韓国ドラマ『マイ・ディアミスター』IUの魅力
IUという韓国の女性シンガーソングライターをご存知だろうか?
「国民の妹」と称されるほどの絶大な人気を誇る韓国の歌姫だ。
1993年5月16日生まれ30歳の彼女は、確かに歌が上手くて声もきれい。
愛くるしい顔立ちをしている。
彼女は一般人のファンだけでなく、
俳優やK-POPアイドルからの人気もかなり高い。
彼女の大ファンとして知られるBTSのジョングクは2日連続で彼女のコンサートに参戦し、アリーナ席でペンライトを振っていたそうだ。
また最近では、俳優イ・ジョンソクが自身の授賞式でのスピーチで、
公開告白した相手がIUだとわかり、
2人の交際が発覚した。
確かに歌が上手くて可愛い。
でもなぜそこまで彼女に絶対的な人気が集まるのか、
正直よくわからなかった。
韓国には他にも歌が上手くてもっと可愛いアイドルや歌手が大勢いるからだ。
そんなIUが女優として出演しているNetflixドラマ『マイ・ディアミスター 私のおじさん』全16話。
見終わった今は、彼女の人気の理由がなんとなく理解できた気がする。
『マイ・ディアミスター 私のおじさん』は
秩序正しく人生を生きてきたおじさんパク・ドンフン(イ・ソンギュン)と
厳しい現実に耐える冷めたタフな女イ・ジアン(IU)の交流を描くヒューマンドラマだ。
悲惨な生い立ちのせいで、常に理不尽な扱いを受け続けてきたイ・ジアン。
上司となったパク・ドンフンは
そんな彼女を厳しく諭しながら、
世の中の道理や人の情けを少しずつ教えていく。
初めは反抗的だった彼女だが、
自分のことを生まれて初めて正当に扱い評価してくれるアジョシ(おじさん)に、次第に心を許し慕うようになる。
このドラマの撮影序盤、
IUは自分の境遇とあまりに重なるイ・ジアン役に心を痛め病んでしまう。
そして監督に降板を申し出た。
彼女から事情を聞いた監督は、
自分の配慮が足りなかったことを涙を流して詫びたそうだ。
お互いを理解し合った2人は話し合いを重ね、
監督はIUを気遣い、IUはそんな監督の期待に応えようと自分なりに努力して撮影を続けた。
物語の中だけでなく、
現場の雰囲気も優しさに包まれていたのだろう。
画面からは優しい空気感が溢れ出ている。
子供の頃、貧しく恵まれなかったIUが歌という自己表現力を身につけて、
世の中に自分の思いや夢や愛を発信し続けた。
その姿に韓国の人々は共感し、
「国民の妹」として応援し続けたのだろう。
ドラマの中の彼女は、
初めはやさぐれた狡い女、それでもどこか危なげで儚い少女を巧みに演じていた。
そして終盤にかけ、
情けを知る人間らしい大人の女性へ変貌していく姿を見事に演じ切っていた。
女優としても素晴らしい俳優さんであることに感心してしまった。
2022年には是枝監督の『ベイビー・ブローカー』にも出演していて、
ぜひ見てみたい。
今後も注目の女優さんだ。