noteに6年関わったデザイナーの話。
この記事は noteのみんな Advent Calendar 2023 の16日目の記事です。
今回は毎年恒例の振り返り記事です。
今年度は明確にKPIを持ったチームに所属し、デザイナーとして定量目標と向き合うことになり、チャレンジングなチームに所属することができました。また、VIリニューアルと上場を同じ日に行う体験は人生に1度しか経験出来ないと思いますし、濃い1年でした。
去年の振り返りはOKR導入に四苦八苦している様子が見て取れますが、2年続けたことでコツっぽいものが見えてきたようです。メンバーの目標・評価や個人の目標・評価を考えていくうちに自然と力の入れどころと抜きどころがわかってくる感覚が生まれてきています。
今年はいろんなデザイナーとオフライン・オンラインで会えました。オフラインイベントが活発になったり、オンラインで話すことのハードルが下がり、コロナ前と比べてもハイブリットな世界になってきたなと実感。
そんなわけで今年をいくつかのトピックで振り返ります。
VI変更による色設計の変化
noteは去年の12月にVIをリニューアルしました。
リニューアルされたロゴは適用しないといけません。適用するにはすべてのロゴとロゴを扱うためのルールを新たに整備する必要があります。この、ルール整備のために僕もアサインされるのですが、近日中に詳しい記事が出るとのことなので詳細は割愛します。ロゴに限らず、デザインシステムなどで色を扱っているためこのVIリニューアルの影響はかなり大きかった。
ブランドカラーが変わることでカラーパレットが更新され、プライマリカラーが変わり、色の定義が再設計されました。ブランドカラーは変わり、エイリアスの定義が変わりなど、このあたりは当時デザインシステムのサポートに入ってくれていた @NishaMe がゴリっと進めてくれました。
すべての色設計が完全に整理され、プロダクトに反映出来たわけではなくまだ一部残っている部分もありますが、少しずつではありますが適用が進んできています。
上場の日に
上記のリニューアルと同じ日に上場しました。
察しが良い方は、当日のタイムラインがなんかすごそうということに気づくかもしれません。当日の怒涛の流れはPR森本さんが詳しいタイムラインを説明しているのでそちらへ。
上場のタイミングとロゴ入れ替えの作業タイミングが非常にシビアで、プロダクトへの反映などは各領域から集まった精鋭が早朝待機し、リリース作業を見守りました。あまりその場では言わなかったですが、元々制作会社経験が長かったので、早朝公開のような作業はそんなに苦ではなかったなあと。
同じ目的・同じ不安感・同じ時間を共有しながら取り組めるのって大変なのだけど、達成したあとのとてつもなく大きい達成感は何度味わっても良いものだと感じます。(文化祭の前準備みたいな感覚)
また、この日のためにIRサイトをIRチームと準備していました。クローズドなメンバーで構成されていたため、デザイン作業に加えてhtml/cssを書く必要がありなかなか新鮮な仕事でした。(実務で書くの3年ぶり…)
数値と体験を欲張るデザイン
ここまで色々書きましたが、僕の主務は実はプロダクトデザインです。
冒頭でも書いたように明確な数字目標を持つ(どこの数値は一応伏せておきます)チームに所属していました。デザイナーとしては、数値目標を持つことに色々想うことがある人は多いかもしれません。ただ、僕個人の裏テーマとしては「数値も体験も同時に改善する」欲張りプランを狙いたいと考えていました。
数値だけを短期的に伸ばすデザインは世の中に多くありますが、そういったものは中長期な負債や体験破壊や騙しなどの手法が多いです。noteらしいデザインは妥協しないという旨をチームに伝えていたのを覚えています。
弊社では、施策データをFigmaのページ単位で管理しているため、その作成ページ数だけで数えると大体30施策以上取り組んでいたらしく。実際にリリースされたものはその1-2割なので、それ以外は仮説時点で落としたもの・仮説を検証したが深追いをやめたもの・noteの世界を歪める可能性があったものなどの割合が多かったことがわかります。
そういった仮説の積み重ねの量があったことで、最終的に欲張ることを最後まで通しきれました。この動き方に同意し、同じ目線を持てたチームに感謝しています。
生産性という大きい山に登る
CDOが管轄する横軸組織のまとまりをCDO室と呼んでいます。そこにデザインシステムやアクセシビリティなどの各種プロジェクトが含まれており、僕自身はそこを見ています。また、組織全体のデザイン課題を解決するための動きもとっています。
このCDO室は、大きくは組織の生産性という観点で活動しており、今期から「生産性」という大きい山を、「最大化」「ブランド体現」「時間が減る」の3つの小山に分解して取り組みました。それぞれの小山を登れれば大きい山「生産性」に寄与したということに決めています。
小山を登った具体的な施策で言うと、クリエイティブ制作を社内だけで作らない体制を作りました。もともと、プロダクトデザイナーもクリエイティブ制作を行なっていた状況があり、メイン業務をひっ迫する状態でした。そこで社内だけで作らない仕組みを取り入れたことにより、プロダクトデザイナーが主務に注力できるようになり、「時間が減る」という小山を少し登ることができました。
今年のはじめでは、大きい山を直接登ろうとして足が止まるともありましたが、進みやすい小山を用意する方針にしたことで足が止まらない状態を作ることができました。
登壇・イベント
令和トラベルさんでのアクセシビリティ勉強会
お声がけいただき、
どう始めたのか
なぜやるのか
どうやっているのか
というお話しをしてきました。我々もはじめた当初は何から手をつけてよいかわからない状態でしたが、スペシャリストであるアドバイザーに入ってもらったことにより初速を出せた経験があったため今回お受けしました。
内容については令和トラベルさんのレポートを見てもらいつつ。
僕個人としてはアクセシビリティはnote「だけ」アクセシブルになっていても仕方ないと感じています。以前当事者の方へインタビューした際に、「アクセシブルなWebサービスのほうが少なく、期待してない」というお話しを聞き、その状態を改善したいと考えました。
期待していないと言う時点でアクセシブルではないのです。
noteではどうはじめたのか・どうやったのかなど、取り組みを発信しています。それは、noteにはアクセシビリティの取り組みを発信している方が多く存在しており、そういった知見を活用して自身のプロダクトに活かしていって欲しいと考えているためです。
アクセシビリティ改善 社内浸透の壁、どうやって乗り越える?
Ubieさんにお誘いいただき、Ubie YAMAP noteの3社とfreeeの会場を使わせていただき登壇してきました。横軸の動きは、浸透課題が伴うものでアクセシビリティに限らず、さまざまな横軸活動に関わるお話しで、登壇者として参加者としてとても学びの大きいイベントでした。
変にグルーピングせずに一人一人と向き合うというヒントをもらえました。
Spectrum Tokyo Festival 2023
毎年参加している本イベント、ブースの体験設計・デザイン含めてプロダクトデザイナー全員と人事・広報メンバーと協力し実施しました。プロダクトデザイナーであっても建築やグラフィック経験者が多く、造作やプロトタイプの質が高く結果的に良いブースになりました。
僕の担当は昨年に引き続き、でかいモニターに映す案内表示をFigmaで作っていました。Figmaの良いところは、現場の環境変化によってその場で修正反映できる点で、メモ帳の数の残数やブースの説明が足りないなと感じたときなど、ブースで不足している観点をカバーできる性質があるため非常に良かったです。
まとめ
(かなり上澄みの部分しか書いていないので、もうちょっと知りたいと言う方はDMなど送ってください。)
今年はさまざまな活動に取り組むことができ、その中で自分が大事にしたいことがはっきりわかるような年にもなりました。
組織に長く属したり、同じ職業をしていると、意識的・感覚的に排除している要素があることに気づきました。これらは経験などから最適化する力が働きやすいのだと。ただ、そういった排除している要素の中にも大事なことが含まれているなと実感した1年でした。
様々なバックグラウンドのある人たちと働くことで、そういった無意識のバイアスに気付けることがあります。そんな当たり前を疑えるプロダクトデザイナーをnoteでは探しています。
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