Black Lives Matterが問いかける人種差別への声の挙げ方
PRディレクターのさやです。
今日は「Black Lives Matter」に代表される世界を席巻した黒人差別反対デモに対して、考えたいと思います!
Black Lives Matter
Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)とは、アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為をきっかけにアメリカで始まった人種差別抗議運動のことです。
発端は、今年5月にミネソタ州で起こった、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に8分46秒間にわたり、首を圧迫されて死亡した事件です。この事件の様子がSNSで拡散され、抗議の声が全米に広がりました。ただし、この事件より前の、2012年2月にフロリダ州で起きたある事件がBLM運動の起源だといわれています。
これは、お菓子を買いに出かけていたアフリカ系アメリカ人の高校生トレイボン・マーティンさんが、自警団の男性に射殺された事件です。マーティンさんは武器を所持していませんでしたが、自警団の男性は正当防衛が認められ、無罪判決となったのです。
この判決を受けてアリシア・ガルザ氏は、SNSに判決に対する批判を投稿。その最後に“Black people. I love you. I love us. Our lives matter, Black lives matter.(黒人の皆さん。私は皆さんを、愛しています。そして、私たちを愛しています。私たちの命は大切です、黒人の命は尊重されるべきなのです)”と記したことがきっかけといわれています。
今年のテニス全米オープンでは大阪なおみ選手が異なる名前が記されたマスクをつけて出場し、世界の注目を集めました。マスクに書かれているのは、アメリカで警察の人種差別的な暴力の被害に遭った黒人犠牲者たちの名前です。
出典:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-54097581
声のあげかたは正しいのか?
世界を席巻したBLM運動ですが、この中には略奪などの犯罪行為を通して怒りを表現する人も多くいました。「それでは我々黒人は何も変わらない」と、語る1人の黒人男性の姿が世界中で共感を呼びました。
「よく聞いてくれ。今、君が見ていることは10年後にも起こる。26歳になった君も、俺と同じことをやっているだろう。分かるか、10年後も状況はきっと変わらない。16歳の君がすべきなのは、もっと良い方法を見つけることだ。なぜなら、俺たちのやり方ではうまくいかなかったからだ」(カーティス・ヘイズさん)
話し手はノースカロライナ州でメンテナンス会社を経営するカーティス・ヘイズさん(32)。これまでの人種差別反対のあり方に異を唱え、「若い世代への教育」に注力しています。
「黒人としてどう生きるのか。」
ヘイズさんは次の世代の教育のため、自腹で子どもたちのためのアメリカンフットボールのチームを創設。アメフトの練習を通じて、「規律正しさ」を学ぶことで、家庭環境に流されず、自分自身で判断できる大人になることが人種差別をなくすことへの「より良い方法」の一つだとヘイズさんは信じているのです。
まとめ
今年BLM運動のきっかけとなった数々の事件は改めて人々の心に根付く差別を浮き彫りにしました。痛ましい事件に心を痛めた方も多くいらっしゃるでしょう。そして、その痛みを度を超えた略奪などの行動に移してしまう人もいました。負の連鎖がつながっていく様は誰も救われません。自分はどう考え、どうすべきなのか、考えられる人を育成しようというヘイズさんの姿に静かな強さを感じます。「黒人としてどう生きるのか」みなさんはどう思いますか?
photo by Choo Nicholas
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