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掃除の「当たり前」も変えていく

さやか星小学校 教務主任・第1学年担任 島岡次郎

 「そういうものだ」と決めつけて、疑問をもたずに続けている学校の教育活動は実に多いのですが、その中でも代表的なのが掃除です。どの学校でも、絨毯爆撃のように教室を掃き掃除と拭き掃除していく方法は、一体いつから行われているのか。特に、長年「これはどうにかならないか」と思っていたのが雑巾による拭き掃除です。しゃがみ込んだ姿勢から、寺の坊主が延々と続く長い廊下を水拭きする様は、修行の様子としてよく使われます。あれと同じ掃除を、今も学校ではしているのです。私も子どもたちと一緒に掃除をしていたので分かるのですが、物凄くきつい運動です。そりゃあ、雑巾が嫌になります。掃除が嫌になります。しかも、子どもはスピードを出したい生き物なので、まるでミサイルのように教室の中を突進する姿がそこかしこで見られます。あれ、物凄く危ないです。どう考えたって、もっと効率的で、安全で、子どもたちが楽しく掃除ができる方法があるだろうと思っていました。そして、そのアイデアも持っていた私は、さやか星小学校で実行に移しました。それが、雑巾ワイパーの導入です。

 普段、ご家庭で床を拭き掃除する時、どんな道具を使っておられるでしょうか。我が家では、クイッ◯ルワイパーを使っています。あれはとんでもなく便利な掃除道具ですね。持ち手が長いので屈む必要がないし、机や椅子も動かさずに床を拭くことができます。あれを、学校でも使えれば良いのに。でも、毎日付け替えのシートを使っていたら経済的ではないなあと思っていたら、見つけたのです!学校で使っている雑巾を挟んで使えるワイパーを!!

 公立学校では、こうした道具があったとしても、導入までには恐ろしく時間がかかります。「いつも学習で使っている教室に感謝の気持ちを示すためにも、身体をフルに使った雑巾掛けをするべきだ!」という精神論が飛び出してきそうな予感もします。しかし、そこは「学校の当たり前を変えていく」さやか星小学校ですので、子どもたちにとってより良いと判断すれば、もう即行で導入します。夏休み明けから、写真のようなワイパーを使って掃除をしています。集めたゴミは、以前ご紹介したミニ箒セットで集めて捨てます。どちらの道具も子どもたちは楽しいようで、「学校で好きな時間ランキング」で「掃除」が上位に入ってくるほどです。さやか星小学校は、「掃除が大好きな子ども」を育てています。