嫉妬という感情について|共演者2020

ご無沙汰しております!稽古場助手の谷川です。1週間ぶりのブログですね!更新サボっててごめんなさい…。

今回は、何のセリフを紹介するという訳ではないのですが、「嫉妬」という感情についてちょっと考えてみようと思います。『共演者』は女優が楽屋でバトルする話です。と聞くと、皆さんの頭の中にも「嫉妬」の二文字がパッと思い浮かぶのでは? 実際に、私は初演の戯曲と映像を見て、嫉妬の感情が作品全体を覆っているような感じがしました。

嫉妬という言葉には、自分が好きな人の気持ちが自分に向かずに他の誰かに向いているときに抱く気持ちと、他人が自分より能力や待遇が優れているときに抱く気持ちの2つの意味があります。が、どちらも、自分が持っていないものを他の誰かが持っているときに湧き上がってくる気持ちという点で共通しています。

谷川は、嫉妬の発生要件は
①自分と相手の努力の量を自分で判断していること
②自分と相手の評価を外部に委ねていること
③それらを比較していること
の3つだと思っています。

「私の方があの子より頑張っているのにあの子の方が評価が上だ。気に入らない。」となるわけです。①では判断の軸は自分なのに②では外部になるため、どう頑張っても①と②の矛盾というか不公平感は生まれ、そして嫉妬という感情が生まれるのです。

ここまで考えたときに、判断の軸をどっちかに揃えられれば嫉妬しないじゃん!と思ったのですが話はそう単純ではありません。

①の基準を外部にしようとしても「や〜〇〇さんだって頑張ってるんだよ〜」「そっかーなるほど!あの子も頑張ってるのか!」とはなりませんし、②の基準を自分にするということはそう簡単なことではありません。よく比較対象は過去の自分だけにするみたいな話聞きますが、そんなんできたら苦労しないよ!!!バーカバーカ!!!

また、①の基準を外部にするというのは根本的に無理です。努力の量なんて、その人が見てる部分だけでその人が判断するもので、客観的になんてなりようがないからです。

というわけで、谷川は嫉妬をしないというのは土台無理なことだと思っています。だって我々人間だもの。

なんとなく、自分の中に嫉妬はしちゃいけないみたいな思い込みがあるのですが、問題は、嫉妬してしまうこと自体ではなくて、嫉妬の感情から誰かを攻撃してしまうことです。だから、私たちが頑張るべきは嫉妬をしないことではなくて、嫉妬をしてしまってもいかに誰かを攻撃しないか、だと思います。

私は嫉妬はしちゃうもんだって受け入れられたら、他人を攻撃しない、は意外とスムーズにできるんじゃないかと思います。なぜかというと、人は誰かを攻撃するときは、その攻撃を正当化するための大義を生み出してから攻撃に入ることが多いからです。自分の攻撃相手がいかに邪悪または未熟であるか、いかにそれを正す必要があるかを考え、自分が正義である理由を作ってから攻撃衝動を満たすのです。

だいたい、難しい理屈の裏には「そいつが嫌い」というシンプルな感情がある気がします。自分の内側をちょっと観察して、「ああ、私はこの人に嫉妬してるんだな」って認められたら、その時点で自分は”正義”ではなくなって、相手を攻撃しなきゃいけない気持ちがすんっと落ち着くと思うんです。嫉妬やなんやの汚い気持ちはあるし、いつだって正義である必要はないですよね。だって我々人間だもの。

でも!「そんなこと言われたってイライラするんだよ!このモヤモヤどうしたらいいんだよ!」っていう人がほとんどだと思います。私も、「ああ、私はこの人に嫉妬してるんだな」って思えても、その上でなお胸がムカムカするようなことばっかりです。そんな皆さんは、

「共演者」を観に来たらいいと思います!!!

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めーっちゃお芝居のうまい女優さんたちがバッチバチにバトルする話。作・演出の大石さんが「茶を濁した芝居は作らねえ」と意気込んでいたので、新年から胸がスカーっとする作品になること間違いなしです。ぜひ!

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