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【帝都怪奇浪漫画報】8話更新のお知らせ
明治時代文豪×オカルトのオリジナルノベルシリーズ『帝都怪奇浪漫画報』の本編第8話を更新しました。
今回から第二部である「縁切り坂のパラディウム篇」が開始です。
例の如く、どれも更新内容は同じです。お好きなところでお読みください。
ブクマ、応援コメントなどありがとうございます!
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さて、ここからは恒例の史実語りです。
第一部に引き続きまして、参考資料などを読みつつこんな部分をこういう風に解釈して帝都~を書いていますよ~というお話ですので、史実として正確であるという担保はいたしませんのでご注意を。強めの幻覚です。
第一部では名前だけの登場だった独歩の弟、国木田収二がやっとこご本人登場です。ノベルデイズのキャラ紹介やLINEスタンプにはいるのに、何故か出番のなかった収二くんです!
帝都の世界線では、神戸の新聞社に勤めていることになっているので、出てくる機会は限られてくるかもしれませんが、ひとまず第二部は収二くんがばんばん活躍する予定ですのでよろしくぅ!
ところで、リアルの国木田独歩の弟、収二くんは、実は独歩よりも7つほど年下でして、作中の独歩の年齢だと神戸で記者をやっているどころかまだティーンなわけですが、帝都ではフィクションであるのをよいことに2歳下くらいのイメージで改変しています。フィクションなので。
独歩がお信さんとお近づきになる要因を作った、日清戦争の従軍記。
独歩の死後、出版された際に「愛弟通信」というタイトルがつけられたそれは、実際に独歩が弟である収二に宛てる体裁で書かれています。
国民新聞に一緒に入社した国木田兄弟は、兄の独歩(当時はただの記者なので本名の哲夫)が従軍し、新聞社にいる弟の収二に記録を贈りました。その時、文の始まりに「愛弟、」とつけていることが多かったので「愛弟通信」というタイトルになったわけですね。
国で待つ弟に語りかける口調と、独歩の情熱的な筆致があいまって、日清戦争の従軍記は話題を呼びます。独歩の記者としての名声はここから生まれ、後の最初の妻、佐々城信子の出会いと別れに繋がっていきます。
そして「日清戦争の名物記者の悲恋物語」が、独歩と花袋をめぐり合わせるきっかけとなり、花袋と知り合ったことで独歩は文学の道を志します。
いってしまえば「愛弟通信」がなければ、独歩は後の時代の礎を築く文学者にはならなかったかもしれない、ということですね。(記者兼ジャーナリストではあったので、編集者としては花袋と出会わなくても著名になった可能性はありますが……)
ところで、国木田兄弟は本当にめちゃくちゃに仲が良く、結婚前はほとんどずっと一緒に住んでいます。独歩が大分の佐伯に教師として赴任した時も、弟の収二は当然のようについていっています。
でかける時も弟と一緒で、あまりにも二人一緒に行動するので、佐伯の人々は国木田兄弟のことを「おみきすず(お神酒をいれる2つセットのとっくり)」と呼んでいたのだとか。
赴任したばかりの頃、洪水で橋がながされそうになった時に、運悪く熱を出して寝込んでいた独歩を背負い、収二が濁流の中橋を渡って避難したエピソードなどもあり、本当に仲がよかったのだなぁと思います。
花袋が初めて渋谷で独歩と出会った時も、収二と一緒に住んでいました。
ちなみに、史実でも弟の収二の方が長身であったそうです。写真をみると、頭ひとつ分くらい違っていますね。お顔はにているようなにていないような?
国木田兄弟の血縁関係については、独歩の生まれが複雑ではっきりしないので、父違い説と両親同じ説(現在の研究では後者が有力)があるのですが、子供の頃から晩年まで、ずっと仲の良い兄弟であったことは事実のようです。