はじめての海外生活で得たのは、多様性への感動と人種差別の経験。

はじめての海外生活は、もう10年前。
日本の学校での英語の成績はそこそこよかったけど、スピーキングやリスニングは全然ダメだった。「This is a pen.」しか言えない、リスニングも全くわからない状況での語学留学生活が始まるという。
こんな状況でも、不安はほとんどなくて、渡米前はワクワクして眠れなかった。
安定した仕事を辞めることに対して、周りからはもったいないって言われたけど、私には夢や目標があったし、こんな選択ができる自分に自信しかなかった笑。5年後、10年後の自分を思い描くと、さらにワクワクは増すというアドレナリン大放出の時期だった笑。

<多様性との出会い>
もともと日本の窮屈さ(保守的なところとか、個性を殺すところとか)がしんどかったから、カルチャーショックもなかったし、ホームシックもなかった。

日本で出会ったこともない、いろんな文化や価値観と出会って学べる毎日がとにかく楽しかった。もう日本に帰りたくないってすぐ思うようになった。

ゲイの友人ができたり、生まれてはじめてプライド・パレードを見たり、ヘイト・クライムやジェンダー暴力に苦しむ友人とたくさん時間を過ごすなかで、ジェンダー分野を軸にキャリアを築いていきたいって確信できたのも、このとき。

<はじめての人種差別>
はじめての海外生活はホームステイだった。
ベティ(70代のおばあちゃん)とふたり暮らし。
それなりにお金払ってるから、部屋もシャワーもプライベートだった。

でも、ホームステイで唯一出してた希望がインターネットがあることだったのに、なんと、インターネットがなかった。
しかも、語学学校からめちゃ遠い。地下鉄の最後の駅、かつ、駅から家まで25分くらい歩かないといけない。同じ語学学校に通う友人たちに聞いても、こんなに遠くて不便なところに住んでる人はいなかった。海が目の前に広がる素敵といえば素敵な場所だけど、海を見ても感動しない私にとっては素敵でもなかった。

少しずつわかってきたのは、ベティのおうちにはいつも日本人留学生が滞在していたこと。
ホームステイ先は語学学校が決める。語学学校側は、文句を言わない日本人をこの条件の悪いホームステイ先にあてがってたんだろうってすぐに思った。海外に住んでいるとよくわかるけど、外国人慣れしてる人たちは、アジア人、とくに日本人は主張をしない、文句を言わないってわかってるから。しかも、インターネット希望出してるのに、インターネットないステイ先をあてがう。
これはもう、れっきとした人種差別。

語学学校には人種差別だってことを伝えて、ホームステイ契約を打ち切ることにした。

ベティには、インターネット契約してほしいって何度も何度もお願いして、ようやく対応してもらえた。インターネット以外にも雨の日に25分も歩くのがつらいとか要望を出したせいか、ベティに「こんなに文句をいう子ははじめて」って言われたな。褒め言葉として受け取ったけど、腹も立った。私からしたら、言わなかったこと、言われなかったことがおかしい。改めて、語学学校の対応は最低の行為だったと思う。

ベティは、けっこう口うるさかった。当時でもう20代半ばなのに、夜23時くらいになると、もう寝なさいって怒られて、電気消されたこともあった。料理をしない人で、毎日冷凍食品だったな笑。
でも、Tシャツを買ってきてくれたり、夜遅い日や雨の日は車で駅に迎えに来てくれたり、優しい人だった。

<そのほか:主張して権利を勝ち取る文化>
語学学校のクラスは学校側が決める。合わない先生がいたら、私はすぐにお願いしてクラスを変えてもらった。アメリカでは主張した者勝ち。先生に対する不満を言いながらも、なんの主張もせずにずっと同じクラスにとどまる友達もたくさんいたな。
ちなみに銀行なんかの手数料も交渉すると免除してもらえたりする。ルールに縛られず、主張して変えられる。私にとってはめちゃ生きやすい場所。
ほかにもいろいろ事例はある。主張や交渉のために、言い返すために、英語を上達させたいっていうモチベーションも芽生えてたなー。
あと、大事なのは、small talkから入ってフレンドリーに主張・交渉すること(アメリカの場合)。

<英語の勉強>
最初は「This is a pen.」レベルだから、もちろん友達との会話は成り立たない笑。でも、語学学校でできた友達とたくさん時間を過ごして、デートして、あとは、日本語を話さないルールを自分に与えて、語学学校にいた日本人の友達とも英語で話してた。
リスニングも全くできなかった。語学学校の先生が言っていることが全く理解できない笑。でも、毎日毎日、大好きな映画で、ディクテーションをした。ディクテーションを終えたら、ひたすらリスニング。同じ映画を100回は見たと思う。
こんなことをしながら、少しずつ英語力は上がっていったと思う!

<最後に:Stop Asian Hate>
長い間、アジア人は人種差別の問題から置き去りにされてきた。それはもちろん、黒人とは歴史が違うからそうなってしまったっていうのもあるけど、アジア人は黙ること、耐えることを美徳とされて育ったことも大きい。本当に悲しいし悔しいことだと思う。私は絶対に黙らない。White Supremacyにノーと言い続けることを諦めない。社会は小さな声で変わっていくって信じてるから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?