✅60代女性【夫との老後に希望がない】を選択理論でコーチング人生案内#113

「60代の女性。13年前に再婚した、5歳年下の夫との老後について相談です。」

 夫は突然機嫌が悪くなることがあります。そうなると口をきかず、夜遅くまで帰らず、用意した食事も食べません。何を怒っているか分からず、ひたすら謝ってきました。私の考えに同調することもありません。何か言っても否定され、嘲笑されるので、自分から意見を言わないように気をつけてきました。

 夫は機嫌のよいときは優しく、物言いも穏やかです。「守っていく」などとも言いますが、その時限りのこと。最近は「あなたとは一緒に暮らせない」と言われました。

 このまま夫の顔色をうかがいながら老後を過ごすのかと思うと、 ゆううつ です。夫といれば老後のお金の心配はありませんが、希望がありません。穏やかな老後か安定した老後か。毎日のように葛藤しています。(愛知・O子)

(2022年6月1日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

・夫は突然機嫌が悪くなり、口を聞かず、夜遅くまで帰らない。何を起こっているのかもわからず、何を言っても、否定され、嘲笑されるので、これまでひたすら誤ったり、自分の意見を言わないようにしてきたが、このまま夫の顔色を伺いながら、老後を過ごすのがゆううつで、この希望のない安定した生活を続けるか、それとも穏やかな生活を選ぶべきか、かっとうで困っている。

相談者の「願いごと」

・今のような希望のない安定した生活をこれからも続けるか、それとも穏やかな生活を選ぶべきかという、かっとうに終止符を付けたい。

【コーチングモデルと選択理論の考え方】


①「自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられる」と考えましょう。

②「自分には、未来に向って自分が幸せになるために
行動する責任がある」と考えましょう。

③「自分が満たせていない、自分にとって大切なニー
ズや価値観、欲求が何か」を考えましょう。

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう


 
以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。 

【心に響く回答者(藤原智美さん)の言葉】

 理由のない無言の怒り、見下した態度と嘲笑のくり返しは、まぎれもないモラルハラスメントだと思います。あなたは 蹂躙じゅうりん され、心理的に支配されている。夫の優しい言葉を真に受けても、すぐに裏切られる。そんな中で、よく相談してくれました。

 自立性をしだいに奪っていくモラハラは、陰湿で体への暴力がないだけに、他人には理解しにくいものです。まずは、自分が被害者だという自覚が重要です。

 最近、社会的な認識も高まり、行政でも専門の窓口を設けています。そこで相談されると、力になります。

 日記もつけてください。夫の言動を細かく記録していくと、自分がどれほど虐げられていたか、再認識できます。相談の際に、この記録が役に立ちます。

 もし離婚を決めても、事は慎重に。弁護士の相談も、夫には知られないよう注意してください。「いっしょに暮らせない」という脅し文句が通用しないと、相手は態度を一変させることもあります。この手の人は、自立的に生きようとする妻が、何より許せないのです。

 経済的な安定か、心の平安か。いずれにしても、自分の意志による人生の選択が大切です。あなたが、よりよい未来へ歩み出されることを、願っています。

(2022年6月1日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・今のご自分は、夫にどれくらい振り回されているように感じますか?
ご自分を「自分車」に例えたとしたら、「自分車」のハンドルを何%くらい自分で握っている感じですか? また、夫があなたの車のハンドルを何%くらい握っていそうですか?

・今のままの生活を続けたとしたら、10年後、20年後はどのようになっていそうですか?

・今のままの生活を続けたとき、あなたが今持っておられるような、新しい人生の道に踏み出そうという意志は、未来に向って強くなっていきそうですか、それとも、ますます疲れて、弱く、萎えていきそうな感じはしますか?

・もし、別居や離婚することができたとしたら、そのときは、今できていないどのような生活をしたいですか。あなたがしたいことをきるようになることで、今あなたが満たせていない、どのような大切なニーズや価値観、欲求、願いごとなどを満たせるようになると思いますか?

・今の生活でも、夫のことは夫のこととして、あなたが自由にしようと思えばしたいことができる「あなたの自由域」は、時間的、空間的、経済的にどの位あるのですか? 

・もし、「自分車のハンドル」は、自分が握ろうと思えば握れるのだと、考え方を転換できたとしたら、どの位の「自由域」があなたにありそうですか? そして、そのようなあなたの自由域で思い切って、したいことをが自由にできたとしたら、夫のことは、それはそれとして、今よりも、気分的には良くなりそうですか?

・仮に、今は、経済面で心配かもしれませんが、例えば、できる範囲で仕事をはじめてみるなど、今の間に、経済面でも自立できる力を付けることを始めたとしたら、ご自分の状況は変わってきそうですか?

・夫の態度や行動が、今よりももっとひどくなったとしたら、そのときは、どうしますか?

・「夫の態度や行動」がどのようなものであろうと、あなたができることをいろいろ考えてしていくことで、あなたが失うものはありそうですか?

・ここまでいろいろ考えてみられて、何か気づかれたことはありますか?


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。

いいなと思ったら応援しよう!