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【モデルプラン】海と陸の世界自然遺産「知床」をとことん楽しむ!初心者向け 2泊3日ドライブ旅プラン
「地の突き出たところ(シリエトク)」のアイヌ語の意味を持つ、「知床」。その名の通り、知床国立公園は北海道本土の最東北端に位置しています。
ただ、どのような魅力や楽しみ方があるかがわからず、お問い合わせをいただくことも多い地域でもあります。
今回は、北海道専門の旅行会社で働いているライター・ さやが、海も陸もどちらの知床も楽しめるモデルプランのご紹介をいたします。
知床のキホンの基本
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2005年に世界自然遺産に登録されたそのテーマは「海と陸の自然遺産」。鮭を介した海と川と森の養分の循環が、生物の多様性を支えている点が評価されたことにあります。
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流氷がもたらす海の養分が、鮭によって川に運ばれ、その養分が森を育み、さらに森からの養分が川を通じて海を豊かにする。
この循環が、食物連鎖の頂点に立つ海洋性哺乳類の集積や、世界的に希少な渡り鳥の生息地・休息地としての環境を支えています。
これらの豊かさは人間生活も営みやすいものだったようです。
古くは1万年以上も前の縄文時代の遺跡が見つかっており、古代からどれほど豊かな土地であったか、うかがい知ることができますね。
知床を味わい尽くす2泊3日のドライブ旅モデルプラン
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【1日目】概要理解の1日
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13:00 女満別空港に到着!
知床の空の玄関口・女満別空港。北海道東部のオホーツクエリアに位置し、羽田空港、関西国際空港、新千歳空港、丘珠空港(札幌)の便が就航しています。
北海道旅行には、レンタカーは必須。 事前にレンタカーは予約しておきましょう。
14:00 どこまでも続く、天に続く道でオホーツクらしい景色を楽しむ
女満別空港から知床方面に移動し、斜里町ウトロ温泉街方面に行く途中の道から折れ、「天に続く道」に向かいます。この道の由来は、全長約18kmの直線道路が、まるで天に繋がっているように見えることからそう名付けられました。
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この地域の特色である広大な畑、右手にはオホーツク海、後ろには知床連山の一部と、オホーツクエリアの特徴を一度に見ることができます。
さらに、私の個人的なおすすめは、天に続く道からウトロ方面に少々進んだところにある「cafeこひきや」。器を自身の窯で作っているカフェです。食事を待っている時間に、器のショップの見学もできますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
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14:50 涼感満点!オシンコシンの滝
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天に続く道から、ウトロ温泉街方面に進むこと40分ほど。落差最大30mから流れる美しいオシンコシンの滝は、「日本の滝100選」に選ばれており、知床最大の滝としても知られています。
断崖からの水しぶきが感じられるほど近くで見ることができ、涼しさ満点の立ち寄りスポットです。
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15:30 まずはここで情報収集。知床世界遺産センター
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ウトロ温泉街に入るとすぐに目に入る大きな施設が、道の駅ウトロ・シリエトク。道の駅自体もレストランや売店などがあるのですが、立ち寄って頂きたいのは、その隣の施設の知床世界遺産センター。
知床のジオラマをはじめ、世界遺産になった経緯や自然環境を説明する展示がなされています。知床の自然のすばらしさと同時に、利用にあたって守るべきルールやマナーを知ることができます。
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熊の出没情報や、観光船の運行状況などがリアルタイムで掲示されるホワイトボードもあり、知床を楽しみ尽くすためにはチェックは必須。ぜひ訪問してみましょう。
18:30 プユニ岬展望台から見る、オホーツク海に沈む夕日
ホテルにチェックインした後は、温泉・・・とその前に、おすすめしたいのは、温泉街から知床峠に向かう途中にある「プユニ岬」。展望台からはオホーツク海やウトロの温泉街を一望することができます。
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一番訪問におすすめしたいのは、夕日の時間帯。オホーツク海をオレンジ色に染めながら沈んでいく夕日の様子は、沈み切るまで眺めていたくなるほどの美しさがあります。
【2日目】陸の知床を楽しむ1日
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10:00 ホテル出発
さて、この日は陸の知床を楽しむ日です。体調は万全でしょうか。
持ち物を確認して、出発しましょう!
10:30 知床五湖フィールドハウスでレクチャーを受け、知床五湖 大ループ ウォーキングツアーに参加
原生林に、5つの神秘の湖、美しい知床連山・・・。知床五湖は、知床の象徴が詰まった場所です。この場所を楽しむには、ガイドツアーに参加するのが一番。事前に予約をしてツアーに参加してみましょう。
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入口前のレクチャー室で、「ヒグマ」に関する10分のレクチャー動画を見ることで、散策路での注意事項や万が一の際の対応方法について学ぶことができます。注意事項を守り、楽しんでください!
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12:00 ウォーキングツアー終了!知床パークサービスセンターで昼食
知床五湖を歩き終えたら、知床パークサービスセンターで軽食を取るのがおすすめ。鹿肉バーガーやフライドポテトなどがあり、いずれの食事も地元素材を使っています。
鹿肉バーガーは臭みが全くなく、やわらかいので、ぜひとも試していただきたい一品です。
13:10 期間限定の神秘の滝・カムイワッカ湯の滝
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まるでサファリパークのような林道を車で移動すること40分ほど。5月~10月のみの限られた期間にしか楽しめない、カムイワッカ湯の滝に到着。
「カムイワッカ」は、アイヌ語で「神の水」。硫黄が含まれる温泉の川が流れる岩盤の上を滝を乗り越えながら、上を目指して歩くアクティビティが有名です。ぜひ、硫黄泉の川登りを体験してみてください。
19:00 アウトドアガイドが経営するカフェレストラン・ピリカデリックでディナー
ホテルに戻って、一休みした後は、知床最後の夜のディナー。地元のカフェレストラン ピリカデリックで、地元の食材を使った料理で乾杯!
シェフは、昼はネイチャーガイドをしているピエさん。「いつ休んでいるんだろう?」と、地元の人も疑問に思うほどタフな彼とお話しながら、夜を楽しみましょう。
【3日目】海の知床を楽しむ1日
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7:30 ホテル出発!
最終日は海の知床を楽しみます。ちょっと寒いかもしれないので、防水機能が付いた上着を忘れずに!
8:30 シャチやイルカ、クジラを近くで見られるクルーズに乗船
シャチやイルカ、クジラが観察できるのは羅臼側の知床。港から船でたった30分程の場所で、これらを見ることができちゃいます!
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遊ぶのが好きなシャチやイルカが、船に興味を持って近づいてきたり、時にはクジラが尾を上げて豪快に海に沈んでいく様子が見られます。
ちなみに、船のキャビンの中でも、数社のクルーズの船長たちが無線で通信をしながら、イルカやクジラを探す様子が見られるので、それだけでも非常に貴重な体験です。
ぜひ、事前に予約をして、観光船に乗ってみましょう!
11:45 かわいいお守りをGET!羅臼神社
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クルーズが終わった後は、羅臼の街中を歩き、羅臼神社に立ち寄ってみましょう。ここには、かわいいシャチが描かれた「幸守り(シャチ守)」が販売されています。
シャチの力強さや賢さにあやかれるかも?
12:00 羅臼にきたら、濱田商店の昼食は外せない!
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地元の水産会社が経営する飲食店で、新鮮な海鮮丼ランチ!時期によっては、ウニ割り体験とウニ入りの海鮮丼もおすすめです。
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14:00 お別れの時間
知床にお別れの時間です。降り立った女満別空港までは車で2時間30分。または、車で1時間ほどには中標津空港がありますので、ご都合の良い空港を利用ください!
まとめ
陸も海も両方楽しめてしまう知床。
野生生物観察やカヤック、登山などなど、このほかにもたくさんのアクティビティがありますので、一度来たらその魅力に取りつかれてしまう方も多いはず。
ぜひ、世界遺産・知床に遊びに来てください!
※野生生物への餌やりは規制されておりますので、ご遠慮ください。
※夏季でも夜の気温は10℃台になります。また、クルーズ中は水しぶき、強風により冷え込みますので、防水機能が備わった上着をご持参ください。