もしも もぎたリンゴを 食べたなら
さやか星小学校 教務主任 第1学年担任 島岡次郎
先日、校長の青木高光先生が、「ほとんどの長野県民は、リンゴの人生必要摂取量を既に食べている。」と仰っていました。長野県民にとって、いかにリンゴが身近な存在になっているかが良く分かる言葉だなと思いました。さやか星小学校は、そんな長野県で産声を上げた学校ですので、遠足がリンゴ狩りなのも当然のことです。10月26日土曜日、全校児童22名で、リンゴ遠足に行ってきました。
手前味噌ですが、本当に楽しい、素晴らしい遠足だったと思います。皆様は、リンゴ園に行かれたことがありますか?見渡す限りに広がるリンゴの木に、見慣れた赤と青のリンゴから、プラムのような深いルビー色のリンゴまで、空に広がる星のように無数のリンゴが生っている景色を見たことがあるでしょうか?1000万球のLED電球を使ったイルミネーションだって、あんなに人を感動させることはできません。もぎたてのリンゴの香りを嗅いだことがあるでしょうか?どんなに高価な香水だって、あの香りの前では色褪せるでしょう。もぎたてのリンゴを食べたことがあるでしょうか?果実に歯を入れた瞬間、水風船が爆ぜたかのように、果汁が口の中に溢れ出てくるのです。砂糖を入れたジュースより、ずっとずっと甘い。飲み込んでしまうのが勿体なくなる、宝石を液体にしたような果汁です。この素晴らしいリンゴを育ててくれた農家の方の話を聞き、リンゴを見つめる瞳を見れば、育てる人の気持ちがリンゴをさらに美味しくすることを、理屈ではなく心で理解できたことでしょう。
子どもたちは、たった1時間のリンゴ狩りで、多くのことを学びました。それは、言語化することが難しい、感覚的な学びであったと思います。しかし、観察があまり得手ではないお子さんが、呼吸を忘れているのではないかと思うほど、じっとリンゴの木を眺めている姿を私は見ました。あまり量を食べることができず、いつもは時間をかけてゆっくり食事をするお子さんが、貪るようにリンゴを齧る姿を私は見ました。リンゴ農園の代表の方に、順番待ちが出るほど質問をする子どもたちの姿を私は見ました。これらの子どもたちの姿が、ただ「リンゴが美味しかった」ではない、素晴らしい学びを子どもたちが獲得していることを教えてくれました。
この日は雨こそ降らなかったものの、1日を通して曇り空で、動かないと少し肌寒くなる気候でした。そのためか、リンゴを食べる子どもたちの頬は少し赤らんでいました。その頬はまるで、子どもたちが食べている「ぐんま名月」のようでした。
帰りのバスの中・・・。
A子さん 「先生、今日の遠足、本当に楽しかったです!」
島岡 「そうだね。楽しかったね。良かったね。」
A子さん 「はい!・・・先生、本当に楽しかったんです!」
島岡 「そうだね。良かったね。また来れると良いね。」
A子さん 「はい!また来ます!・・・先生、楽しかったですよね!」
島岡 「そうですね。先生も楽しかったですよ。」
A子さん 「はい!良かったです!・・・先生、楽しみだったし、楽しかったです!」
島岡 「そうですね。楽しみだったことが想像通りに楽しかったなんて、最高ですね。」
A子さん 「はい!最高です!・・・先生、本当に楽しかったんですよ?」
島岡 「いや、分かってますよ。なんで疑問形なの?」
こんなやりとりが、しばらく続きました。そのくらい、楽しかったんです。
令和7年度 入学・転入学児童募集
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