エンジニアを採用できないときにやるべきこと②課題は母集団形成ではなく、選考プロセスにある?
エンジニアが採用できない!という会社さんに課題を聞くと、まず1番に母集団形成を挙げられます。約90%の会社さんがそう答えられます。
確かに自社が求めるエンジニアの数はマーケットに少なく、アプローチも難しいので母集団形成が課題だというのは全く正しいと思います。
ですが、実は今見えてないところに課題がある可能性を考えられたことはありますでしょうか?母集団形成ばかりに目がいってしまっていないでしょうか?
ここでまずお伺いしたいのが、採用データ分析についてです。
まだ以下の記事を読まれてない方は、先に読んで頂けたらと思います。
こちらで取り上げているような、採用データの分析は行われていますか?
もししっかりと行われていて、その結果として母集団形成に課題があると判断されていればその通りなのだと思います。
でももしこの分析をまだされていなければ、他のところにも課題があるのではないかと、少し目を向けてみるのはいかがでしょうか?
エンジニアを採用できないときにやるべきこと①は以下の通りです。
鍵は選考プロセスにある?
では目を向けるべきところはどこなのか?
それは選考プロセスです。
この選考プロセスには2つの要素があります。
①それぞれの選考通過率を上げる
選考通過率というのは主に
書類選考通過率
面接通過率
内定承諾率
が挙げられます。
もちろん、採用ができないからといって書類選考や面接を甘くして選考通過率を上げる、ということをおすすめするわけではありません。
とはいえ多くの企業で、書類選考のチェックのポイント、面接のやり方、内定前後のフォロー等において、改善できる点はまだまだあるというのが私が感じていることです。
②候補者体験を向上する
CXという言葉を聞いたことがありますでしょうか?これはCandidate Experienceの略で、つまり候補者体験という意味です。
カスタマーエクスペリエンスやユーザーエクスペリエンスと近いものだと思って頂ければ良いと思います。
選考を通じて候補者の体験をより良いものにする、ということが重要な要素となります。
たかが採用でそこまで考える必要があるのか?と思われるかもしれません。確かに以前や、エンジニア以外の職種であればここまで考える必要はないと言えると思います。エンジニア採用の難易度が上がっているからこそ、ここまでやらないと採用ができないというのが現実なのです。
この候補者体験の向上というのは選考プロセスを改善する、つまり企業と候補者のタッチポイントを改善し、エンジニアの自社への温度感を高めることと同じ意味だと考えます。
それぞれの選考通過率を向上するには?
選考通過率を向上するには
書類選考
面接
内定承諾
の3つをそれぞれ見ていく必要があります。
書類選考が厳しすぎないか?
書類選考が厳しすぎるケースは往々にしてあります。求めている経験が書類に書かれていないだけで、書類選考NGにしていませんか?
実は経験していることがあるケースもあります。そんな時は質問をしたって良いのです。
また本当にその要件は必須なのか、それに準じる経験ではダメなのか?しっかり議論し判断していく必要があります。例えば書類だけではなくコーディングテストも踏まえて面接に進むか検討する、というのも1つの改善策かもしれません。
また、実際に会ってみると経験以上に人柄が良かったりポテンシャルが感じられることもあります。書類からイメージしていたのとは違い、話してみると大変良い方だったということは本当に良くあることなのです。
なんとなくで面接をしていないか?
面接は候補者をジャッジする上で肝となる選考プロセスです。会社のカルチャーや面接官との相性も大きく影響をするため、面接のプロセスを改善する、というのはイメージが湧かない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
面接の基準を下げてでも採用するというのは、おそらく最終手段だと思います。私がお伝えしたいのは決してそういうことではなく、自社が本当に重要視したいポイントを的確にかつ深いレベルで候補者から聞き出し、それを客観的に判断することが本当にできているか?ということを今一度考えて頂きたいということです。
内定承諾率は何もしないとどんどん下がっていく
また昨今では内定承諾率の低下も多くの企業における共通の課題として挙げられます。多くのエンジニアは1社だけ選考を受けるというのはかなり稀です。やはり比較して決めたいと考えることがほとんどです。
となれば優秀なエンジニアほど複数の会社からオファーをもらい、その中から比較検討をすることになります。せっかく良いエンジニアに内定を出せたとしても、承諾してもらえなければ意味がありません。
このように、多くの企業において書類選考、面接、内定承諾それぞれにおいて改善する余地があると考えています。とはいえ課題は企業毎に異なるため、それを踏まえた選考プロセスの見直しが重要なのです。
候補者体験を向上するには?
候補者体験を向上するには、選考プロセスを改善することが大事とお伝えしました。
選考プロセス、というと何を思い浮かべられるでしょうか?書類選考や面接でしょうか?
選考プロセスを可視化した図は以下の通りです。
思い浮かべられたものと比較するとどうでしょうか?抜け漏れはありましたでしょうか?
こう見ると候補者とのタッチポイントは10以上あることがわかります。
候補者体験の向上が結果として最も現れるのは、内定承諾率の向上と選考辞退の改善です。
この全ての項目で少しずつでも候補者体験を向上することができれば、それだけ候補者の自社に対する興味関心が大きくなり、ここで働きたいという気持ちを高めることができます。
内定段階になりいざクロージングをしようと思っても、それまでの候補者体験が良くなければ辞退される可能性が高まってしまいます。
一つ一つは小さいことかもしれませんが、その小さいことの積み重ねなのです。
選考プロセス改善のアウトプットは何か?
基本的には書類選考通過率、面接通過率、内定承諾率それぞれの数字の上昇がサービスのアウトプットになります。
課題を特定して解決策を検討し実行していくので、決まったやり方があるわけではありません。ただイメージがしやすいように、それぞれの課題解決策の例を以下簡単にまとめてみました。
書類選考における改善例:
書類選考基準の見直し
コーディングテスト導入or見直し etc.
面接における改善例:
各面接の目的の再定義
面接内容の改善
面接官の再検討 etc.
内定承諾における改善例:
内定前後のフォロー内容の検討
オファー面談の実施・内容の改善
内定通知書以外のドキュメント提供 etc.
候補者体験の向上における改善例:
選考プロセスの迅速化
日程調整の効率化
フィードバックの伝え方改善 etc.
どのような手順で進めればいいか?
このサービスにおいては現状を分析し課題を特定してそれに合わせて解決策を検討、実行していかなくてはならず、コンサルティングの要素が強いです。
とはいえ大まかな手順としては以下の通りです。
(0. 直近の採用データを整理し分析する→現状の数字とあるべき数字とのギャップから課題を特定する)
①解決すべき課題の優先度を決める
②優先すべき課題から解決策を検討する
③解決策を実行し数字を見ながらPDCAを回す
最後に
上記手順で示した通り、少し具体性には欠けるのですが、企業によって抱えている課題、優先して解決すべきことが異なるため、このような書き方しかできない、というのが正直なところです。
これまでの経験から、選考通過率の向上においては書類選考と内定承諾が特に優先すべきことだと考えます。
また候補者体験の向上については、小さいことではあるものの改善できることは大いにあり、ここも優先順位をつけて改善していくことが大切です。
冒頭でお伝えした通り、エンジニア採用において母集団形成が難しいことは周知の事実です。
だからこそ
選考通過率の向上
候補者体験の向上
こそが母集団形成を補い、採用の成功につなげるための大事なアプローチだと考えております。
もしご興味をお持ち頂けましたら一度無料相談にてお話をさせて下さい。
ぜひ御社の選考プロセスを改善し、より良いエンジニアの採用を可能にするための支援をさせて頂けたら幸いです。
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