【20】愛されてる瞬間
彼が夜中に寝返りを打つと同時に抱き寄せられる。
私は小さな子どもみたいに彼の腕の中に滑り込む。 絶対的な安心感に包まれて、夢の世界へといざなわれてく。
ふと目覚めた時、手をにぎってくれる。 それは私が手を繋ぐ事が好きだから。普段、外では手や腕は組むことを好まない彼が、ふたりだけの空間で私の望みを叶えてくれる。
彼の手は柔らかくすべすべで気持ちいい。
それは彼そのものなんだなぁって思う。
そして、その手で触れられるのが好き。
この年齢だからお互い相手に慎重に向き合ってきた。そして、少しずつ、自分と相手を発見しながら付き合っている。
そしてなお一緒にいたいと思う。ふたりの生活のリズムや物事に対する価値観が似ている、だから違和感がなくいれて居心地良い。
彼は他人とは一緒に暮らせないと豪語していたから、私より彼が驚いてるかもしれない。
「こんなに居心地良いんだったら、もっと早く付き合えばよかった」
私たちに残された時間が限られているから、健康な時にともにいれる時間を大切にしたいと思う。
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