そこのお前。
そうだお前だよ。
そこのiPhone7 Plusで馬鹿面さげてこの文章読んでる生まれも育ちも赤羽のお前だ。そうだお前だ。
いいか?一度しか言わないから良く聞くんだ。『よくき君』と今後友達からあだ名されるくらいよく聞くんだ。わかったな?よしよしその調子だ。お前天才だ。
…ところで悪いが…コーヒーを一杯淹れてくれないか?…そうだ香りがしたもんだから。すまない。ああ、頼むよ。…ミルクも砂糖もたっぷりだ。
ありがとう。手間をかけてすまない。
いや実に旨い。
よ〜し本題に戻ろう。
君はこれまでの人生、赤羽から出た事がない。そうだな?…よし。これはつまり、チャンスだわかるか?
君が、畑を持ってるとしよう。10ヘクタールだ。…?なに?10ヘクタール畑を本当に持っているだって?…何を育ててるんだ?…鯉!?…ん?…ああ…そっちの恋か…え!?恋!?待て待て待て!ちょっと待て!…え!?恋って育てれるの!?…えそうなの!?え!え!え!今見れる!?…え本当!?…20キロ離れてる!?いや行くって!!行きますよ!!行くしかじゃんだって!!見たい見たい見たい!!!恋だよ!?恋の無い人生なんて牛カルビ焼肉定食の無い松屋みたいなもんじゃん!!…え?…なに?牛カルビ定食の無い松屋を個人的に作って8店舗経営してる??…え……なんで?…なんのために?…てか…え?…松屋グループと繋がりあるって事?…繋がりがあるから?…牛めし用の肉とか定食の肉とか仕入れられる?…そうじゃなきゃ松屋じゃ無いだろって?……いや…いや、そりゃそうなんだけど、なんて言うか…俺が疑問に思ってる事わかるだろ?…好きな色?いやいやいやいやい今好きな色とかいいわ。後でいいわそんなの。なんなら一生知らなくてもそれはいいわ。そうじゃない。…え?改行しろ?
それもそうだな。つい興奮してしまったよ。すまない。
…その、なんだ、つまり俺が言いたいのは…君は何者なんだという事だ。
これまでの無礼を詫びる。すまなかった。
君は、10ヘクタールの畑で人間の感情であるはずの恋を育て、牛カルビ焼肉定食の無い松屋を個人的に8店舗持っている…
これは、由々しき事態だ。全く持って普通の人間のなせる技じゃ無い…教えてくれ。
君は…何者なんだ!?