Pain Flowersの話
気づけば1か月以上留守にしていました。申し訳ない……。
5月のイベントから、燃え尽き症候群になっていたのと、単純に新作の準備ができていなくて沈んでいました。
秋までイベント参加予定がないはずだったんですが、急遽8月コミティアに出ることになりました。新刊が出るかどうかわからないのですが、出すとしたら『Pain Flowers 橋の下のポラリス』を同人誌にしようかなぁと思っています。『帝都怪奇浪漫画報』の連載再開は、たぶん早くても10月頃なので……。
さて、この『Pain Flowers 橋の下のポラリス』ですが、第3回ステキブンゲイ大賞に送って落選した後、非公開にしてノベル大賞にも応募しまして、二次選考まではいったんですけど落選した作品になります。結果が出たのでステキブンゲイ版は再公開しました。
三次選考までいかないというのはこの作品のポテンシャルがこの辺なんだろうなということと、あと個人的な思い入れがあるので紙の本にしたいということで、投稿せず加筆修正の後同人誌化することにしました。
帝都では毎回史実語りという形で作品内容に触れているのですが、そういえば他の作品ではやったことがなかったなーと思い、『Pain Flowers 橋の下のポラリス』(以下PF)について語ってみることにします。
元々この話は20年ほど前に『Somebody’s Pain 誰かの痛み』という短編連作を収録したコピー本を、設定変更&新エピソードを追加して書き直したものになります。元が20年前なので(何歳の時の作品かは聞かないお約束です)ネタがちょっと古臭いかなーと思いつつも、ぶっちゃけ私の同人生活史上一番売れたコピー本だったので(あと、めちゃくちゃ感想をもらえた本だったので)いつかリメイクしたい気持ちがありました。
元になったコピー本は「なんでも痛みを一つ肩代わりしてくれる都市伝説」というぼんやりした設定の話で、その話をベースに肩代わり⇒痛みにちなんだ花を咲かせるという設定に変えました。クマのぬいぐるみのポラリスもいませんでした。
キャラ名は(元のコピー本が手元になかったので)覚えている限り元の話を保持しています。主人公であるハナは元のコピー本ではたいそう性格が悪く、口もめちゃくちゃ悪かったです(書いた後でコピー本のスキャンデータを友達に送ってもらって判明)。20年経って私の記憶の中でマイルドに美化されていたようです。お前、そんなに性格悪かったのか……。
元のコピー本にはポラリスがいなかったので、当然ながらハナとポラリスのやりとりがある「閑話」は全部PFの追加エピソードです。あと各章の副題も全部変えています。元のコピー本が……その、楽曲名を使ってて……これ大丈夫なんか?ってなったので。
「Case.1:クロッカス/空気は友達になれない」「Case.2:ワスレナグサ/知らないどこかでお幸せに」は元ネタのコピー本の話、ほぼそのまま。
「Case3.ナルキッソス/ウルフガールの嘘の嘘」は、元ネタの時は入れられなかったエピソードを今風に。本当はクラスで浮いてる嘘つきガールの学校の話だったはずなんですけど、それだとCase1とちょっとネタかぶりするので設定変更したら……なんか、全く救われない感じに。
「Case4.アザミ/正しくない正しい世界」。これは完全書き下ろしの、元のコピー本にはなかった話です。前後の閑話を含めて、ストーリーのターニングポイントになりました。これも救いようがないんですが……。なんか……新規追加エピソードの方が救いないな……。主人公の性格は丸くなったのにな。
「Case5.ポピー/星を見る君、花を知る君」「Case6.アネモネ/見たこともない顔で」の話も、元ネタのコピー本から大きく変えていません。まぁ、この2編はアンサー編なので、変えようもなかったというか。
ただ、花をモチーフに変えたおかげで、ハッピーエンド感は元ネタよりもだいぶ増した気がします。…………いや、言うほどハッピーか、コレ?
元ネタのコピー本には実は後日談と番外編があったのですが、そっちの方はあんまり出来がよくないというか、書き直す過程で入れたいシーンはおおむね入れてしまったので、こちらを入れるとあまりにも蛇足なので、PFには入れる予定はありません。
ただ、旧PNで作っていたサイトに載せていた後日談はちょっと気に入っていたので、PFを同人誌版にするならこの話のリメイクを収録しようかなと思います。紙版に書き下ろしがあるとちょっと嬉しいよね!ちなみにこの番外編リメイクのWEB公開の予定はありません。本編は現在の形で十分綺麗に終わっているので、番外編はあくまで紙版のおまけの予定です。
最後に、多分札幌にいた頃から長らく付き合いのある方は『Somebody’s Pain』をまだお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが……(実際、お持ちの方からスキャンデータをいただいているので……)さすがに恥ずかしいので、そっと引き出しの奥にしまっておいてください。捨てろ燃やせとかは言わないから!お願いします。マジで。