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【帝都怪奇浪漫画報】2話更新のお知らせ

明治時代文豪×オカルトのオリジナルノベルシリーズ『帝都怪奇浪漫画報』の本編第2話を更新しました。

>>NOVEL DAYS 『帝都怪奇浪漫画報』

>>カクヨム『帝都怪奇浪漫画報』

例の如く、どちらも更新内容は同じですので、お好きな方でお読みいただければと思います。NOVEL DAYSの方は、登場人物紹介ページに人気投票的なのがついているので、お好きなキャラにチェックを入れてくださるとキャラ人気の参考にいたしますw

2話更新と共に、現在名前が出ているキャラは全て特設サイトに全身図、詳細なキャラクター紹介が掲載されております。

いや、正直収二がだいぶ好みでしてね(本編にはまだ名前しか出ないけど)

というわけで、どうぞ特設サイトの方もご覧ください~。

>>「帝都怪奇浪漫画報」特設サイト

イラスト担当の紅月美邑さんへのお問い合わせは、以下からお願いいたします。

【紅月美邑様ご依頼先】note
twitter:@nnjmmr_info
サイト :http://70nnj.rash.jp/nnjmmr/
連絡先 :70nnj.mmr★gmail.com(★→@)


現在通販と電子書籍で頒布している『帝都怪奇浪漫画報 準備号』ですが、デザイン担当の紅月美邑さんのスペースにコピー本版を委託していただけることになりました。

8月25日 SUPER COMIC CITY 関西 25【6号館C/は19a:Acid Mary】
※二次創作スペースです。

8月25日 コミティア129【る27b:Acid Mary】
※百合系の配置になります。

こちらの2つのイベントに足を運ばれる方は、ぜひお手に取っていただければと思います!


では、ここからは例の如くちょっとした小話で。

前回名前だけ出てきた独歩の元婚約者設定の佐々城信子さん、史実では国木田独歩の最初の奥さんです。結婚してたんですね。

独歩の猛アプローチを受けて、両親と散々もめつつも駆け落ち同然で結婚し、貧困に耐えかねて失踪、のちに離婚しています。しかし、後に独歩が非常に独善的で束縛が強い性格であったことから、いわゆる「性格の不一致」による離婚であることがうかがえます。

佐々城信子さんの母上は、女性活動家として有名な方であったそうで、そういうこともあって信子さんも当時としてはハイカラな、自立した女性であったんだと思いますが、ティーンエイジのお嬢様なわけでして。

熱烈に求愛されて雰囲気に流されて恋仲になって、結婚となったら幻滅してしまった……というパターンでしょうかね。

何かと有名な「独歩に短刀を突き付けられて結婚を迫られた」という逸話は、実はあんまり信憑性はなく「そういうことがあったかもね」くらいです。

というのも、信子さんがその発言をしたのは、独歩とも親しかった彼女の従姉である相馬黒光が信子さんから聞いた話を随筆に書いた元であり、信子さんが直接そういう主張を行ったわけじゃないのですね。

信子さんは、独歩との間にできた娘を里子に出し、後に自分の元に引き取ったものの、上手く折り合いがつきませんでした。その娘は一時期、相馬家で預かっていたこともあり、黒光さんは信子に「結局、独歩との離婚の真相はどうなの?」と尋ねたのでした。

その時に「短刀でおどしつけるようなことをして~」などという話題が出た、という話なのでした。こういう状況なので、信子さんが従姉である黒光さんにやや大げさに愚痴った可能性、娘のことでやや後ろめたさがあるので言い訳として独歩の責任を取り上げた、という可能性もあるわけでして、研究書でも「この説は信憑性が微妙」という扱いをしているものが多かったです。

信子さんをモデルにして書かれたという有島武郎の「或る女」は、独歩の死後に書かれているわけなのですが、ヒロインの葉子が死んでしまいます。

Wikiなどでは「信子は有島武郎に抗議した」と書かれていたりするのですが、信子の従姉、相馬黒光の手記では正確には抗議したのは「信子さんの妹」であったそうで、信子さん自身は独歩のことで色々言われるのに慣れていて「別に何も弁解はしませんけど?」という態度であったそうです。

この辺は相馬黒光の自伝『黙移』が詳しいので、ぜひお読みいただければと。独歩と信子絡みの話だけなら、学研の独歩全集の別冊11巻に収録されております。(私は全集で読みました)

ちなみに相馬黒光さんは、新宿中村屋の創業者の一人です。(本名は良子さんで、書簡などでは星良子、または相馬良子と記載されている)

ところで、独歩さんのA日記こと『欺かざるの記』では、独歩さんと信子さんのいちゃラブデートから、結婚を巡るご両親との壮絶バトル、信子さんの失踪⇒離縁までの流れがやたらと詳細につづられていて、なかなかの激しさ。

両親とのバトルが壮絶で、信子さんあての書簡に

「殺すぞ」

「どうぞご勝手に」

などというやりとりをしたことを綴っていて、それ手紙に書いている場合か? というか、煽るな? すごいな? とか色々真顔になります。

史実の国木田独歩、恋愛絡み以外でもちょいちょい凄まじい煽りを繰り出しているエピソードがごろごろ出てきて、とてもキャラが濃い……。

『百日紅』という田山花袋の随筆に、上記の相馬黒光さん(と思われる人)と花袋先生が独歩と信子について語らうエピソードがあるのですが

「信子は普通の女なので、独歩の激しすぎる愛にはついていけなかったんですね(要約)」

とか言われてて、多分その通りなんだろうなぁ、と思いますし、その激しい性格の独歩さんと添い遂げた後妻の治子さん、本当にすごいな……と思いました。

と、ここまでいろいろ書きましたが、私がいろんな独歩研究本を読みながら解釈した内容ですので、これが絶対に正しいというものではありません。

帝都~でも適度に色々設定は変えておりますので、noteに載せる小話はあくまでこんな風に史実を解釈しつつアレンジしています、程度の読み物としてお楽しみいただければと思います。

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