身体化障害 おさらい１
「心因性」を気のせいだと思っている人、そこまでは思っていなくても、「悩み」が解決すればすーっと治る、ストレスに弱いからなるので、精神的に強くなれば、人間的に成長すれば治るみたいなイメージを持っている人が多いようなので、調べておさらいしてみる。
まず、メルクね。http://merckmanual.jp/mmpej/sec15/ch204/ch204g.html
『身体化障害は，身体疾患によっては完全に説明できない，何年にも及ぶ複数の身体的愁訴（疼痛および胃腸症状，性的症状，神経学的症状を含む）によって特徴づけられる。症状は通常30歳以前に始まり，意図的に作り出したり見せかけたりしたものではない。』
ここですでに「疼痛」って出てくるのに注目。心因性で痛みは起こるんだよね。
『身体化障害はしばしば家族性であるが，病因は不明である。この障害は女性に多くみられる。この疾患を有する女性の男性親族は，反社会性人格障害および物質関連障害のリスクが高い。』
ここも注目。家族性というのは遺伝じゃないけど、同じ家族で起こりやすいってこと。そして女性に多い。DVしたり、ハラスメント平気な男性が身内にいる可能性がある。（イヤ今回のポイントはここではない）
『再発性の複数の身体愁訴が，通常は30歳以前に始まる。重症度は変動するが症状は持続する。長期にわたって症状が完全に消失することはまれである。一部の人々は明らかなうつ状態を呈し，自殺を口にすることが一層大きな問題となる場合がある。
異常は体のどの部位でも起こる可能性があり，特異的症状およびその頻度は文化によって異なる。米国では，典型的な症状として，頭痛，悪心と嘔吐，鼓腸，腹痛，下痢または便秘，排尿困難，月経困難，性交疼痛および性欲の喪失などがみられる。男性は，勃起または射精機能不全を訴えることが多い。神経学的症状がよくみられる。不安と抑うつも起こることがある。典型的には，患者は自分の症状を大げさに感情的に説明し，しばしば症状を「耐えられない」，「口では言い表せない」，「考えられる最悪のもの」などと表現する。
患者は極度に依存的になることがある。助けや情緒的支援をますます求めるようになり，その欲求が満たされないと激怒することがある。自己顕示欲が強く，誘惑的であると思われていることもある。また，脅したり自殺を試みることもある。しばしば治療に満足せず，医師から医師へと渡り歩いたり，同時に何人かの医師に治療を求めたりするのが典型である。』
『多くの症状（頭痛、吐き気、下痢、便秘、疲労感など）が、数年間にわたって現れるのが典型的です。
身体的苦痛の治療を求める患者に対し、症状が身体疾患によるものではないことを確認するために多くの診察や検査が行われます。
医師との支持的な信頼関係を築くことが非常に役立ちます。認知行動療法も有用となります。』
精神科方面だと、概ねこれと同じ認識のようだけど、痛いということでやってきた患者をどう見るかは精神科ではないお医者さんたちにとっても大きな問題なので、いろんな解説と症例が挙がっている。
『疼痛は医療現場で最も頻繁にみられる訴えである。難治性の慢性疼痛患者を抱え対応に苦慮されている先生方も多いであろう。疼痛は，末梢神経性疼痛，中枢性疼痛，精神的疼痛の3つに大別されるが，今回扱うのは精神性疼痛である。心理的な要因が重要な役割を果たしている代表的な病態としては，疼痛性障害がある。疼痛性障害は，診察や臨床検査を行っても目立った異常が見つからず，ひたすら痛みを訴えて臨床像の中心となる。実際の症例から入ってみよう。』
顎が痛い顎関節症も精神科領域と関係が深い。これは歯医者さん向け
『私たちの臨床では、身体的な原因が見当たらないのに「ある症状」を訴える患者に遭遇することがままあります。たとえば、顎関節症で咬合調整をした直後から頭痛やめまいに悩まされるようになったケースとか、ある日を境に、顔面に原因不明の強い疼痛が発現するようになり、神経内科・脳外科・耳鼻科・口腔外科を転々としたが、異常が見つからないなどというケースです。』
もちろん痛いから整形外科に行く人もおおいわけで、整形外科のページにも症例報告がありました。
『心理的なストレスから、身体に色々な症状をきたすと言われています。
たとえば、あらゆる部位での体の痛みであったり、痺れ感だったりします。これは日によって痛みの程度や部位が変わったり、それが繰り返される事で痛みが長期化します。ほかにも、自分の意思と相反して体が動いたり、震えが生じたりすることもあります。
近年の、インターネットの普及によって、自分の病気に関する情報が過多になり、誤った解釈に基づいて重病にかかっているのではないかという考えに取りつかれてしまうものも含まれます。』
ここまでは大人のケースですが、子どもだとまた出方が違うらしいです。（続く）
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