第二回高円寺ブッククラブ/映画?

 三月十九日(土)十六時~十八時に第二回高円寺ブッククラブを開催します。今回の課題図書は『ワーニャ伯父さん』です。

若い姪と二人、都会暮らしの教授に仕送りしてきた生活。だが教授は…。棒に振った人生への後悔の念にさいなまれる「ワーニャ伯父さん」

 チェーホフ四大戯曲のうちの一つ、有名というのが憚られるほど有名な作品です。古本屋の百円棚に刺さっているのをよく見かけてきたことかと思います。いつでも読めるもんだと高をくくって、私自身は未読でした。実際読んでみると二時間くらいで読了し、やっぱりいつでも読める本だったな、と思いました。が、こういう本こそ機会がなければ読めないものだ、とも思いなおしました。

 二週間ほど前、超話題の映画『ドライブ・マイ・カー』を鑑賞して大変感銘を受けたのですが、その劇中で多言語劇として演じられる戯曲が『ワーニャ伯父さん』でした。クライマックスの上演シーンだけでなく、主人公の車の中でも、劇のけいこ中でも、他人たちとの会話の中でも、どこにでも、『ワーニャ伯父さん』が侵入し闖入していました。映画は村上春樹『女のいない男たち』を直接の原作としますが、物語の力場・推進剤として『ワーニャ伯父さん』が多くその役を負っていたことに疑いの余地はないかと思います。鑑賞後多くの人が『ワーニャ伯父さん』を読まねばならんといきりたち、本屋へ駆け込むその姿が容易に想像できるほど、分かちがたく『ドライブ・マイ・カー』は『ワーニャ伯父さん』でした。なお、私が鑑賞した港南台シネサロンに直結するモールの本屋には、『ワーニャ伯父さん』は売っていませんでした。落胆しながら最近復刊した『戦場のメリークリスマス30年目の真実』を購入しました。

 だいぶ飛躍して恐縮ではありますが、そういうわけで、今回は『ワーニャ伯父さん』を読みたいと思います。『ワーニャ伯父さん』をじっくりと追っていくのはもちろんですが、映画『ドライブ・マイ・カー』を同じ視線上で捉えてみようと思っております。『ドライブ・マイ・カー』内『ワーニャ伯父さん』ではなく、『ワーニャ伯父さん』内『ドライブ・マイ・カー』という構図を試みて、そこから何が生まれるのか、何が言えるのか、読書会してみましょう。映画未鑑賞の方でももちろん参加いただけます。が、観てから参加された方が面白いかとは思いますので、なるべくご都合をつけてごらんになってみてください。

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