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特に理由はないけど一人でスリランカに行ってみた話 【第1回】

みなさんはスリランカと聞いて何を思い浮かべるだろうか。
まずは頭の中にある「スリランカ」という言葉を見聞きした時の記憶の引き出しを開けて思い出してみてほしい・・・


「そんな引き出しねーよ」


という人がほとんどだろう。
かろうじて「紅茶とカレーが有名」ぐらいの知識がある人はいるかもしれないが、それ以上のことを知っている人はみなさんの周りにもあまりいないのではないだろうか。

かくいう僕もそのひとりである。
今回はその「何があるかよくわからない国」、スリランカになんとなく一人で行ってみた話をしたい。

スリランカとは

まず、スリランカとはどんな国なのか簡単に説明しておきたい。

スリランカ民主社会主義共和国
首都:スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ
人口:約2,204万人
公用語:シンハラ語・タミル語・英語
最大都市:コロンボ

外務省

なんだか聞いたこともないカタカナばかりである。
興味深いのが、小さな一つの島なのにシンハラ語・タミル語という二つの公用語があり、シンハラ語話者はタミル語を、タミル語話者はシンハラ語をほぼ理解できないそうだ(過去の民族対立などが起因しているよう)。そのため、お互いの共通言語として英語も話されているとのこと。

よく東南アジアの国と間違われるが、地図を見て分かる通り、インドの下にある小さな島国で、正しくは「南アジア」に属する国である。そのため、見た目や食文化など、かなりインドとの共通項は多い。

とまあこの程度のことを調べ、あとは緑がいっぱいあって海きれい、ぐらいの浅すぎる情報を入れつつ、9月12日、成田から直行便に乗った。


出発

成田からスリランカへは、まさにスリランカ航空で直行便が出ている。搭乗ゲートは意外とスリランカ人でいっぱいで、機内はほぼ満席だった。

昨年インドに行った時は、飛行機搭乗直後から自分の席のモニターが一切つかなかったり、空いていた二席を使って寝っ転がり、擬似ファーストクラスを生成している人がいたりと、行く前からカオスが垣間見えたのだが、それとは打って変わって機内は清潔で、民度も高かった。

そんな快適な環境でフライト時間を過ごしながら、機内食は多分カレーが出るし楽しみだな、なんてことを考えていると早速ワゴンで食事が運ばれてきた。「Fish or Vegetable?」と聞かれたので少し迷ってフィッシュを注文。意気揚々と蓋を開けた。

ゴリゴリに日本食だった。

病院か?


完全に面食らったが、文句は言えないのでしっかりいただいた。完全にカレー受け入れ態勢だった僕の胃袋は満足するはずもなく、現地に着いたら爆食いしてやろうと心に決めた。(ちなみに二回目の機内食も米と唐揚げだった。)

最大都市コロンボに到着〜中心街へ

約9時間のフライトを終え、最大都市コロンボにある「バンダラナイケ国際空港」に到着した。観光用のビザは空港内で取れると聞いていたので窓口に行くと、職員のおばさんに「ビザとかいらないから早く入国の手続きしろ」とキレられた。

日本を含むいくつかの国は、スリランカ観光ビザ取得の手数料がしばらくの間無料、とは聞いていたが、まさかのビザなしで入国できてしまった。

スリランカ人のテキトーさに先が思いやられつつ、ゲートを抜けると、そこにいた職員も爆睡していた。さらに不安になった。

寝てる


空港からコロンボの中心地まではバスで40分ほど。外に出たらインドみたいにタクシーの客引きがうじゃうじゃ追いかけてくるのかと思ったが、それほどでもなかった。

大通りを15分ほど歩いてバスターミナルに到着した僕は、記念すべき初スリランカフードを近くの露店で買ってみた。たぶん「サモサ」という揚げ物な気がするが、なかなか美味しかった。激辛のじゃがいもが中に入っていた。1個50円。

包み紙には、どこかの学校の誰かが解いた問題プリントが再利用されている。
独特だがインドとかスリランカではよくあるようだ。


コロンボの中心街行きのバスに乗り込むと、利用客は現地の人でいっぱいで観光客などいなかったが、特にぼったくられることもなく、無事時間通りに到着した。

前回のインド一人旅では到着日の深夜に、予約していた宿にチェックインしようとしたら門前払いを喰らい、駅のベンチで一夜を明かすことになった苦い思い出がある。その反省を活かし、今回はまずホテルに直行し、チェックインを済ませた。

ホテルに荷物を置き、早速夜のコロンボに繰り出した僕は、まず夜ご飯のお店を探すことにした。

とその前に、今回の旅で自分の中でひとつだけ決めていたルールがある。それは、「絶対に小綺麗な店でご飯を食べない」ということだ。
変な体験をしてみたいが故にわざわざ日本とかけ離れた国をチョイスして訪れているのに、きれいなレストランに入ってしまってはその信条に反してしまう。
この面倒くさいプライドは時にくびきとなって、激マズ飯や阿漕な店主に当たってしまうこともあるが、それもまた醍醐味ということにしておきたい。

そんな話はいいとして、たくさんの露店が並ぶコロンボのメインストリートはとにかく賑やかだった。しかしながら、島国ということもあってかどこか穏やかな雰囲気も混在する、不思議な心地よさもこの街にはあった。

そんな街の空気を切りながら歩いていると、大通りに面した小さな食堂を見つけた。店内はスリランカ人の客と、険しい顔をした店主がいるのみで、テーブルも数卓しかない。

飛行機でカレーが出てこなかったせいで、あれだけカレーを死ぬほど食ってやろうと決めていた僕だったが、店頭でビリヤニを調理していたのを見たら、急にビリヤニが食べたくなってしまった。

夜はここで食べることに決め、いとも簡単に心変わりした僕は席につき、険しい顔の店主にビリヤニを注文した。

なんか違うのが出てきた。

なにこれ


一見米っぽいが米ではなく、焼きそばの麺みたいなものが細かく刻まれて盛り付けられている。調べてみるとどうやら「フライドヌードルス」という料理らしい。

僕の注文の仕方が悪かったのか、店主の勘違いなのかよくわからないが、カレーもビリヤニも食べられず、よくわからない麺が出てきたのは当然不本意だった。しかしこれもいい機会だと思い口にしてみた。

めっちゃ美味かった。

なんかよくわからないスパイス的な味付けに、付け合わせのこれまたよくわからない揚げ物?と謎のソースが加わって、複雑な味だった。

夜のコロンボを散策

量もかなり多く、満腹になった僕はお金を払い(120円!)、腹ごなしに道端にたくさん並ぶ露店や商店を見て回ることにした。

食べ物や服を売っているお店は所狭しと並んでいたのだが、その次に多かったのがスマホの修理屋やスマホアクセサリーのお店。なぜこんなに多いのか謎だった。スリランカのスマホはすぐ壊れるのだろうか。

あとは、本当にどこに需要があるのかわからないお店もちらほら。もう夜10時ぐらいだというのに子ども用の問題集を売る店、排気ガスがひどいであろう路肩で、全然かわいくない、埃まみれのもこもこ犬人形を売る店などを見かけ、頭がバグりそうだった。

絶妙にかわいくない
夜遅くまで開いていたおもちゃ屋さん
オカメインコを見せてくれた


2時間ほどメインストリートを散策したのち、夜も更けてきたのでこの日は宿に戻った。

つつがなく終わった初日だったが、やはり日本とは全く違う光景が広がっていて、これから4日間の間に出会う人や景色に対する不安と期待を抱きながら眠りについた。


第2回へ続く

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