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OLさやか様のお戯れ

毎朝決まった時間に起きて
憂鬱な通勤電車で消耗して
黙々とパソコンの前に座って
ひたすら図面と向き合って
社員食堂のランチを楽しんだ後は
午後の気だるい時間をやり過ごしたら…いつの間にか定時。
時々テレワークでのんびり働いたり。

どこにでもいる普通の会社員。
これは私が主に演じているもの。

今の会社は中途で入社しましたが、正直言って私にはもったいないくらいの高待遇なのでどうせならこのまましがみついていようと思っています(笑)

今の会社は至って平和です。
そう感じられるのは、今の会社に転職する前に味わった苦い労働の日々があるからこそ…

その日々とは

実は、新卒で入社した会社を退職してから今の会社に再就職するまでの間、短い期間でしたが
派遣社員として働いたことがあるのです。
この時に体験した事の数々は、今思い出しても…
腹が立つというより、寒気がします。
「よくもまあ、あんなブラックな労働条件で働いてたなあ」と(苦笑)
(それでも真のブラック企業よりはだいぶマシらしいですが)

そんな日々のお話。

新卒で入社した会社を一身上の都合により退職した後
(念の為お断りしておきますが、ネガティブな退職理由だったり曰く付きな退職理由ではありませんよ。円満退職ですからね)

リカレント教育を始めてみようかと思うけれど、今の働き方ではなかなかその時間が取れない…という事と
転職も視野に入れていましたので、思い切って時間の取れる派遣社員という働き方を選択してみました。

…あとは自分の趣味の時間も欲しかったですし。
趣味の時間とは、言わずもがな(笑)

派遣社員はWLBがしっかり確保できるしいいかもしれない、なんて考えてたのが本当に甘かったですね。

確かに残業はほぼゼロだし
土日祝日は完全休暇で休日出勤もないし
確かにその点は楽でした。

その代わり、メンタルはかなり消耗しました。
たまたま私が派遣された就業先があまり良くない会社だったのかもしれませんが、派遣差別がとにかくキツかったですね。
あとは社員が自分のミスをしれーっと派遣になすりつけて激詰めしてきたりとか。
このあたりは派遣社員を経験した人なら一度は受けたことのある理不尽な仕打ちかと。


それと、正社員同士はお互いを尊重し合うけれど
派遣相手の時はとことん見下した対応。
恐らく無意識のうちにそうしているのでしょうけど、無意識にやっているからこそタチが悪いとも言えますね。

そういう企業文化なんだろうなと割り切ってはいたものの、そこまで露骨に差別があるのもいかがなものかととは思いますね。
そういう人も本当にいるのですね。
自分で身をもって体験するまで、ネットの世界での都市伝説かと思っておりました。

まあこれも今となっては貴重な経験かもしれません。

それにしても、その派遣先はなかなかトンデモな企業様でございました。

派遣社員には人権がないのがそこの会社の暗黙のルールの様でしたが
だからといってそこの会社の正社員になりたいかと言われたら謹んで辞退させて頂きます(笑)
そんな企業文化のある会社の社員なんて、まっぴら御免ですから。


そして、その会社には食堂がありましたが、と言っても食事を提供するサービスのある社員食堂ではなく、単に食事を食べる為の休憩スペース(TVはあり)があるのみでした。
(社員総数が50人くらいの中小企業だから仕方ないのかもしれませんが)
私が新卒で働いていた会社は、まあ、大きい会社だったので普通に社員食堂もありましたし、社員食堂を派遣社員や外部の業務委託の人たちが使っていても誰も何も言わなかったので、それが普通だと思っていました。
本当に悪い人がいない会社だったのですよ。

派遣先のその企業は
「派遣社員は休憩スペースを使わずに自分のデスクで食事をとる」
という暗黙のルールがありました。

派遣初日のお昼休み
お弁当を持って食堂に入ったけど、何となく
「あっ、ここ、私が使ってはいけないムードを感じる…」
と察知したので、レンジでお弁当を温めた後はそのまま自分の席に戻りました。
結果的にこれは正解でした。

その後、午後の業務の合間の小休憩がてらお茶を淹れに行こうと給湯室に行った時、同じ派遣会社から派遣されている先輩派遣社員の方から
「今日、お昼ごはんデスクで食べてたでしょ?あれで正解だよ、危なかったね。派遣の人はだいたい初日で引っかかるの」
と聞きました。
なんのことかと思って訊ねると
「何も知らないでお昼ごはんを食堂で食べると、後から社員達にネチネチ嫌味言われるの。ここね、そういう会社なの」

…なるほど。そんな見えない地雷が所々に仕掛けられているとは…
かなり面倒な会社なのですね。
ぱっと見は穏やかで品が良さそうな雰囲気なのですが、性根はトコトン腐ってそうですね。
「怒鳴られたり罵声が飛んでくるみたいな荒っぽいことはないけど、言葉の一つ一つに険があるというか、姑根性丸出しみたいな人が多いから気をつけてね」

そうですね。
確かにそんな感じがします。
その代わり、派遣社員同士は結束していました。
同じ派遣会社という事もあったのかもしれませんが
それだけではなかったと思います。
先輩派遣社員の皆様から助けて頂く機会が多く、本当に有り難かったです。

特に私は派遣で働くのが初めてでしたので、派遣社員が暗黙の内に心得ておくべきルールなどの様なものを一切把握しておりませんでしたので、それらを一つ一つ丁寧に御教示頂けて本当に助かりました。

今、私が働く会社でも派遣社員の方々が多数いらっしゃいますが、派遣社員の方にも自社の新入社員と等しく、分け隔てなく親切にすべしと留意しております。

…まあ、今の会社も悪い人がいない会社なので特段意識せずとも「派遣さんにも自社社員と同じように優しくね」という雰囲気はもとからあるのですが。
(入社したばかりの頃は「会社が優しい世界になってる…!」とひたすら驚いておりましたので 笑)

さて、話を戻しますが
確かにこの会社は中小企業ではあるものの大卒以上のみの採用という事もあって、少しハイソな雰囲気もあったりはするのですが
いわゆる「学歴厨」「学歴マウント系」みたいな感じの、拗らせてる雰囲気の人が多かったように思います。
中途半端に大企業・一流企業のホワイト文化を真似してみても同じようになりきれていないちょっと残念な企業といったところでしょうか。

もっとわかりやすく(?)言えば
タワマンに住んでセレブを気取っても所詮ニセモノみたいな人達というか…

ほんと、息を吐くように「派遣だから」と見下してくるのですから。
そんな事では優良企業にはなれませんね(爆笑)

ちなみに本来なら派遣社員を依頼する時に面接をすることは法的にアウトなのですが
「顔合わせ」や「職場見学」という名目のもと、事実上の面接を行っているのが現状でした。
その際に派遣社員の職務の経歴を見るのはスキルの確認をする上でのことと思いますが

どうやらそこの会社は
自社の正社員が大卒以上しかいないので、派遣社員も同様に大卒以上の人で、というのが暗黙の内の条件であるようでした。
派遣社員にそれを求めるのはあまり良くないと思うのですが…

その際に「どこの大学を卒業したのか」や「どこの会社で働いていたか」は派遣会社だけが知り得る情報で、派遣先がそれを聞く事もアウトなので
派遣社員の履歴書や職務経歴書は派遣元のみに提出するので派遣先には開示しないということになります。

よって、派遣先が把握できる情報は
「最終学歴(大学卒)」
「経験した職務(メーカー系企業で開発部門に配属・その業務内容)」
までとなります。

ですから、私のことは大卒なのはわかっているけど
「どうせ派遣なんかやってるくらいだからFラン卒なんでしょ」
「Fラン大学を出て底辺のFラン企業で社畜やってたけど嫌になって辞めて派遣なんかやってるクチなんでしょ」
というのを、直接面と向かって言われた訳ではありませんが、そのように決めつけて見下されているのを常に肌にひしひしと感じていました。


ウフフ…そうやって見下していれば良いのです。

私は私のなすべき事を粛々とやり遂げて行くのみです。
余計な雑念や心ない言動に惑わされたり、心を乱されて自分の目的を見失っては元も子もありませんので。

目的が明確な人はブレないものです。

最終的に私は今の会社から内定を頂けましたので
そこの派遣は今期限りで契約更新はしない意向を伝えることになりました。(何度か更新はしました)

派遣元の担当者には就職が決まった旨を伝え、残りの有休を消化する段取りを派遣先の責任者と話し合いをすることにしましょうと話しがついていたのですが
その翌日に派遣先の責任者が
「えっ?契約更新しないんですか?!まだ2年以上うちで働けますよ?!」(派遣は最長3年まで契約更新可能)
と、泡を食って私のデスクに飛んできました。

そして責任者から聞いたであろう、私の配属部署の指揮命令者(直属の上司)から会議室に呼び出され
「他の企業さんに派遣されるんですか?それならうちにこのままいて貰った方が…せっかく仕事にも慣れてこれからも頑張って貰おうという時にいなくなられても…」
と仰るのですが、そういうことを派遣社員には望まないで頂きたいですね。
派遣社員はどんなに長くても3年の命です。
(無期雇用という例外もありますが)

そもそも派遣社員は派遣先と直接の雇用契約を結んでいる訳ではありませんし、派遣先企業に対する帰属意識なんてものも皆無に等しいものです。

他の人はどのようなスタンスかはわかりませんが、少なくとも私は「派遣の仕事は完全にお金の為」と割り切って働いていましたので、愛社精神だとかエンゲージメントなどといった感情は一切持ち合わせておりません。

場合によっては派遣先に愛着を感じる事もあるのかもしれませんが、それは派遣先の社員と良好な関係性を構築できていることが大前提です。

事あるごとに差別をされて、見下される毎日を送ってきた状況で「我が社の為にこれからも頑張って」と言われてもただひたすら白けるだけです。

まあ、そんな心のうちはおくびにも出さず
「そうですね、せっかくご縁を頂いた御社でこれからも尽力したい気持ちもあり、心残りではあるのですが」
などと一応形ばかりの社交辞令もほどほどに…

「この度は正社員でのお仕事が決まりましたので、是非とも新しい場所で挑戦をしたいと思っております。短い間でしたが大変お世話になりました。残りわずかですが、最終日まで精一杯業務を全うして行きたいと思います」

本当はこの方には色々と言いたい事はあったんです。
他人(他の正社員)のミスを、私がやらかした前提で事実確認もなしに頭ごなしに叱責してきたこと。
結局そのミスをしたのは私ではなく、自分の部下の社員という事がすぐに判明したけれどそれに対する謝罪の言葉は一切なかったこと。
それどころか「伝票No.があなた(私)の入力したものと似てる数字だったから間違えたわ。紛らわしいのよね」とすっとぼけたり。
これはほんの一例で、一時が万事そんな感じでしたので、決して居心地の良い派遣先ではありませんでした。
でも、それをわざわざ言う必要はありません。
言ったところで私の得になることは何ひとつありませんし、何よりも時間の無駄です。

今までも、そしてこれからも、ずっとそういう生き方しかできない人に言っても意味はありませんから。

この人はこの狭い世界でそうやって陳腐な自尊心を保って生きて行けば良いのです。それがお似合いなのです。

私が何も言わずにニコニコしているのは、決してその人を許しているからでも、認めているからでもなく
哀れな人だと心から思っているからなのですよ。

自分の感情をぶつけるに価しない人だと思っているからです。

間も無く、今後の人生で二度と関わり合いになる事もなくなるであろう人ですから。

あとは自分の責務を淡々と、粛々とこなしながら
残りわずかとなった日々をやり過ごせば良いのです。


と言っても根がSの私ですから
「どうせ派遣だし」
「もういなくなる職場だし」
という事で、軽くジャブを入れてみて、その反応を見て楽しむ事も忘れてはいません(笑)

残り10日を切ったある日のこと
給湯室でお茶を淹れていると、そこにやって来た直属の上司から

「ところであなた、再就職先ってどんな職場なの?」
(こういうのを派遣社員に聞くのはコンプライアンス的にアウトなんですけどね…)
と。

…あらあら、そちらから来ちゃうのかしらあ?笑

「えっ?どんなって、まあ、わりと大きい会社ですね…」

どうせこんな派遣なんかが就職する会社なんて、大したことない会社かブラック企業あたりが関の山とでも思っているのがありありと感じられる雰囲気(笑)
「◯◯社様(ここの会社)のような素敵な会社だと良いのですけれども…」
「そうよね、うちは中小だけどそれなりの会社だしね。あなたの就職先がどんな会社かは分かりませんけどうちより酷い所だったらバイトか契約社員あたりで戻って来たらいいんじゃない?」

…言ってくれますね(笑)
「そうですね…まぁ、でも◯◯(今の会社)はホワイト企業で有名ですし、私みたいなのでも大丈夫かもしれません…あっ、会社名言っちゃった」
と、天然女子を演じてみると……まあ不思議
上司様の顔が草鞋の様になっていらっしゃる

「へ、へぇ〜…◯◯なの、◯◯?…あなたみたいな人がよくあんな会社に入れましたねぇぇ」

どうした訳か、口元がワナワナ震えていらっしゃるのは何故でしょうか。
このお方、口癖のように
「うちはヘタな大企業よりもしっかりしてる」
が口癖でしたのにね。
私がその「ヘタな大企業」に就職が決まったからと言って狼狽える理由はひとつもないでしょうに。
どうしたものでしょうか。
不思議でございますね。

「あの、どうなされたのですか?ご気分でも悪いんですか?」
「だっ大丈夫です!でも最近は大企業も学歴フィルターなんてないのかしら」

それはどういう意味でしょうか?

…あ。もしかしてまだ私がFラン大卒と信じて疑わないのでしょうか。
それはそれでそういう人々に失礼だと思いますよ。
Fランと揶揄される大学を卒業しても立派な人はいくらでもいますからね。
それどころか大学を出ていなくても立派な人は沢山います。
なんと視野の狭い人なのでしょうね。…愚かな。

「まあ、中途採用ですからね、私の学歴はあまり見ていなかったのでしょうか?」
「そうよね、中途だものね。新卒じゃないものね」
「それよりあの…本当に顔色悪いですよ、大丈夫ですか?」

どうされたのでしょうか?
いつものようにネチネチとイビる余裕を無くしていらっしゃいますね。

癇癪を起こすのを必死になって堪えて
爆発寸前の物凄い形相です。

私の言葉の一つ一つがボディブローのように効いているのでしょうか?

…ウフフ。すごくいい顔です。
ソソりますねー
ゾクゾクしますねー

ではここで
「そうですね、◯◯大卒、なんて言っても所詮はただの肩書きに過ぎません。そんなものよりこれからの自分がどう頑張っていくのかが大事なんですよね」
「ふぁっ?!あなた◯◯大卒なの?嘘ついてもだめよ!」
「あの…そんな嘘をつく必要はないと思うのですが。どうして嘘だと思うのですか?というより、学歴がすべてではないと思いますよ。さっきも申し上げた通り、学歴よりも大事なことは沢山ありますよ。」

なんでしょう、口をパクパクさせて。
酸欠の金魚のようになっていますね。

この方に一番効きそうな感じのテイストで追い込んでみますか、と。
(あまり好ましくはないのですが)

今まで見下していた人にちゃぶ台をひっくり返されるの、この手のタイプの人は一番嫌なのでしょう(笑)
ちゃちなプライドで身を固めているのでしょうから。

ストレートで鼻柱を折って差し上げても、尚まだ高みに立とうと必死な姿があまりにも哀れで……唆られますね。

「それと、少々気になったのですが、先程私が◯◯大卒というのが嘘だと仰いましたが、あれはどういう意味なのでしょうか?…もしかして私のようなものが◯◯大卒な訳がない、という解釈でよろしいのでしょうか?」
「だって、そんなところを出て派遣なんかやる訳ないじゃないですか!」
「なるほど。それは、派遣社員を見下した発言という事でよろしいですね。…わかりました。よく覚えておきます」

そしておもむろにポケットからスマホを取り出してみました。

「ウフフ。◯◯さん(上司)が給湯室に来られてからの会話、こちらに全て録音させて頂いておりました。こちらの音声データ、いかが致しましょうか?とりあえず私の派遣元に提出させて頂きたいと思います」

上司の顔がサッと青ざめました。
赤くなったり青くなったり忙しい人ですね。
血圧がやや心配です。

「ちょちょっと待って!今までの事謝りますから!それだけはやめて下さい!」

今までのこと?なんの事でしょうか?
私、何かされて来ましたかしら?

「今までバカにして見下してたけどあれ冗談だったのよ?真に受けないでくださいよぉ〜」

そうですか。
やっぱり私達、派遣社員の事を見下していらしたのですね。
…よくわかりました。

まあ、結果的にこの音声データは一応派遣元の担当にはお聞かせ致しましたが
あくまでも「こんな事があったんですよー」くらいの気持ち程度のものに留めておき
おおごとにする気もない旨を伝えて、データのファイルのコピーを担当に渡し、あとは派遣会社に一任する事にしました。

今後も派遣社員を続けるならばそれを基に改善を求めたのかもしれませんが、もう派遣社員は辞めるのだから、私としてはどちらでも良いというのが本音です。
ただ、願わくば後に残される派遣の人達、これから配属される派遣の人達が少しでも働きやすくなるのを望みます。

その後、最終日まではなぜか上司は私を見てオドオドしたままで
その癖、最後の最後まで謝罪の言葉はありませんでしたが…それはまあ、良いのです。

あの時の給湯室での無様な吠え面を拝見させて頂きましたから(笑)
それでよしとしましょう。

私の足元にひれ伏して惨めに赦しを乞う姿がとてもお似合いでしたね。

でも正直、こんな外道は調教したくありませんね。
可愛いMならいくらでも調教して可愛がってあげたいのですけど、性根が腐っているものはいくら調教してもどうにもなりませんからね。
こんな腐った人間はただひたすら、みっともなく地べたを這いつくばっていれば良いのです。

お望みならいくらでも踏み付けて差し上げてもよろしいのですよ。
こういう手合いは思いっきりサドに振り切って痛めつけて蹂躙しても罪悪感を全く感じなくて済みそうですからね。

まあ、踏み付けることもありませんがね。
外道に構ってあげられるほど暇を持て余してはおりませんし
私の美しい足があのような外道を踏み付けて穢れるのはイヤです(笑)

時々思い出して
「そういえば、あんなおバカさんがいたわ」
と笑い種にする程度でしょうか。

外道の分際でも時々この私に思い出して頂けるのだから、感謝して頂きたいものです。




ウフフ……会社でもSMができるなんて、ある意味楽しい職場だったのでしょうか

















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