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脳みそ08:【番外編】ライフゲームノート「タスクエ」 はじまりのものがたり編

この記事では、さわのよめ。が2024年11月1日に、突然“あたらしいことはじめるよ”と宣言したよめのプロジェクト略して#よめプロ(現在プロジェクト名は、ライフゲームノート『タスクエ』と変更)の起こりを記すことで、よめ。の“ボウソウ”する脳みその一片を覗いていただければと思う。


こころに巣食う魔物の咆哮

今日も一日、なにものなのかもわからない
なにものかに追われ、
ぼわっとぼやっとぼんやりとした不安に襲われ、
気づいたら夜に流れ着いてしまった。

きっと何かと戦っている、
きっとなにかを大丈夫にしている、
きっとわたし頑張っている、
きっと、きっと。

空が真っ黒の墨に覆われると、
じんわりとわたしのこころにも
漠然とした焦燥感とともに闇が滲んでくる。
わたしは今日何ができたのだろう、
なにもできず、なにものにもなれなかったのでは。


『タスクエ』

この相棒の書があれば、陰鬱だった闇も
輝く星を優しく包む
ベルベットのジュエリーケースのようだ。

「わたしは、わたし。
わたしを追うものはなにもいないし、
胸は希望でいっぱいで不安の入り込む余地はない。

わたしは自分で夜を迎えにいく。」



私は、夜を迎えにいく。

水槽の中の日々

小学生低学年の頃からだろうか。毎日の宿題や坂の上にある学校への登下校、そのひとつひとつが経験値となる「ゲームみたいだったらいいのになぁ」と。
大人になり、結婚をして、母親になった。今まで当たり前に繋がっていた社会は、まるで分厚いガラスに隔てられた別世界になってしまった。スマホから覗き見るその世界はあまりにも美しく、自分の小さく醜い世界を際立たせた。きょうもなにもできなかった、きょうもなにものにもなれなかった。

名もなき家事に追われ、育児に人生を注ぎ、でもなにもできていないようにも感じる。周りからもそう咎められているように感じる。

きっとそれは主婦だけではないと思う。まわりには見えづらいでもないと回らない大事な業務をひっそりしっかりやっている会社員の彼も、テキパキちゃきちゃき動くタイプではないけれどいつもぽわっとたたずんでくれていることで今日も美味しいコーヒーが飲めるカフェバイトの彼女も。

あの頃の自分にも、いまなんとか踏ん張ってる彼らにも、みんなに「がんばったね。」とまるをあげたい。

そんな思いからうまれたプロジェクトです。

魔物の誕生

こころに魔物が生まれる瞬間、それは自分を自分自身が否定した時であると私は考える。

私が私自身をはじめて否定したのは、“女”として生まれてしまったんだと知った時であるだろう。

私は三姉妹の末っ子として生まれた。二人の姉とは12歳と11歳離れていた。
私の父親は、大の巨人ファンで息子とキャッチボールをすることが夢だったようだ。なんとか父に息子をと母が願い誕生したのが、私であった。

気を落とす母をそっと病室にのこし、父は息子につけようと決めていた名前の一字と母と二人の姉全員に共通している一字を合わせた名前を役所に提出したという。

この話を聞いたのはいつなのか鮮明な記憶がないし、きっとそうはいっても無事に元気に生まれてきてくれた私も大切に思っていてくれているに違いないと今は思えるが、この話を知った瞬間の衝撃は計り知れなかった。

「わたしは、そのままじゃだめなんだ。
おとこのこにならないと。
わたしがんばらないと。
わたしがいてよかったとおもってもらわないと。」

いいこでいないと。
いつもにこにこでいないと。

みんなに、あいされないと。

みんなに、みんなに。

家族の誰よりも要領が悪く、ドジで、間抜け。
「ダメ子(笑)ダメ子(笑)」と笑われても、
にこにこと笑う。

わたしは、自分のままじゃ
生きていてはいけないから。

小学生になり、外の世界に出ても
私は懸命に居場所を作った。

テンションが高く、じっとしてなくて、発言がちょっと変わってる。
小学生時代の通り名は「クレイジーモンキー」。猿のモノマネでみんなを笑わせて、お楽しみ会では漫才やって、明るくお調子者なひょうきんなやつ。

そんな日々は、なんとか必死に自分の居場所を確立するために幼き私が生み出した仮面だった。

テンションが高いのも、じっとできないのも、発言が浮いてるのも全部本来の自分だけど、それを異常だとする周囲の目線に「なんともないよ!わたしそんなキャラだから!」と仮面をつけた。

なんで楽しい時に楽しいって
ぴょんぴょんしちゃいけないの?
きらきらしているものをみつけたら、
もっとみたいとみにいっちゃいけないの?
おうちにいるときに、
おうちにかえりたいっていっちゃいけないの?
なんで?なんで?
なんでぜんぶわざとだよっていうかおするの…
なんで…なんで…

あぁそうか…

私は、自分のままじゃ
生きていてはいけないから。

わたしはだめなやつなんだ。
もっとがんばらなきゃ。
もっといいこにならなきゃ。

だめなやつはごみだ。
がんばらないやつはごみだ。
いいこじゃないやつはごみだ。

おまえはごみだ。
おまえはごみだ。
おまえはごみだ。

ごみはいきてるかちがない。
ごみはいきてるかちがない。
ごみはいきてるかちがない。

しね。
しね。
しね。

魔物の正体

わたしのこころに巣食う魔物は、私が生まれた瞬間から早く死んでしまえと叫び続けている。急げ。今すぐだと。

その咆哮の意味が、本当は「わたしはうまれてよかったんだよね…おねがいそうだといって」だったと知ったのは、現在の夫:さわくんに出会ってからだった。

知ったからといってそう簡単に魔物は、こころの洞窟から出てきてくれはしない。

でも、洞窟ごと抱きしめることはできる。

わたしは、このプロジェクトで
魔物を生み出した瞬間の自分を助けにいく。


もう魔物の咆哮が響き渡る夜は来させない。

私は、夜を迎えにいく。


共に行こう、夜を迎えに。


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