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✅50代女性【夫が苦痛だが離婚できない】を選択理論でコーチング人生案内#118

「50代の主婦。定年退職した60代の夫との生活に悩んでいます。」

 夫は有名大学を卒業し、人も羨むような仕事に就いた優越感からか、家庭内でいばりちらしてきました。趣味や友人はなく、家では酒を飲みながら、テレビとネット三昧。食事もテレビを見ながら、ゆっくりです。行儀の悪さを指摘した時は「そんな上品な育ちはしていないくせに」と、鼻で笑われました。肘をつき、音を立てて食べるだらしなさも苦痛でなりません。

 何を作っても無言。話しかけても否定するか、皮肉を言うかなので、話しかける気もなくなりました。独立した子ども2人も家に寄りつきません。

 何度も離婚を考えましたが、頼れる身内はなく、体もあまり丈夫ではないため、踏み切れずにいます。これまで友人、知人に恵まれたのを支えに頑張ってきました。定年まで働き、家族を養ってくれたことには感謝しているのですが、この先の人生をどんな気持ちで過ごせばいいのか途方に暮れ、生きる気力も失っています。(岩手・H子)

(2022年6月19日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

・定年退職した夫は、家庭内でいばりちらし、自分がしたいようにして、行儀も悪く、自分との会話もほとんどないが、そんな夫との生活が苦痛で仕方がない。その一方で、自分には、頼れる身内もなく、体も丈夫でないので、離婚にも踏み切れず、この先の人生をどんな気持ちで過ごせばよいのか、途方に暮れて困っている。

相談者の「願いごと」

・これからも続く、苦痛な夫との生活に対して、どんな気持ちで過ごせばいいのかを知りたい。

相談者が満たせていない(満たしたい)基本的欲求


(力・自己価値の欲求、自由の欲求) 

【コーチングモデルと選択理論の考え方】


①相手に自分が振り回されているのに気づきましょう。

②相手を批判したり、文句を言ったりはやめましょう。

③同じするならいやいやでなく、進んでする方が自分の
コントロール感も高く自由度も広がります。

④ 「自分が満たせていない大切なニーズや価値観、欲求
が何か」を考えましょう。

⑤「相手が満たせていない大切なニーズや価値観、欲求
が何か」を考えましょう。

⑥相手がしてほしい行動で、自分がしてあげられるもの
は積極的に協力し、貢献しましょう。


【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・夫(相手)に、自分が振り回されて困っている。

・自分が願っていること(これからの人生をどう過ごしたいのか)が、明確でないので、願いごとが叶わない。


以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。
 

【心に響く回答者(出久根達郎さん)の言葉】

 夫の食事マナーの悪さや無愛想、皮肉、冷笑などは、今に始まったことではないのでしょう。結婚当時からですか? あなたは日頃いやだなと思いながら、これまできつく注意したり、たしなめたりしなかったのですね。お子さんのためにも、夫のふるまいをやめさせるべきでした。

 夫の不作法や傍若無人ぶりは、失礼ですが、あなたにも責任があるように思います。いばりちらす夫になったのは、会話をあきらめ、結果的に見て見ぬふりを通してきたことも影響しているかもしれません。

 長い間、生活を共にしてきた夫婦のもめごとは、双方に責任があると考えます。むろん例外はありますが、どちらか一方にだけ非があるということはまれだと思います。

 離婚を考える前に、あなたの力で少しずつ矯正を試してみませんか。けんかになるかもしれません。でもそれが夫婦というものでしょう。これまで大きな夫婦げんかもせずにこられたのではないですか。今後はぜひ夫の改造を生きがいにしてほしいと思います。

(2022年6月19日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・自分勝手でごうまんなご主人のようですが、そのような大変な人生を、今までどうやって乗越えてこられたのですか。どんなことがあなたの支えになってきたのでしょうか? とにかくどんなことでも、10個以上挙げてみてください。それらのことは、これからもあなたの支えになってくれそうですか?

・これから先も、今の生活が続くとすると、いつまでがまんできそうですか? その理由は何でしょうか?

・もし、今のご主人と離婚したとして、経済的な問題や、ご自身の健康の問題が、仮になかったとしたら、ご自分としては、今後はどのような生活、人生を送っていきたいですか。どのようなしたいこと、得たいものがあるのでしょうか。10個以上挙げてみてください。

・一方で、今のご主人との生活で、経済的な安定なども含めて、「あなたが失いたくないもの」「今後もずっと続いてほしいこと」にはどういうものがありますか? これも10個以上挙げてみてください。

・あなたから見て、ご主人は、10点満点で何点くらいですか?
一方で、ご主人は、あなたを、何点くらいの妻だと考えていそうですか?

・もし仮に、10点満点のご主人だったら、あなたとの関係で、どんなことをしてくれそうですか? また、○○行動はしないですか? 10個以上挙げてみてください。そして、もし、そのうちのいくつかをしてくれたら、あなたは今とどういうふうに違ってきそうですか?

・一方、ご主人から見たとき、「10点満点の妻だったら、自分との関係で、何をどうしてくれるのに、また、○○行動はしないのに」と思っていそうですか。これも思いつくものを10個挙げてみてください。

・もし、そうやって、「お互いが相手に望むこと」「お互いが相手にしてほしくないこと」が明確になり、どちらか一方だけでも、「相手がしてほしいことで、自分ができることをしてあげる」ようになり、「相手がしてほしくないことをやめる」ようになったら、二人の関係は、今と比べて、どうなりそうですか? そして、もし仮に二人の関係が、今よりも少しでも良くなったとしたら、あなたのこれからの人生は、どのように変わっていくでしょうか?

・「定年まで働き、家族を養ってくれた夫」に感謝しているとのことですが、具体的にどうやって、その感謝を伝えていますか。相手に感謝の気持ちはどのくらい伝わっているでしょうか?

・ご主人の方も、あなたには感謝している所もたくさんあると思いますが、もし、そうだとしたら、あなたはそれをどういうふうに伝えてほしいですか?

・お互いに、相手に対して、批判や文句を言うのをやめて、逆に、感謝していることを今以上に伝えるようにしたら、二人の関係や、この先の人生は、どのように変わっていくでしょうか?

・「この先のお二人の関係が今以上に良くなることがわかっている」としたら、また、「あなたが今以上に、したいこと、好きなことができるようになることがわかっている」としたら、あなたとして、手始めに、どんな小さな行動から始めますか?


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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