初めての1ペソ。〜ストリートチルドレンとの出会い〜
もうすぐ11歳を迎えようとしていた幼い頃の私は、左ハンドルのNissanカローラの後部座席に乗っていた。
狭い車内で、見慣れない外の風景を眺めていた。
道端には椰子の木が立ち並び、バナナが生い茂っていた。外の空気はカラッと晴れていて、ジリジリと太陽が照りつけていた。それは、日本とは異なった、熱帯地域の雰囲気だった。
私を乗せた車は、赤信号で止まるや否や、小さな子供たちにわんさか囲まれた。その子供たちは、先頭の車から一台、一台、ガッチリと貼られた黒い車の窓のフィルムに、顔