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コクガン足環物語① ~レナデルタのコクガンの行方~

ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ~ では、2016年6月下旬から7月上旬にかけて、日本に来るコクガンの故郷かもしれないレナ川河口部「レナデルタ」の繁殖地に調査に行き、コクガン21羽に標識を行いました。

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果たして、この21羽はレナデルタで繁殖した後、どこへ旅立っていったのか、そして、日本に来るのであろうか。

そんな淡い期待を込めて、ソワソワしながら、夏が過ぎていきました。

■ 野付湾での標識コクガン探し

そして、コクガンが日本に渡ってきた11月、一大中継地である野付湾に早速、標識コクガンがいないか、探しにいきました。
野付湾は、北海道東部の知床半島と根室半島のちょうど中間地点くらいに位置する、ところ。東アジア最大のコクガン中継地になっているところで、最大8,000羽以上のコクガンが秋の渡り時に飛来します
野付湾↓

ここのコクガンを見ないと、日本のコクガンは語れない。そんな場所です。まずは、行って、コクガンを見てみないと始まりません。
現地でコクガンを調査している、道東コクガンネットワークの方々にご案内いただき、コクガンを観察します。

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野付湾の案内看板

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早速案内していただきます。確かにおるわ、豆粒みたいなコクガンが。

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足環なんてどうやって見んねん。という感じの個体ばかり。
しかし、そんな中でも、砂州に上陸するポイントがあるとのこと。

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なるほど、これならば探せる!
一日案内していただき、こういったポイントで足環付き個体を探すも、まぁそんな簡単には見つからず。
ユキホオジロなどをみて楽しんでいました。

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夕方には、レナデルタのコクガン調査の報告会を企画していただき、コクガンの故郷がどんなところだったのかを中心に話をさせていただきました。

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野付湾もどことなく、レナデルタに似た風景です。やはり、同じような環境のところにやってくるのだと思います。今後の協力もおねがいさせていただきました。

翌日は、道東コクガンネットワークが音頭を取ってやっている、コクガン一斉調査に参加しました。
この調査は、全国で一斉にコクガンを調査して、日本に何羽のコクガンが来ているのか?を秋、冬、春の3シーズン、全国50カ所くらいで、2014/15シーズンから、2016/17シーズンまでの3年間にわたり、調査をしたものです。

この調査から、秋には野付湾を中心に8,600羽、冬は東北・北海道に2,500羽、春季は3,100羽のコクガンが飛来していることが明らかになりました。

この調査で見たコクガンも、やはり遠く離れた海上にぷかぷか浮かぶコクガンばかり。ここでの足環発見はかなり難しいだろうということで、越冬期の調査に期待することとなりました。

つづく

渡り鳥の研究には、旅費や発信器購入、罠の作成など、そこそこのお金がかかります。もちろん科研費や助成金などを最大限獲得していますが、それだけでは大変厳しく、手弁当も多いです。渡り鳥についてもっと知ってみたいという方々のご支援よろしくお願いします。