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COLD BREW

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都会の一角にある純喫茶。先代からの珈琲の味と香りを頑なに守り続ける男。彼の周りを織りなす女性たちの物語。
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#バイク小説

COLD BREW そろそろ開店か⁉️

 さて送付した履歴書の結果がそろそろ出ます。  一次選考結果が今週からぽつぽつ郵送される…

百舌
3か月前
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COLD BREW 29

 祐華は自身で立てなくなった。  盛夏の時期で、世間はお盆期間中だった。  その朝、彼女の…

百舌
1年前
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COLD BREW 24

 この傷を埋めるのに、僕では不足か。  口から零れ落ちた。その瞬間に顔が強張った。ただし…

百舌
1年前
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COLD BREW 23

 路面に陽炎が湧きたつ陽気だった。  7月に入っても鈍色の梅雨空で陰鬱な気分であったが、そ…

百舌
1年前
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COLD BREW 18

 桜が風に煽られている。  枝にしがみついている。  離れたくない。  ここに居たい。  可…

百舌
1年前
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COLD BREW 15

 峠には寒風が吹いていた。  そこまで辿り着くにも、先輩の四輪を出してもらうあり様だった…

百舌
2年前
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COLD BREW 14

 蛍の光が聞こえてくる。  談話室のテレビからだろう。誰もが注視していない画面に、無音の空疎さを避けるためだけの番組が垂れ流しになっている。  季節柄だろうか、卒業とか、旅立ちとか、午前中の番組から別離の唄がよく漏れてくる。漫然とそれを耳にしながら、ああ卒業式には間に合わないだろうなと考えていた。退院時期がその日を跨いで横たわっていたからだ。  病室の枕元に甘い芳香が満ちていた。  看護師がカーテンを引いてくれたので、さらに濃密に彼女の匂いがする。 「ねえ、起きているの?」

COLD BREW 13

 水滴が落ちるのをじっと見ている。  漆黒の芳醇な香りの源を見ている。  雨の火曜日の午後…

百舌
2年前
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COLD BREW 12

 梅の花が綻び始めた。  畳まれた白い花弁が、その秘密を明かすように緩くなりつつある。  …

百舌
2年前
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COLD BREW 11

 狼を名乗るバイクがあった。  その希少なモデルが入荷したらしい。  排気量は200ccという…

百舌
2年前
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COLD BREW 10

 季節外れの暖かい陽光が窓に映えた。  ランチタイムの鉄火場を終えて、一息つける時間帯に…

百舌
2年前
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COLD BREW 9

 冬になり風は冷たくなった。  僕の家から高校までは自転車で通っていた。バイト先のGSを横…

百舌
2年前
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COLD BREW 8

 冬枯れの季節になった。  僕の住まいから店までは峠を越える必要がある。  小排気量ながら…

百舌
2年前
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