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小沢健二 LIFE再現ライブ @日本武道館

2024年8月31日。日本武道館、小沢健二LIFE再現ライブ。

冒頭から涙が出た。
懐かしい「流れ星ビバップ」のオルガン。客席一面のスマホライトのなんともいえない美しさ。自転車に乗って登場するメンバー。
その瞬間の美しさとか儚さとか、キラッキラしたものを鮮度そのままにパックしたような音源を作り出すというイメージをかねがね小沢くんに持っていた。この日もまさに30年前にパッキングしたLIFEの袋を開けたかのような、キラキラ感いっぱいの開幕。おかえりLIFE。おかえり30年前のワタシ。

「天使たちのシーン」
途中でメンバー紹介が入り「ドラムス、青木達之」と小沢くん。
そのあとの沖さんのソロも相まって、2階席で周りが暗いのをいいことに泣いた。
ライブの折に触れて青木さんのことを話しているというのは、なんとなく知っていた。この日も何かしら、青木達之の名前は聞くんだろうなと思っていたけど、やっぱり実際に見聞きするとじーんとした。
人は存在を忘れられた時が死んだ時。
この場に青木さんがいない(見えない)ことになんともいえない寂しさも覚えるけど、ステージに居るよね。今日はいると思っていいだろう。13分を超える長い曲があっという間に感じた。
あらためて、小沢くん、青木達之を紹介してくれてありがとう。

「旅人たち」。渋谷毅さんのピアノを初めて生で聴く。これは嬉しい。渋谷さんのエッセンシャルデュークエリントン、大好きだった。生で聴いたピアノ、なんて温かい音を出す人なんだ。羽毛布団のような心地よさにまたまた涙。

前半だけでもう体力気力がもつのかしら自分と思っていたが、小沢くんの「総立ちとかダサい、座って」というMCもあり、ちょこちょこ座りながら聴くシーンも。おかげさまで気力体力もちました。

後半はいよいよLIFE再現ライブ。アルバムと逆の順でいちょう並木repriseから始まって愛し愛されて生きるのさで終わり。
しみじみ良かったです。いろいろ書いても伝えきれないからもう書かなくてもいいやと思うくらい楽しかった。30年前の曲って、ずっとライブを続けてる人でもなかなか聴けない、たまにサプライズのように1曲やったりとかですよね。それをアルバムまるっと聴ける、なんて贅沢。ありがたや。
「生活の場に戻ろう」で暗転するのもよかった。演奏者もみんな並んでカーテンコールするでもなく、それぞれ手を振って日常に戻る。
夢見て目が覚めるような感覚で帰宅。
ただいま、2024年のワタシ。

観ることができてよかったです。ライブ自体もとても楽しかったが、青木さんを久しぶりに感じられたというのは何物にも変え難い体験だった。スカパラのライブでも正直なかなかないことなので。自分も青木さんを忘れていなかったことを再認識できてよかった。
次の30年後は私、80超えてこの世にいるかも微妙ですが、ばーさんになっても、好きなものに対するパッションやバイタリティを少しでも持ち続けられていたらいいなと思う。

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