「いいねの数じゃない。 本物の仲間を一人でも発見できたらそれでいい。」
「発信が大事」「表現することが大事」とよく言われますが、それの素晴らしい効用を思い出させていただきました。
先日、素敵な夕ご飯の会がありました。
参加者は、音楽家でビジネスコンサルタントの松永エリック・匡史さん、奥様で保護犬活動家の繭子さん、映画監督の佐々木誠さん、そしてキリストダンナと私、の5人。
佐々木さんは、もともとアートつながりのご友人だったのですが、エリックさんご夫婦はキリストダンナつながりで、私は今回お会いするのは初めて。
しかし、エリックさんと佐々木さんはもともとお友達。最近、知り合う方、知り合う方が、友人知人と繋がっていて、世界の狭さをつくづく感じます。
逃げも隠れもせず戦う方たち
集まったみなさんは、表現者として、また仕事人として、怒涛のように突き進んでいらっしゃる方々。
たとえ批判を受けても、逃げも隠れもせず堂々と戦われている方から発せられる言葉は、どこまでもリアル。その生き様からエネルギーがパチパチとスパークしていて、もの凄い元気をいただいて帰りました。
発信をし続けることへの迷い
私はつい2年ほど前までは、自信の無さから、「いつか誰かに私の作品を見つけてもらえればいいな」という、どこか他力本願な気持ちで芸術活動をしてきたような気がします。
でも昨年、自殺衝動や自信喪失のトラウマを克服できたと思えてからは、「現在同じように苦しんでいる人たちに、ひとあし先に出られた人間として何か伝えたい」と、能動的に発信を始めました。
始めてみると、「勇気をもらいました」という嬉しいお声をいただき、傷ついた過去の自分が癒され、また連鎖的に素敵なきっかけをいただいたことで、自信も得られるようになりました。
しかし、過去をさらけ出すことで近い関係の人からの批難も受け、「こんなヘビーなことを書き続けても、確かに見たくない人もいるだろうし、もうやめたほうがいいんじゃないか」という思いも生まれてきました。
いいね!の数よりも
しかしエリックさんの言葉は、そんな弱音を一息に吹き飛ばすものでした。
「いいね!の数は重要じゃない。
発信することで得られる一番素晴らしいことは、心から響きあえる仲間を、一人でも見つけられることですよ」
私は「そうだ、それを最近忘れていた」と、はっとしました。
確かに、私もブログなどでの本音の発信を始めてから、志を共にできる方たちと何人も知り合えました。そんな方と出会うたびに、「自分のやっていたことは間違っていなかった」と自信も積み上がります。
馴れ合う友でなく、理解しあえる仲間を
自殺願望と戦いながら自分が生き延びることに必死になっていた頃の私は、他人のことはどうでもよく、友達なんて煩わしいだけだと思っていました。
それでも、「友達は作らなくてはいけないもの」という強迫観念に駆られていた私は、必死に好かれるために努力をしたり、全く興味の持てない共通の話題を探したり、「変な」ことを言わないよう、いつも気をすり減らして疲労困憊していました。
しかし、どうしたって人間関係がうまく構築できない私は、「こんな想いをしてまで、友達は作らなきゃいけないものなのか」と絶望するばかり。
でも、「こうやって私は生きています」というお互いの生き方に賛同してできた仲間とは、こんな小手先の小細工をする必要はなく、自然体でいられます。
無理に沈黙を埋めなくてもいいし、心の深いところで繋がっている実感があるから頻繁に会わなくてもいいし、「変な」ことも面白がってもらえる。
以前の「人脈の作り方」の投稿とも被ってきますが、馴れ合うだけの友達が千人いることよりも、本当に理解しあえて励ましあえる仲間が一人いるほうがいい。
そのためにも、これからも発信を続けていこう、そう決意を新たにさせていただいた1日でした。
この時の会話を、下記のキリストダンナのVoicyでお聞きいただけます。
佐々木監督の新作「ナイトクルージング」
最後に。毎作、深く考え込まざるを得ない問いを突きつけてくる佐々木監督の新作映画『ナイトクルージング』は、来年初旬に公開予定です。
「全盲者がSFアクション映画を作るまでのプロセスを追う、ドキュメンタリー」なのですが、「…全盲の人が映画を…撮る!?」と、最初にお聞きしたときは色々理解できませんでした。
私は大学時代、美大の「視覚伝達デザイン学科」というところで、視覚を通じたコミュニケーションデザインについて勉強していたのですが、入学早々「きみたちが如何に視覚に支配されているか、まずは体感せよ」と、目隠しをさせられたり目を瞑らされたり、視覚をはぎとられるような授業を立て続けに受けさせられました。
試写を拝見して、「視るということは、どういうことなのか」を徹底的に考えさせられたあの日々を思い出すと同時に、人は自分の視点でしか世の中を見られないということ、と同時に別の視点を知ったときの圧倒的な面白さをつくづく感じました。
タイトル通りから受けるイメージ通りの、未体験の視覚体験映画でした。公開の際はぜひご体験を。
ちなみに以前こちらの写真を撮影してくれたのは、佐々木さんです。地面に寝っ転がってiphoneでパシャと撮ってくださったのですが、建物いっぱいの横浜の港湾で撮影したとはとても思えない極楽風味な仕上がりになっていて、プロの腕に心底驚きました。
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