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✅60代女性【男社会の会社に嫌気】を選択理論でコーチング人生案内#144

今回は「60代女性バス運転手。職場での不平等」の相談。「させる、させられる世界」を個人としてどう超えるか。「自分が自由に行動できる領域」はどれくらいある?

 60代の女性。送迎バスの運転手をしています。先日ひとつの会社を辞めました。運転だけでなく洗車も大事な仕事なのに、全くしない同僚男性がいたり、自分で洗車した車に乗れず汚い車を使わされたりしました。

 社長におかしいと訴えても、「後から入社した方が洗車して」。さらに食い下がると、「誰に向かって言ってるの」と言われ、ばからしくなりました。

 弱い立場の人に責任を負わせるやり方に社会の闇を感じます。40代から運転手として複数の会社で働きましたが、どこも昔ながらの男社会でセクハラやパワハラが横行。それが女性の私に向けられてきました。病気の私が洗車を休むとどなられるのに、何もしないベテラン男性は文句一つ言われません。

 真面目に働いても意味がなく、年長の男性の私的感情で職場は左右されると悟りました。むなしくて何をしても心から楽しめません。こんな社会でどう生きていけばよいのでしょうか。(埼玉・J子)

(2022年8月2日読売新聞朝刊)

次を参考に、相談者の答えを引き出す質問やアドバイスを考えてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

・40代から運転手として複数の会社で働いてきたが、どこも男社会で、女性で弱い立場の自分が不平等、不合理な扱いを受けてきた。職場は年長の男性の私的感情で左右され、真面目に働いても意味がなく思え、むなしくて何をしても心から楽しむことができなくて、困っている。

相談者の「願いごと」

・このような、女性で弱い立場の自分が不平等、不合理な扱いを受ける男社会で、どう生きていけばよいのかを知りたい。

相談者が満たせてない(満たしたい)基本的欲求

・力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい)
・愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい)

【選択理論コーチングの三角モデル】

【選択理論のエッセンスで考えましょう】

<選択理論の第1原理>
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

<選択理論の第2原理>
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、決めるのは相手。「押しつけると相手は反発するか逃げる」という関係にある)

<相手との関係>
・いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を生み、人間関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。

・「自分の正しさを押しつける相手は反発するか逃げる」、「相手の考えを受け入れると相手は近づいてくる」という関係があることを理解しましょう。

・相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

<自分の主体性を取り戻し、相手の主体性を尊重する>
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていることに気づきましょう。

・自分は自分なりに、相手は相手なりに、それぞれが欲求を満たすために「精一杯の行動」をしていると考えましょう。

・同じするなら、いやいやでなく進んでする方が自分のコントロール感も高く自由度も広がると考えましょう。
 

<人間関係を改善する>
・相手の行動も、自分のと同じく、ニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。
 
・相手が満たせていない、相手にとって大事なニーズや価値観が何かを考えましょう。

・「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し貢献しましょう。
 
<自分の欲求充足>
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。

・「自分が自由に行動できる自由域」に気づいて、そこで、さまざまな願いごとを実現しましょう。


【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・どこの職場も男社会で、女性で弱い立場の自分が不平等、不合理な扱いを受けてきた。職場は年長の男性の私的感情で左右され、真面目に働いても意味がなく思え、むなしくて何をしても心から楽しむことができなくて、困っている。
(困りごとのパターン:願いごとが叶わない、相手(状況)に振り回されている)


以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。

【心に響く回答者(藤原智美さん)の言葉】

 怒りがふつふつと湧いてきました。「どうやって生きていけばいいのか」とまで、あなたを追いこんだ会社に対してです。私だけではなく、この相談文を読んで、「ある、ある」とうなずき、あなたに共感する人はたくさんいます。そのことだけは知っておいてください。

 社会の現状を、ただちに変えることはできませんが、あなたの「むなしさ」を少しでも和らげる方法はあります。

 まずは「誰も分かってくれない」ではなく、自分の胸の内、怒りを外に出すことです。この相談文のように、SNSで思いを発信しましょう(特定企業や個人の批判にならないよう慎重に)。あなたの孤立感を緩和することが肝心です。

 女性の働きにくさや、不当な扱いについて話し合い、情報交換している「場」が、インターネット上にあるかもしれません。ぜひ探してください。

 同じ思いを抱き、愚痴を言い合う仲間がいるだけでも救われます。ともかく意識を外に向けることです。共感できる仲間を見つけたら、いっしょに具体的な対応策を考えてみましょう。

 どうぞ負けないで。

(2022年8月2日読売新聞朝刊)


私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・ここでは、あなたの「真面目に働いても意味がなく、むなしくて何をしても心から楽しめません」という今の状態について、改善のヒントになるような方向で、進めることでよろしいでしょうか。

・あなたの願いごとが「女性である自分にとって不平等で不合理な男社会を変えたい」ということであって、今の職場が変わらないと「真面目に働いても意味がなく、むなしくて何をしても心から楽しめない」ということであるとしたら、あなたの考えでは、「今の職場が変わる可能性」は、何%くらいあるでしょうか? また、あなたにそれができる可能性は何%くらいあるでしょうか?

・そこで、もし、今の職場が変わらなくても働き続けるとした場合の心の持ち方ですが、ちょっと変わった質問かもしれませんが、理想的な「送迎バスの運転手」とは、どのような方なのでしょうか?

会社にとって、お客さんにとって、社会にとって、具体的にどのような方なのでしょうか? その方は、具体的にどんな行動や態度を日々とっている方でしょうか?

あなたが出会った、一番すばらしい「送迎バスの運転手」はどなたでしたか? また、あなたがモデルにするとしたら、一番モデルにしたい人はどんな方でしょうか?

そして、もし、その方に、今のあなたの悩みを相談したとしたら、どんなアドバイスをしてくれそうですか?

・一方、「男社会の不平等な職場」が今のまま変わらなくても、あなたが、「自分が変わる」ということであれば、職場や職業の選択、さらには生き方の選択も含めて、「自分が自由に行動できる領域」はかなり広いのではないかと思えますが、そうするかしないかはともかくとして、その可能性をできる限りいろいろと考えてみませんか?

・ところで、「真面目に働いても意味がなく、むなしくて何をしても心から楽しめない」ということですが、もし仮に、今の職場が「理想の職場」で、満足できるものであったとしたら、あなたは、プライベートな生活の方では、どんなことをしたいですか? どんなことをしているでしょうか? 何か手に入れたいものがありますか? どういう自分になりたいですか? どういう自分でありたいですか? 

・そのような自分のさまざまな願いごとがあるとしたら、「男社会の不平等な職場」という状況のせいで、それに振り回されて、自分の人生のさまざまな願いごとが実現しないということ、「何をしても心から楽しめない」という状況になっていることを、どう思われますか?

・あなたが、本気で、自分が心から楽しめることを見つけ、それをしたいと決心して、していくとき、「男社会の不平等な職場」は、あなたを止めることはできそうですか?

今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。



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