アラフォー30代、教習所に通う ①
高校時代に「普通免許は自分のお金で取る」と決め早20年。大学を諦めて2007年に専門学校に入学し、貧乏ライターからスタートして2016年からはアルバイトを辞め、2018年からは少しずつ仕事が増えて来て、2020年はコロナの大打撃を受けながらも給付金と支援金で立て直し、2022年は人生最高年収にまで届きました。
そうするとぼんやり頭に過るのは長年の夢である「普通免許取得」。だがフリーランスにとって収入が増えた=仕事が増えたということです。車は持っているものの、仕事の忙しさを理由に教習所通いに踏み出せない日々が続きました。
ですがじわじわとお腹の肉が気になりだし、肌がくすみ始めてきたり、白髪が出てきたり、周りの友人の子どもたちがどんどん成長するようになって、「40代」という数字が少しずつ現実味を帯びてきた今日この頃。ふと思ったのです。
「うかうかしていたらあっという間に40代になってしまうし、40代になったらさらに腰が重くなってしまう。30代のうちに何か事を起こしたい」
その焦燥感から一念発起し、勢いで先月末から教習所に通い始めました。わたしを高齢出産し、父が他界してからというものいろんなところに車で送迎してくれた母を、いろんなところに連れていきたいという願望も大きいです。
原付歴18年なので(ゴールド免許3回更新)交通ルールの知識はまあまあ入っているし、頭を使うのは不得意ではないのでそこまで心配してないんだけど、わたくし身体を使う作業は慣れるまでにだいぶ時間が掛かるタイプなのでとにかく技能教習が不&安です。
そんなわたくしが免許を取得するまでの日記をつけていきます。卒業までのリミットは12月28日。一体何ヶ月掛かるのでしょうか……。
1日目 第1段階 入校式 / 学科3コマ
3月29日(火)
申し込み前までは「アラフォー30代で普通免許を取りに行くのは浮くのではないか」なんて少し思ったけれど、教習所は本当にいろんな人がいるし、人との関わりも希薄なので杞憂でした。
授業のたびに教官に手渡す原簿も、住所と年齢の部分は隠れるようになっており、わざわざ取り出さないとチェックできないようになっていました。
女は黙って現金一括払い。OD式安全性テストを受けたところ、「心が細やかで真面目だが、少し利己的でわがままなところがある」との診断結果。聞こえが悪い。我が強いと言ってくれ。
2日目 第1段階 技能1限目 / 学科2コマ
4月1日(土)
初の実技はシミュレーターを使用。これまでの人生で円形のハンドルを回す経験がなかったため、ハンドルの回し方でつまづく。先生が「え、これの何がわからないの?」と動揺してた。完全に引いてた。
「手が下に来たら上に持ち帰る」と言われ、混乱しながら回してみる。普段原付で切るハンドルなんて90度くらいのものだから、ハンドルってこんなに回さなきゃいけないの? とカルチャーショックを受ける。ほんとに運転できるのか超絶不安になる。
3日目 第1段階 技能2限目
4月5日(水)
人生で初めて実際に車を動かす。エンジンブレーキをかけるタイミングが難しい。あんなに散々原付でエンジンブレーキかけてるのになんでわたしわからないの? どういうこと? ブレーキとアクセルがわからなくなって、椎名林檎の「ストイシズム」状態。
先生がわたしよりちょっと年下くらいのノリのいい人で、「素敵なお召し物なのに肩がガンダムみたいに力んでますよ~!」と笑かしながら注意してくれた。アドバイスを聞く余裕が一切なくて「しっかり前を観なきゃ!」「先生の言っていることを理解しなきゃ!」の思考に翻弄されっぱなし。カーブに入る時のブレーキのタイミングを掴むことが課題。
この後の技能教習も枠が空いてたけど、初めて車の運転をするという一大イベントを50分行ったので、へとへとでした。無理でした。1日1日復習しながらやるほうが自分にとってはいいみたいです。
ちなみに前回の不安点だったハンドルの回し方は、「ぎゃー!! カーブしなきゃ!!」という本能がはたらき、どえらいスムーズに回してました。
4日目 第1段階 技能3限目 / 学科3コマ
4月7日(金)
学科はかなり覚えるところが多い、ややこい内容。追い越しと追い抜きの違いとか、停まってる車の横を通るのは追い越しではなく通過とか。20年くらい前に受けた原付の試験では車の分類の詳細は範囲外だったから覚えるのが面倒そう。
技能はそれなりに頭のなかでシミュレーションしていって、自分ができないなと感じていること(ペダル操作が難しい)を言語化して先生に伝えたら、そこの補強をしながら指導していただけた。そのおかげで自然とブレーキ掛けた後にアクセルに足が行くようになった。
右折と左折もした。ちょっと感動した。「手の向きは気にするな、車の軌道を感じろ」というアドバイスをもらった。緊張していたとはいえ、前回よりは体の力が抜けていた気もする。顎を引くと遠くが見える。
わたしは身長のわりに足が長いから、足の長さに合わせて座面の前後を合わせると腕が足りない。ハンドルの位置を下げるといいみたい。
雨が降っていたけれど、そこまでスリップを感じずにすんだ。あんまりスピードが出ていないからというのも大きいけれど、教習所の車はいい車なんだなとあらためて思う。
5日目 第1段階 技能4限目 / 学科1コマ
4月8日(土)
学科は車間距離や停止距離、制限速度、オートマ車の扱い方など。空走距離と制動距離は原付でも学んだけど、詳細な数字まで覚えなきゃいけないみたい。覚えることたくさんあるなあ。
技能はクールな先生で、必要以上のことは言わない人だった。だからたくさん注意を受けた。
左足の位置に気を付ける。縁石の乗り上げを怖がって中央線に寄りすぎる。カーブでアクセルを踏むのはNG。ハンドルを戻すのが早い。左折するときに右を確認するときは停止線で止まってから。停止線より手前に止まりすぎ。ハンドルを戻す時に離さない。ハンドルは戻す方向と反対の手で戻す。ハンドルを見ない。慌てるとアクセルを踏みがち。遠くを見る。
ざっとあげてこんな感じ。たぶんもっとあったと思う。
「縁石をちゃんと見て」と言われたけど、どのあたりを見ればいいのかわからなくて「ミラーでですか?」と聞いたら「なんでミラーなんて発想になるの!」と強めに言われてしまった。苦笑。
ひとまず5日間通ってみて
思った以上にすぐ実際に自動車を運転することになって驚いています。あと、どうしても30代が気にしがちな「年齢」という概念はまったく関係なありません。
先生たちにとって18歳もアラフォーも等しく「生徒」で、できない人たちばかり見ている先生たちにとって自分は「生徒=運転できない人間」のうちのひとりでしかない。こちらが「自分はできなくて当たり前」と思っていると、相手からの注意も素直に受け入れられるし、ありがたいと思えるものですね。大きな気付きでした。
というわけで、30代後半になって新しい挑戦ができることに不安と喜びを感じております。仕事との両立なので大変なことも多いと思いますが、がんばります!
To Be Continued...…