留学帯同妻のひとりごとーアメリカからワーママ・専業主婦論争について考えるー
あけましておめでとうございます。
2回目のアメリカの年越しは31日はピザを食べ、1日はお餅と餃子を食べました。我が家はおせちが不人気なので毎年それほど食べていなかったのですがSNSにアップされるおせちを見て日本のお正月が恋しくなりました。
さて2025年1回目は何を書こうかなと思っていたのですが、最近また某SNSでこちらについて議論がされていたので考えてみようと思います。ダラダラと自分のキャリアを振り返っているだけですのであしからず。
私は日本ではフルタイムワーママでした。その後時短勤務になり、アメリカに来て専業主婦を経て、今はパートタイムで働いています。
まず大前提として言いたいのは、何が一番良いかはその時の状況(子育て、経済、体力)とサポート体制によるので一概には言えないということです。こんなこというと元も子もないのは十分承知なのですが、人それぞれ状況が違いすぎるのでこの論争自体もただ互いに傷つけあうだけで何か生まれるのだろうか・・・と疑問に思っています。とは言え、妻として母として家をマネジメントする役割は両者とも変わりはなく、むしろその共通点があるからこそこのネタは永遠の議題なのでしょう。ここからは、それぞれのメリットデメリットを私の経験(家族4人暮らし、両親のサポートはあまりなし)から考察してみようと思います。
◆看護師フルタイム時代
1人目(娘)を産んだ後、時短制度がよくわからず、夜勤を免除してくれるというのでフルタイム復帰。のちに、時短制度を利用できることを知るが同期の中で一番早く出産したために自分だけがキャリアから取り残されているように感じてしまいフルタイム継続。
<メリット>
なんといってもキャリアをしっかり積めること。私は看護師業界では周りと比べて早く結婚出産したので、急性期病棟で1人前になる前に母になった感が否めなかった(私の主観です。)が復帰後フルタイム復帰したおかげでリーダーやプリセプター、病棟責任者を任せてもらえるようになった。ここで踏ん張った経験が、臨床看護師としての能力を上げてくれたと思うのでそこについては後悔していない。
<デメリット>
フルタイム勤務、ワンオペ家事育児の相性が悪すぎて常にヘトヘト。体力を奪われすぎてガリガリに痩せてしまい、風邪をひきやすくなった。痩せ過ぎはよくない。子供が小さいため熱を出しても出勤できるように病児保育も利用していた。今思うと1歳そこそこの子供が熱をだしたときくらいそばにいてあげたらよかった・・・とも思うけど当時は有給が後何日残っているか数えてヒリヒリしていたので使わざるを得なかった。(今娘は10歳になりそんなことは全く覚えてない様子。)何度かどうしても迎えに行けず実母にお迎えをお願いしたけれど、実母も働いていてお迎えまで1時間半かかる距離に住んでいたので申し訳ない気持ちでいっぱいだった。ベビーフードやレトルト率も高かった。
当たり前だけど頑張って働けばもちろんキャリアは積める。しかし、家事育児はおろそかになりがち。ワンオペでフルタイムは本当に体力がないときつい。正直この時期は日々を生きるのが大変すぎて記憶もあまりない。娘の可愛い赤ちゃん時代をゆったり過ごせなかったというのは後悔もあるけれど、とても小さかったゆえに今娘がその時のことをほとんど覚えていないのは幸い。(覚えてないからなんの影響もないとは言えないけど、ひとまず今はママのこと大好きといってくれている。)
◆看護師時短勤務時代
二人目出産後は同じ病棟に時短勤務で復帰。先述のボロボロフルタイム時代にキャリアを継続できたことと、やはり二人育児しながらは大変だろうと時短を希望。同じ病棟に配属されたので、仕事内容も大きくは変わらず、スタッフも気心が知れているメンバーが複数いたので精神的にはとても安心できた。
<メリット>
やはり早く帰れることは大きなメリット。迎えに行ってからの第2ラウンド(ご飯、お風呂、寝かしつけ)に使える時間が全然違う。時間のゆとりは心のゆとりで子供達にも優しくできる。周囲のスタッフも、時短勤務だからとフォローしてくれる。病棟の責任者によっては、午後の入院は振らないでくれたり、患者のアサイメントの重症度を軽く調整してくれる人もいた。
<デメリット>
働く時間が短いので必然的に給料は減る。帰る時間が早いので勤務中は常にチキンレース状態。焦りながら仕事をしていて、患者さんの話をゆっくり聞いたり、記録しながら他のスタッフと話す機会がなかなか作れない。教育担当になった日は、担当の子のフォローをギリギリまでやって残りは他の人に託すことになり両者に申し訳ない気持ちになる。
私が働いていた病院では時短を先に取る(出勤時間を遅くする)か、後に取る(退勤時間を早くする)のか選ぶことができたので私は後に取るようにしていた。時短勤務は月毎の申請だったが、後に時短を取る場合は時短で帰れた日を記載するようになっていて気がついたら時短で帰った日は3日くらい・・・という月も。(その場合は時短なしのフルタイムとして給料が計算される。)時短勤務のメリット・デメリットを記載してみたものの、実際に毎日時短だったとは言えない。ただ周囲のサポートもあって、1人目の時のフルタイム勤務よりは確実に早く帰ることができていたので時短勤務の人であるという肩書きはとても大事だと思う。
◆専業主婦時代
アメリカに行くことが決まってからの準備期間と渡米後数ヶ月は専業主婦として過ごした。渡米前後は準備や生活の立ち上げでバタバタしていたが、子供達の学校が始まってからは日中は自分の時間になる。
<メリット>
日中時間があるので心と体のゆとりが一番ある。家も比較的綺麗に保てるし、毎日自炊も余裕。アメリカは日本と異なり食費が高くて気軽に外食したり惣菜を買ったりできないので、食事を作る時間がしっかり確保できるのはとてもよかった。(とはいえ、毎日作るのは面倒で簡単なものにするときも多々あり。)
子供のサポートをしっかりしてあげられる。日中に家事を済ましておけるので、勉強をみたり、学校の話をゆっくり聞いたり、一緒にカードゲームをする時間ができた。渡米後新しい環境になったので子供達との時間を確保できたのは本当に良かった。日本では勉強は学校に丸投げしていたが、こちらでは英語に加えて国語や算数を自宅で勉強していたためフォローが必要で日本のような働き方ではまず無理だったと思う。
<デメリット>
仕事をしていないため収入がなくなり経済的な不安がチラつく。キャリアの空白への不安もありどうしたら良いかわからずキャリア迷子になる。暇な時間が増えてゲームやドラマや漫画などで時間を溶かすことが増える。
◆アメリカ看護師パートタイム(現在)
アメリカで何度か転職し、現在はパートタイム(週2日)子供の送迎にも間に合う時間内で勤務している。子供との時間を維持しつつ、微力ながら経済的に家計をサポートできるようになった。正直裕福に暮らせるとは言い難いというか全然裕福には暮らせないのだけど、短い留学帯同生活で子育てと経済的なことのバランスをとるとここが落とし所という感じ。
<メリット>
フルタイムより給料は少ないものの、自分でお金を稼いでいると自己肯定感が上がる。多少は家計が潤うので楽しめることが増える。(毎月貯金を減らしていく生活は本当に心が荒みます・・・) 家のことや子供のことと仕事のバランスがとりやすい。体力的にもそこまで疲弊しない。仕事がない日は勉強や趣味に時間を使うことができる。
<デメリット>
フルタイムより給料が少ない。アメリカにいる間はひとまず赤字を埋めるために働いているけれど、これから日本に帰った後の教育費などもろもろを考えると悩ましい。後はフルタイムでないことが次の転職でどう影響するかが未知なのでそこも懸念点。あとは、気持ちの問題なんだけど疲れて家事が疎かになった時にフルタイムでもないのにできない・・・と謎に自分を追い込んでしまうことがある。
というわけで、私のキャリアの振り返り終わり。気がつけば色々な経験をしてきたなと書き上げてみて感じる。振り返ってみて改めて思うのは、やっぱりその時の状況で柔軟に生きていくしかないってこと。これから子供がもっと大きくなれば、子供に必要な時間は減っていくかもしれないし、自分自身が老いてまた選択を迫られるかもしれない。私はキャリアアップもそこそこ頑張るタイプではあるけれど、基本的に子供達はアメリカではママに仕事をしないでほしいと思っているみたいなので(実際に直接言われたりもする。)子供達と過ごせる今を大事にする時期なのかもしれない。
日本では周囲の人が気になって、ずっとがんばらなきゃいけないと思っていたしそんな自分が誇らしくもあった。(めちゃくちゃつかれていたけど。笑)多分日本にいたら、教育や家事は外注してずっと走り続けていたしそんな人生も嫌いじゃなかったと思う。でも、アメリカに来てみたらそれぞれのバックグラウンドが異なりすぎて周りの人と比べる気もしなくなった。そんなマインドチェンジができただけでも大金をはたいてアメリカにきた価値があるかも。
なんだかダラダラ書いてしまったけど、ワーママ専業主婦論争の渦中にいる人たちもきっと一生懸命自分はやるべきだと思うことをやっているはず。私は私のマインドを時々思い出すともしかしたらみんな平和にやっていけるのかもしれないね。
ではまた。