後の学生が最初にぶち当たる壁だったりします。だって、それまでは「正解」があったのに、突然「正解なんてない」という世界に放り込まれるのですから。
私たちは、日々、仮説を立てて実験をします。そして、仮説通りの結果が得られないことは日常茶飯事です。思った通りの実験結果が出なかったとき、それが自分の実験操作のミスなのか、実験設計の欠陥によるものなのか、仮説自体が間違っているのか、それは誰にも分かりません。先生にも分かりません。答えのない問いを問い続ける必要があります。実験結果の「正解」を自分で見つけなければいけないからこそ、何度も試行錯誤をして、実験条件を変えたり、別の実験系を試したり、いろんなことを試します。それが、研究者のやる実験です。
だから朝から晩までやることはたくさんあります。試したい実験はたくさんあるし、考えなければいけない可能性もいっぱいあります。博士学生は、そして研究者は、そんな試行錯誤に日常の多くの時間を割いていると思います。
この作業には、得手不得手がはっきり分かれると思います。勉強は得意だったけど研究は苦手、という人がかなりの数いるのは、この「正解がない」という研究の性質によるものだと思います。でも、その逆もまたしかりです。受験勉強が苦手でも、研究は得意、なんて人もたくさんいます。
私は、この研究の試行錯誤の過程が大好きです。もちろん、逃げ出したくなることも、全然先が見えなくてイライラすることもあります。でも、やっぱり何かをずっと考え続けてひらめいたとき、それを実験で確かめようとしているとき、とってもワクワクします。
ぜひ、このnoteを読んで、研究者大変そうだけど楽しそうだな、と思った人。一緒に研究者目指しませんか?