【後編】でんぱとサワイ
お疲れ様です。サワイです。
この記事は前回の記事「でんぱとサワイ」の後編です。
でんぱ組.incのお仕事で、自分がアートディレクターをやっていた時期(以下第二期)のお話をしたいと思います。
二期の始まりは2022年でした。
でんぱのお仕事以外にも虹コンやわーすたのお仕事で繋がりのあったもふくさんから連絡がありアートディレクターとして参加することに。
でんぱぁかしっくれこーど←( ゜Д゜) ハァ?
最初の打ち合わせで、もふくさんから「アカシックレコードって知ってる?」って聞かれ「まぁ…知ってますよ」とNaokimanshowのサムネを思い浮かべながら答えていたのを思い出します。
過去現在未来森羅万象全ての記録が“在る”なにか。
それをでんぱの世界観の上で表現したい。と言われてかなりワクワクしました。
それって自分が表現できるものなのか?
正直とんでもないものを要求されてるなと思い、自分の新しい扉を開けることができそうで武者震いしました。
自分は色々考えた(この中にさまざまなものが内包されている)結果、
今自分が擬似的なアカシックレコードとしてアクセスできるものは
人類の集合知であるAIではないのかと言うことに辿り着きました。
まず自分の中で世界観を考え大ラフを作成。
そのラフを元に文章でキーワードを入力しAIに画像を出力、
その後AIの画像を切り貼りし、提案用のラフデザインを完成させました。
昨今、色々画像生成AIが問題になっていますが、自分的には生成したものは表に出さず、あくまでツールとしての付き合い方がいい活用法なのかなと思っています。
今作に関しては自分が擬似的なアカシックレコードにアクセスしてそこから生まれたアイデアを自分なりの解釈で抽出し作成したと言うプロセスも大事かなと思っています。
このアイデアはラストEPの「We need the DEMPA」まで続いていきます。
おかげで一貫した世界観でディレクションできたなと思っています。
撮影当日はラフを見せつつ、メンバーを撮影即レタッチャーの奥津さんに仮合成をしてもらい、スタッフさんたちと雰囲気を共有しながら撮影ができてよかったですね。
メンバーの皆さんが合成された自分たちをみてテンション上がってたのもよかった。毎回和気藹々としてて楽しい撮影です。
背景美術は友達のイラストレーターきりさきさんにお願いしました。
都市伝説などの説明が不要とばかりにスッと理解してくれてほんと頼りになりました。
タイトルロゴは怪しい異世界感を出すために三角形のラインを意識した不思議なデザインです。
「デンパァカしックれこード」って書いてます。よめね〜。
いい意味で全体的に胡散臭い壮大な雰囲気が表現できて大満足の出来です。
余談ですが、表題曲の「オーギュメンテッドおじいちゃん」のMV。
ほんと好き。(友達のレーズンさんが監督です!最高!)
ONE NATION UNDER THE DEMPA
前作の壮大かつド派手なアートワークから打って変わって、今作は語りすぎず、どこか不気味さもあるような、考察好きが食いつきそうなアートワークにしました。
異星に降り立ち、りさちーが着陸の第一歩として旗を打ち立てているというビジュアルなのですが、考察好きが好きそうなビジュアルを作ったせいで公開当時いろんな憶測が出たのが面白かったです。「たしかにね〜」と思いながらニヤついてました。
衣装の写真ともう一つ、女子高生のようなビジュアルのメンバーが宇宙船の前で佇んでいるという写真も撮影しました。
自分の中では明確な引用元があるのですが、ドラえもんの「宇宙漂流記」でのび太たちに家族やご馳走の幻覚を見せて襲いかかってくるまじで怖い宇宙人が登場するのですが、そういうちょっと不気味な違和感を出せたらいいなと思って制作したのがこのビジュアルです。
このメンバーたちは本物なのか…別の世界線の実在するメンバーなのか…
それとも…
ちなみにこの撮影のためにお揃いのリュックを買ったのですが、新品のリュックなのが嫌で、撮影直前までぐしゃぐしゃにしたり重りをリュックに入れたりしてクタクタにさせました。
We need the DEMPA
前作からの明確に続編という感じのビジュアルを制作しました。
前作が着陸のシーンで、今作は離陸のシーンですね。
惑星での生活を経てすっかり異星人のような様相になってさらなる旅(戦い)へ向かおうとしているメンバーたち。
別れの切なさや戦う決意などが伝われば良いなと思い制作しました。
意識したところと言えば宇宙船の設定で、着陸時の前作と今作で宇宙船のデザインが違うのですが、これは着陸時宇宙船が壊れてしまい、この星の機械をつぎはぎして新しい宇宙船を制作したという設定があります。
でんぱ組のスクラップアンドビルドを繰り返しながら変幻自在に形を変え順応していく様子を宇宙船で表したかったので、いわゆる宇宙船ぽい形ではなく不気味で凹みやスクラップ感のあるデザインをイラストレーターのノInHさんに依頼しました。
前作より不気味かつ魅力的なイラストを描いて頂いたノInHさんにほんと感謝です。
彼女達はどこへ行ってしまうんだろう…それは私にも分からん。
正真正銘ラストEP。まさか自分がでんぱの最後のCDデザインを担当するなんて思いもしませんでした。
このEP三部作を一緒に走り抜いてくれたカメラマンの藤城さん、レタッチャーの奥津さんには自分のわけわからんラフをここまで壮大に仕上げて頂き感謝してもしきれないくらいです。
ありがとうございました!!
ちなみに表題曲の「BPM285EX」に関してはタイトルロゴデザインを担当しています。
もふくさんからではなく、まさかの別方向から依頼があり、運命を感じました。
終わりに
第一期2018年〜19年 第二期2022年〜24年の計約三年ほどをサワイが関わらせてもらいました。
ほんとここでは言えないことも色々ありましたが、出来上がったものは大満足だし、特に自分がADを務めた三部作は自分の想いも詰め込んだので愛おしい作品たちです。
め〜っちゃ大変でしたがラストライブが本当に良すぎて、全ての頑張りが救われた瞬間でした。
特にラストライブのエンドロールなんですが、本当に関わった人全員載せたんじゃないかってくらい長くて、ありがたいことに自分の名前も載ってたんですが、
同じ画面にファンタジスタ歌磨呂さんの名前もありその瞬間めちゃくちゃ泣いちゃいました…流石に学生時代に憧れてた人と同じ舞台で名前が並ぶなんてどんなエンディングだよって感じで、感情が爆発しましたね。
ほんとありがとうでんぱ組.inc。自分とでんぱ組.incの物語もその瞬間エンディングを迎えました。まじですごい伏線回収。
信じられるか、学生の奇抜な格好してたちょい痛い俺。
でんぱ組.incはエンディングを迎えましたが、俺たちの戦いはこれからだ!なので、またメンバーの皆さんとどこかでお仕事できたらいいなと思っています。
お気軽にどうぞ。まぁこんな長いnote読んでないか。
ワンチャン読んでたらマジでお仕事でもポケカでもなんでもお誘いください。
改めまして、
でんぱ組.incエンディングおめでとうございます!!