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あめんぼ或いはあいうえおの日

前もこんな話をした気がするが、小さい頃から水生生物を採ったり釣りをしたりするのが好きだった。


「マルフクの看板」はご存知だろうか??
ぼろぼろの小さな掘建て小屋みたいなところに十中八九貼られている看板。その看板のある小屋の中あるいは周辺にはかなりの確率で小さな池というか田んぼの水が流れ込んでできたような水溜りがある(今思うとめちゃくちゃ薄暗いしそれなりに水のところまで深さあるしかなり怖かったような)。
地元の福岡ではあまり見かけなかった気がするが、埼玉にある祖母の家の付近には至る所にマルフク小屋があり、よく兄と探検に行った。
その中の一つがかなりの穴場で、他の川や田んぼでは見たことなかったウチダザリガニやらなんやらレアな生物が、1m四方くらいの狭い空間に沢山いた記憶がある。なんとなく、見てはいけないものを見たような気がした。異様な空間だった。


小学3年生くらいの時に、遠足で曲渕ダム(覚えてるということは多分ここ)というダムに行った(シブい)。
けっこうな急流の中で流されて遊んだり(今の時代だとやらなさそう)、水中に見える魚を指差してあれはオイカワだ!などと友達に知識をひけらかしたりしていた。
急流に疲れてダムのへりの方に移動して体力の回復を待っていると、ダムの壁一面(というと言い過ぎだけどかなりの数)に2cm程度の小さなアマガエルの子どもがびっしりいた。
自分が緑色であることも知らないような淡い緑で、とても可愛かった。


小学5年生くらいの頃、小学校の中庭にある大きな水槽で、先生たちのいない休日によく釣りをしに行っていた。
竿は切れにくい丈夫な草で、針も糸もなく鉢植えをめくると出てくる巨大なミミズを草の先で結んでそのまま竿を直に水槽の中に垂らすスタイル。

もちろんエサをただただ持っていかれるばかりだったが、一度だけ魚が食いついた瞬間に竿を思い切り振り上げ見事にフナを釣り上げた記憶がある。が、あまりに釣れなかったから釣れた記憶を勝手に作り上げた可能性も大いにある。



正直、僕の過去は改ざんまみれで何が真実だったかもはやわからない、という可能性が大いに大いにある。


ただ、4歳くらいの時に近所のバザーかなんかでカクレンジャーのピンクの人のお面を買ってもらって、被って一人でうろうろしてたら同じくらいの年頃の男の子が確かブラックのお面を被って向かいからやって来て、自然と二人ともしゃがみ込みお面をつけたまま何も言葉を交わさずに、しかし友好の意思疎通を図っていた、という記憶がある。これは確かな記憶。というか覚えている限りの最古の対人の記憶かもしれない。




と思って今カクレンジャーのピンクをしらべてみたら、カクレンジャーにピンクはいなかった。

でも確かに僕はピンクのお面を被ったんだ。

その時は言語化できなかったけど、男だけど僕はピンクを被るんだなーというちょっとした違和感を感じたはずなのだ。


あのレンジャー誰なんじゃ?


終わり。

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橋本薫(Helsinki Lambda Club)
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