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全年齢非対応。
めちゃくちゃ胸に響いてちょっと救われもした小説が、明らかに私の年代に向けて書かれたものではなくて、登場人物たちも一回りも二回りも若くて、「おじさんにはこの感性わからない」とか言われてて、そのおじさんはたぶん私と同年代か下手したら年下で、やっぱり私はいつまでも同じ感性同じ悩みに囚われ続けているのかな、と落ち込む。
私だっていつまでも同じところに留まり続けたくはないのだけど。そろそろ飽きたいのだけど。感性とか悩みを自分でコントロールするのって難しい。考えないようにするとかそんな簡単なことでもない。
そろそろ飽きたいけど諦められない、というのが本当のところで、私が欲しいものはみんな当たり前に手にしているものだから、私が望むものを叶えられてる人が目に入り続けて、それと同時に私の望みに応えてはくれない人が目に入り続けているから、なかなか諦められないのだろう。
だからといって、目を背ければいいというわけではない。そんなことをしたら社会生活が送れない。
周囲の人間ときっぱりと線を引いて強固な自我をつくりあげるとか、そういう根本的な解決はたぶん無理で、感性とか悩みを薄めて薄めてどうにか生きていけるぐらいの濃度にしたり、大きな波に襲われた時にはそれを耐えたり目を逸らして誤魔化したりする技術を日々の鍛錬で磨いていくしかないのだろう。
明日と今日は死んでみて、あさってにはまたスキーなんかに行きたい。自分のことを大好きな恋人がほしいし、私のことをぜんぜん好きじゃない恋人もひとりほしい、すべてへの許しがどうしてもほしい。物語に出てきても発射されない銃があればいい。友情も恋愛も仕事も生活もしない人間たちが出てくるお話があればいい。すべての許しをあなたにあげたい。