20代女性の【パワハラを訴えるべきか】をコーチングするとしたら?
😞 今回は、相談者が「上司のパワハラに振り回されている」事例です…🙂行動の選択理論でコーチング人生案内#164
✅次のようなプロセスで、相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました💦
▶︎ 相談者が話したい「困りごと」を受けとめ、まとめると
・課長と副課長が、大勢の前でどなったり、机をたたいて「バカ」「使えない」というパワハラをするので、困っている。
何より、気に入りの部下とそうでない部下で態度があからさまに違うことが腹立たしくて、困っている。
・自分は1年以内に異動する予定で、それまで耐えようという思いと、パワハラは許せないという思いで葛藤があり、困っている。
▶︎「困りごと」を「願いごと」に転換して、話してもらうと
・異動まで耐えようという思いと、パワハラは許せないという思いで葛藤があり、訴えたところで味方はおらず、何も変わらないかもしれず、自分がどうしたらよいかが知りたい。
▶︎ 相談者の「困りごとのパターン」を考えてみると
願いごとが不明確
相手や状況に振り回されている
「自分」に自分が振り回されている
(注:この「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、心理的な症状、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指す)かっとうに悩んでいる
🚩①相手の困りごと、願いごとの話を受けとめたうえで、②次の質問や展開をしてみること、を考えました
・「パワハラは許されない」ということが社会にルールとして広がってきている一方で、あなたが悩まれているようなパワハラがあちこちの職場で起きていると思います。
自分がその当事者になると、耐えるべきか、正義感からも、組織に訴えるべきか、かといって、組織のパワハラ対応の制度が本当に機能しているのか、自分が職場を辞めざるを得なくなるのではないか、など、さまざまな思いで葛藤し、訴えることで自分が不利益を被る可能性も現実にはありえることから、どうしようと悩まれるのも、生きていかなければならない個人として当然のことだと思います。
・ところで、孫子という中国の昔の兵法家の「自分を知り、相手を知れば、百回戦っても、負けることはない」という趣旨の有名な言葉があります。
この言葉を実践してみると、あなたなりのかっとうの解決につながるかもしれません。
・今回の件で言えば、「相手のことを知る」の「相手」とは具体的に誰、何のことでしょうか? パワハラをしている課長、副課長のことだけではないと思います。「重要な相手」をできるだけたくさん挙げてみてください。
今回で言えば、パワハラをしている課長と副課長の背景にある事情、パワハラを受けている人、職場の同僚、組織、組織の制度、パワハラについてのもろもろのこと(パワハラとは何か、どんなルールになっているのか、どう対応すべきとされているのか、色々な事例がどう取り上げられ、どう決着されているのか、個人としてどんな対応ができるのか)、組織での過去のパワハラ事例とその対応例、あなたの周りの職場でもパワハラがあるのかどうか、
など、自分がもし戦うとした場合に、負けないために、色々と大事なことをリストアップして情報収集(ネットや書店、図書館を含め)をしておきましょう。
・一方で、「自分のことで、知っておくべきこと」についても、戦いを始める前に、いろいろ考えたり、調べてみましょう。
つぎのような問いに対するあなたの答えを考えて見てください。
・今の公務員の仕事、今の職場、今の組織は、自分にとってどのような意味があるのでしょうか。どのくらい重要なのでしょうか。
・なぜ、あなたは今の公務員の仕事を選ばれたのですか?
・例えば、10年後(○年後)、あなたはどんな職場で、どんな仕事を、どんな立場でしていたいのですか?
・今の職場で、あなたが、これまでなんとかパワハラに耐えて来れたのは、どういう理由があったのですか?
・今の状況が続くとすると、いつ頃までがまんできそうですか?
・今の職場の状況は、最悪を1点、最良を10点とした場合、あなたから見て何点位ですか?
2点以上を付けたとしたら、どういうところから、その点数より下の点を付けなかったのでしょうか?
・また、あなたにとってパワハラのダメージ(程度)はいかがですか? こちらは、非常に軽いを1点、ものすごくひどいを10点としたら、何点位ですか?
10点より下の点数を付けたとした、どういう理由からその点数以上の点をつけなかったのですか?
・1年以内の異動は、どの程度確実なのでしょうか? 異動が延びることはないですか。
・訴えることで、最悪、どんなことが想定されますか?
・仮に、職場に居づらくなったとして、転職できる可能性はどうですか。
・仮に転職したとして、転職先の職場で似たようなパワハラがある可能性はどうでしょうか?
・訴えるかどうかはともかくとして、今あなたができる対応にはどのようなものがあるでしょうか(例えば、職場のパワハラの事実についてメモや記録を継続的にとっておくこと、パワハラを受けている直接の上司などを支援すること、話を聞くこと、上の方で挙げた、さまざまな「相手」について情報収集すること、など)
・パワハラを受けているあなたの直接の上司は、あなたにどういうことを望んでいそうですか?
・仮に、あなたが訴えたとして、一番うまく展開するとしたら、どういう展開をあなたは想定されているのでしょうか?
その可能性は何%くらいありそうですか?
・また、あなたが仮に訴えたとして、もっともありそうな組織の対応は、どのようなものでしょうか? そのようになる可能性は何%くらいだと考えていますか?
・あなたは20代で、まだお若いですが、周りの人たちは、職場のパワハラのことや対応について、どのように話されているのですか? 周りの人はどう考えているのでしょう。
・仮に訴えるとしても、近々の異動後に「前の職場でパワハラがあった」と訴えることも考えられると思いますが、ほかにどのようなアイデアが考えられそうですか?
・「自分を知り、相手を知れば、百回戦っても、負けることはない」という兵法の視点から、自分にとって、広い視野から、重要なことを考えた上で、ご自身の決定をされたら、それがどのような決定であっても、あなたの納得感が高まると思いますし、後で後悔することも少なくなると思います。
職場のパワハラ問題とかは、当事者である度合いが強いほど、個人としては深刻で、対応も難しいものがあると思います。
こんな言葉を使うといかがなものか、という意見もあると思いますが、「一種のゲーム」と考えることができると、ちょっと距離を置いて、客観的に、少しは余裕を持って、事態や状況を見ることができるかもしれません。
また、今回のことでは、あなたにとって、長い目で見て、さまざまな「反面教師」がいそうですし、「モデル教師」もいるかもしれませんね。もし、「モデル教師」が近くに居たら、アドバイスももらえるかもしれませんね。
見方を変えれば、若いあなたにとって、これからのあなたの人生で役に立つ学びや経験の大切な宝庫といえるかもしれませんね。
ご自分の今後のことや、メンタルヘルス、客観的な状況も考えながら、あれかこれかの決め打ちだけでなく、中間的な対応も含めて、柔軟に対応されたらよいのではないかと思います。
✅参考:回答者(佐貫葉子さん)の言葉です💖
💟新聞の人生案内の回答は一種のティーチングに当たると思います。「本人から本人の答えを引き出す対話」としてのコーチングとの違いがよく分りますので、コーチングが、より社会に認知される一助になればと思います。
✅ 以下、選択理論コーチングの補足です。
😋 筆者独自の見解や表現も入っています.
1,相談者が満たすと幸せ感が増ず基本的欲求(ニーズ)
愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい)
力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい)
自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい)
楽しみの欲求(楽しみたい、学びたい、追求したい)
生存の欲求(生存に必要なことを満たしたい)
2,選択理論コーチングの基本的な三角モデル
3,今回使った「選択理論の考え方のエッセンス」
🌻 選択理論の第1の原理
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
🌻 「外的コントロールの心理」から「内的コントロールの考え方」に転換
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていることに気づきましょう。
・相手の外的コントロールに対する自分の抵抗や逃避も、そして、「自分」の気分や感情、生理反応、症状なども、「自分で自分を守るための精一杯の行動」なのだと捉えて、受け容れましょう。
🌻 選択理論における「人間関係」の重要性
・人の長期にわたる心理的な問題(悩み、不幸感)の大部分は、その人が、現在の重要な人間関係で、満足できる関係を持てていないことに原因がある。
・人は、現時点で、一つ以上の満足できる人間関係が持てていなければ、幸せな生活を送れない。逆に、一つ以上の満足できる人間関係を持つことができれば、今よりも幸せになれる可能性がある。
🌻 外的コントロールをやめて、人間関係を近づける
・「自分の正しさを押しつけると相手は反発するか逃げる」、「相手の考えを受けとめると相手は近づいてくる」ということを理解しましょう。
・いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を生み、人間関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。
・(本人を外側から変えようとして)相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。
・相手との関係が良くなると、こちらのリクエストも聞いてくれやすくなります。
・「人間関係を育む行動」を習慣にしましょう。具体的には、傾聴する、支援する、勇気づける、信頼する、受け容れる、尊敬する、意見の違いについて交渉する、などの行動です。
・「人間関係を害する行動」をやめましょう。具体的には、強制する、批判する、責める、脅す、文句を言う、ガミガミ言う、罰を与える、ほうびで釣る、などの行動です。
🌻 相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足
・相手の行動や反応(抵抗、攻撃、逃避など)も、自分のと同じく、相手が本人のニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。
相手も、あなたとの関係で、相手の中のどのような基本的欲求(ニーズ)が満たせていないか、について考えてみましょう。
・相手の中の大切な基本的欲求(ニーズ)を考えてみて、相手がそれを満たせるように、「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し、支援しましょう。
・相手が相手の基本的欲求(ニーズ)を満たせるように、自分にリクエストしたい具体的な行動が何かあるか、を相手に聞いてみましょう。
🌻 自分と相手の「現状(のステージ)の知覚と将来の願望」
・自分は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるかを具体的に考えてみましょう。
・二方向のかっとうでは、それぞれの極端を考えて見ることが、自分の望む立ち位置を明確にするのに役立ちます。
🌻 自分の「自分」との関係
・もう一人の「自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。そして、もう一人の「自分」の心の声を聴き、応援者として励まし、勇気づけてあげましょう。
(注:ここでいう「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、心理的な症状、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指す)
・いやがるもう一人の「自分」を無理に変えようとしても、「自分」の抵抗を生み、自分の「自分」との関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。
・辛い思いをしている「自分」は、どうなりたい、本当はどうありたいと望んでいるのか、「自分」の心の声を聴いてみましょう。
・もし、第3者が「今の自分」の状況だったら、自分は「その第3者」の状況をどのように考え、どんなアドバイスをするかを考えてみましょう。
🌻 自分の欲求充足
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。
・もし、自分の願いが実現したら、今とどう違ってくるか、そのときは、今と違う何をしているかを考えてみましょう。
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