【映画】「市子」レビュー
多くの場所で語られている様に、主演の杉咲花、そして若葉竜也の演技の凄さが前面に出ている作品だった。
涙を流したプロポーズの翌日に姿を消した市子という人のこれまでを様々な登場人物の視点からなぞっていく構成。冒頭とラストは同じシーンだが、全てが明らかになって観ると見え方が全く異なるものになるのは面白い。
市子の人生を大きく動かすきっかけとなる本作の大きなテーマの問題、そして妹の病気。
前者はともかく、色々な事が起こっていく中で病気も市子の不幸のトリガーという扱いになってたのはちょっと引っ掛かりを感じたところではある。
市子の壮絶な人生、みたいに描かれてはいるのだが、生い立ちや育った環境に恵まれなかったらそれは果たして可哀想だったり、壮絶な人生になってしまうのだろうか。
その時々の選択の積み重ねによって現在があるのであれば、やはり市子は悪魔なのだろうと思う。