見出し画像

マンガで東洋医学を考察シリーズ⑨スティールボールランのフォアフット

スティールボールランにはサンドマンというインディアンのキャラが登場します。

このマンガではアメリカ大陸を横断するレースが開催されており、多くの出場者は乗馬しています。

ですがサンドマンは徒歩で参加し、馬にも劣らない勢いで走り抜けます

その時に披露していたのがフォアフット走法です。

フォアフット走法とは、足裏のやや前方の爪先寄りで着地することです。

着地時における脚や身体へのダメージが少ないとされています。

対して踵着地とは踵から着地することです。

長距離界で圧倒的な強さを誇るアフリカ勢の選手の多くはフォアフット走法をしています

フォアフット走法

サンドマンが実践していたのは、踵の衝撃を足先に流して衝撃のエネルギーを再利用して推進力に変えるというものでした。

実際にスムーズに身体を前へ進めるためには、エネルギーのロスを無くして身体への負担を軽減させることが重要です。

エネルギーのロスを無くすために体幹の安定性も重要です。

体幹の安定性というのは、体幹の柔軟性とスムーズな重心移動から作られます

サンドマンは、どれだけ飛び跳ねてもバランスを崩すことなく走り切りました。

そのため早く長距離を走るために必要な

・エネルギーのロスを無くす
・身体の負担を減らす
・体幹を安定させる

などが常に実践されていたと考えられます。

東洋医学で表現すると、気血津液の中でも気の流れがスムーズだと言えます。

身体は気のエネルギーで動きますが、消費が激しかったり流れが滞ると本来の動きが出来ないと考えます。

そんな気を作る原料が血(けつ)で、気を過剰にならないように調節するのが津液(しんえき)です。

画像1

ただし、フォアフット走法を実践するには骨盤が前傾していることが重要です

ですが骨盤が後傾した状態でフォアフット走法を実践すると身体が上下に大きく揺さぶられ身体の負担が大きくなります。

身体の負担が大きくなれば膝を痛めやすくなります。

大切なのは骨盤を前傾させて無理なくフォアフット走法を実践することです

また腕振りが足の振りよりも遅くなると重心は後ろに下がるので、腕振りをしっかりとして重心を前へ押し出すことも重要です。

ここまで読んでもらって分かるのは、日本人にはフォアフットは難しいという事です。

そこで活躍するのがミッドフット走法です。

ミッドフット走法

ミッドフット走法とは、足裏の中央近くに重心を置き足裏全体を使って走る走法です。

重心を足裏の中央近くにし、着地時は膝を軽く曲げた状態にすることで足の負担を大きく軽減します。

土踏まずの辺りに重心を置くことで衝撃を吸収するのです。

すると関節だけではなく筋肉でも衝撃を吸収するので、膝を故障したランナーにもおすすめの走法です。

足の負担を減らせば身体は脱力できて、燃費の良い身体を作ります。

日本人は欧米人に比べて消化器系が弱く血が充実していません。

そのため、気の消費を抑えて燃費の良い動き方が合うのです。

ですが、ミッドフット走法はフォームの習得が難しいのがデメリットと言われます。

だから時間をかけて重心を意識することが大切です。

ヒールストライク走法

ヒールストライク走法とは踵から着地する走法です。

踵から着地することで重力の位置エネルギーを利用できるので、長距離移動をする際に有効です。

人間のかかと部分にある踵骨(しょうこつ)は丸くなっており、この丸みに圧力がかかると自動的に前方に力がかかります。

この踵から着地すると、フォアフットとは真逆でアキレス腱のバネは使いにくくなります。

ですが、地面からの反作用を受けることでより燃費の良い動きが可能になるのです。

ただし、ヒールストライクは衝撃の吸収力が下がるので、スピードを上げると故障の原因にもなるので注意が必要です。

まとめると、

・スピードが出るけど身体の柔軟性が必要なのがフォアフット
・最も安全性が高いのがミドルフット
・最も燃費は良いけど衝撃を受けやすいのがヒールストライク

となります。

⑧鬼滅の刃で血を考える⇦ ⇒⑩テラフォーマーズの踵走り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?