中華人民共和国渡航記#1 遼寧省大連
5/1 出国
2024年のゴールデンウイークは情けない。4/27~29の三連休と5/3~6の四連休。5/3~6の四日続くはずの祝日は土日と被さってしまったためにこの醜態。本来用意されて然るべき振替休日は用意されないという行政の怠慢を目にし、憤りながらの出国となった。
5/1の水曜日はどうしても大学に出頭する必要があったため3限目の講義終了後に関西国際空港へと向かう。(5/2も平日のため講義はあったが、戦略的自主休講)
空港の国際線出国ロビーに到着し驚いたのは、まあ日本人のいないこと。アウェー感マシマシ。円安許すまじ。雑魚GW許すまじ。
搭乗したのは山東航空の済南遥墻(TNA)行の便。LCCではないので機内食は提供されたが、座席にモニターなどはない3+3の座席。3時間にも満たないフライトなので十分である。21:45の定刻よりやや遅れて離陸。深夜のフライトだったので出された可も不可もない軽食を詰め込み気絶。
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目を覚ますと航空機は着陸態勢に入る。窓に張り付きガキのように外を眺めるも、暗くて景色は見えなかった。
さて、ドキドキ入国タイムである。外国人用のレーンに並んだ人は10人もいなかった。入国審査官のわりに英語が一つも通じなかったので少し揉めて、降機は1日の23時台であったが、入国印の日付は2日になった。
5/2 大連
2日深夜に山東省済南空港に到着。7:15の大連周水子(DLC)への便に乗るために空港泊を敢行。
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床で寝たかったが、意外にも床で寝ている人が一人もいなかったので周りに巻かれてベンチで寝ることに。カチカチの座面に加え、人民の皆様方はイヤホンをする習慣がないためスマホ垂れ流しになる種々の騒音でほぼ寝ることはなかった。とんでもなく長い夜に感じた。
ようやく長く感じた夜が明け、空港に朝日がさす。
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済南空港から大連空港へのフライトはわずか1時間ほど。黄海を飛び越え、遼寧省大連に着弾。
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ここでトラブルが発生。空港の外貨両替所が閉まっており、人民元の現金を手に入れることが出来ない!
しかし、この段階では事態を楽観視していて、市中の銀行で両替できれば良いだろうと考え、地下鉄で市内へ(「机场」⇒「中山广场」4元)
地下鉄は支付宝(アリペイ)で切符を買い乗車。
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市内へ出て、パッと目についた中国農業銀行で両替を申し出るも、農業銀行のキャッシュカードがないと出来ないと言われ、中国建設銀行ではメーデーに合わせた労働節の連休で両替業務は取り扱っていないと言われ、中国工商銀行では連休で工商銀行では両替出来ないと言われ、中国銀行に行くように勧められる。いよいよ中国銀行でも取り扱えないと言われ、大きいホテルで両替してもらえる場合があるのでと、この辺りで最も大きいホテルを紹介された。
しかし、歩き疲れたのでホテルまで足を運ぶことはなかった。
銀行で会った方々には本当に親切にしてもらったので大変謝謝している。どの銀行の職員も何とかしようと一生懸命対応してくれたので好印象であった。少なくとも門前払いなんてことは一切なかった。工商銀行の職員は中国銀行への行き方を丁寧に案内してくれたし、中国銀行の職員は両替してくれそうなホテルの名前を書いたメモを手渡してくれた。意外と言っては失礼すぎるが、出会った中国人の大半が親切にしてくれた。
とうとう現金の人民元を手に入れることは出来なかったが、支付宝とwe chat pay の二刀流で帰国まで現金を使わずに生き抜くことが出来た。日本とは比べ物にならないくらいキャッシュレス化が進んでいるので、この二つを使えない店は一つも見なかった。
さて、お金の話はほどほどに大連市内の様子を紹介しよう。
まずは上でも述べた大連の中心の一つである中山広場の様子がコレ。
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この中山広場の周囲をロータリーと金融街が取り囲んでいて、その中でも最も目を引いたのはこの中国銀行の建物だ
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奥のビルが現在メインで使われている中国銀行で、手前の建物が旧横浜正金銀行大連支店である。高校で日本史を学んだ方なら耳に覚えがあるだろう。
さらに、満州鉄道の本社も見ることができ、歴史好きの著者はウキウキであった。
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他にも興味深い建築物が多くあったので軽く紹介しておく
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最後に軽く補足しておくと、ヤマトホテルは満鉄資本のホテルで当時は一流のホテルだったらしい。
旧大連民政署は遼瀋銀行大連支店として使われているが、遼瀋銀行は2021年に新設された銀行で、ウィキではこの建物は遼寧省対外貿易経済合作庁として使われていると書かれていて古い情報のままになっている。
書き疲れたのでここで止めて、続きは気が向いたら書く。