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私の研究への思い

私の研究の一つのキーワードは「アイデンティティ」である。

私がこのテーマを選んだのは日本で修士課程に進学した時だったので、「アイデンティティ」のことを考え続けて、10年は超えてしまった。

なぜ私がアイデンティティに注目したのか?というと、正直私が10代の頃に自分のアイデンティティに悩んだからだと思う。

10代という時代は、たぶん多くの人が「自分とは何者なのか?」という問いに、一度は向き合う時代であると思うが、私はその課題がとても大きかったように思う。

今振り返れば、当時の私はアイデンティティクライシスという状況だったのかもしれないけれども、それより何よりも、私にとって10代は色々なことが起こったにも関わらず、私には経験や比較するものがなかったから、その状況をなんとかせねばいけん!と思って、必死に生き抜いたという感覚に近い。

その後、私は修士課程に進学し、修士論文のテーマを考えている時、なぜか「アイデンティティ」にすごく惹かれて、その研究に取り組んだわけなのだ。

私にとって、この時の研究は、自分の過去と向き合う非常に有意義なものとなった。

インタビュー調査を通して、研究対象者の方々の語りに耳を傾けながら、遠くに見える過去の自分の姿との重なりを感じていた。

そして今も、私はアイデンティティについて考え続けている。

おそらく、人によってはイギリスでアイデンティティの研究をしているというと、「え?」という反応をするかもしれない。

でも、アイデンティティという概念は、学びを深めれば、深めるほど、複層的でとても難しいことがわかる。さらに、今もその概念は進化し続けているものなのだ。

そして何より、アイデンティティとは人間に共通するとても重要なもので、きっと生きている限り、誰もが多かれ少なかれ一度はアイデンティティに悩む日があると思う。

だからこそ、アイデンティティ研究はとても大事な研究であり、私は人を救う研究だと、心から信じている。


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