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桐朋学園大学キャリアデザイン授業を終えて

先日、桐朋学園大学のキャリアデザイン授業でお話させていただきました。

生徒の皆さんからはこんな感想をいただきました。

  • Locatellさんのような会社がもっとあれば、音大生のキャリアの可能性が広がるなと思いました。自分自身、音楽を続けたいものの、今後どのようにして稼げばいいか迷っているので、Locatellさんのような会社はとても魅力的に感じました。

  • 色々な生き方があると知れたし、共感できる経験と考え方を聞くことができて将来設計を考える事に対して少しポジティブな気持ちになりました。

  • パリの貧富の差に関係なく芸術に触れることができる環境というお話を聞いて、とても素敵だなと思いました。もともとパリに興味があったので、パリに行ってみたいという気持ちがより大きくなりました。

  • 音楽をやりながらできる会社が存在するんだな、素敵な事業だなと思いました。あと2年でパソコンの勉強や日本語力を学ぼうと感じました。とても有意義な時間でした。

  • 自分との向き合い方、1つ1つの行動に説明できること、連絡・言葉づかいなどの初歩的なことが印象に残りました。

  • 演奏家になりたいと思っていても、いろんなことに挑戦することが大切だなと思いました。何かをするときに反対しそうな人には相談しないというのが、すごく心に刺さって、壁が高いほどやめた方がいいと言われると思うから、挑戦を応援してくれる人に相談すべきだと思いました。

  • 音楽と社会の関わり方はもちろん、それ以外にも人生論を学べた気がしました!自分の人生も、もっとチャレンジしてみたい!とワクワクしてきました。とても興味深くて面白かったです。報連相、頑張ろうと思いました…!

  • 今回のお話を聞いて、私は音楽でお金を稼ぐことに特別こだわりを持っていないなと気づきましたし、できればたくさんお金が欲しいと自分が思っていることにも気づきました。音楽を続けつつ、それ以外でお金を山のように稼げる方法を探していきたいです。

  • やってみたいことなどは、なんでも一度やってみようと思いました。

そして、授業の最後に感想や質問を募集したのですが、質問を書いてくれた生徒さんのために回答をしたので、その内容をnoteにまとめました。

ちなみに、少しだけお話した内容を紹介します。

現在、私は株式会社Locatellと一般社団法人 福知山芸術文化振興会の2つの会社を経営しており、今回は故郷である京都府福知山市で福知山芸術文化振興会が行なっている事業を中心にお話しました。

とはいえ、キャリアを考える上で何かヒントになることもあると思い、まずは株式会社Locatellの事業内容をご紹介。

下記のような形で、アート・クリエイティブ・ローカルブランディングを軸に多事業を展開しています。

ちなみに、株式会社Locatellの特徴はこちら。

働いてくれている正社員の袴田美帆さんの紹介も少し行いました。

「フレックスタイム制」を初めて知ったという人も多かったよう

ちょうどこの授業の日に合わせて、袴田さんには入社して半年間での体験などをまとめて記事を公開したので、下記の記事も紹介しました。ぜひ読んでみてくださいね。

続いて、一般社団法人 福知山芸術文化振興会の活動をご紹介しました。

2022年10月から主催事業をスタート。ジャンルを問わず,豊かな芸術文化に触れられる場をつくっています。

他にもこんな内容をお話しました。

なぜ私が故郷福知山での活動をおこなっているのか?ということをお話して、授業の最後は質疑応答の時間をとりました。

そこでは色んな質問をいただいて、とても楽しい時間となりました。

では、ここからは生徒さんからの質問に回答していきます。


非営利な事業からお金を得るには?

経営している福知山芸術文化振興会で行っている主催事業の様子。基本的に公益事業のため、収益はほとんどありません。

Q1.ボランティアのような非営利の事業からお金を得るにはどうしたら良いか?

その事業が社会のどのような課題を解決し、どのような価値をもたらしているのかを、お金を持っている人や団体に伝えてみてください。

その価値やあなたの熱に共感してくださった方々から、協賛や支援をいただくという方法があるかと思います。

そういった方々に安心して応援いただけるように、下記のような工夫もできるかと思います。

・個人で活動するのではなく、任意団体や非営利型の社団法人を設立するなどして、母体をつくる。協力してくださる方の中で本当に信頼できる方を、その団体のメンバーになっていただく。

・サイトやSNSで活動報告を行うなどして、活動を広く発信したり、支援者の名前を掲載するなどする。

また、市町村の補助金なども活用してみてください。

決断する際に大事にしていること

フランス在住時にクラリネットを買おうか悩んでいた時の様子。結局買いませんでした。

Q2.何事も決断によって差が出ると思いますが、何かを決断する際に何を一番大事にしていますか?

優先することは何か?ということを、必ず明確にしています。

また、1人で一定時間迷っても答えが出ない時は、自分よりも知識や経験がある方にすぐに相談するようにしています。

迷って答えが出ないということは、判断材料がないということですし、自分だけで答えが出せないことに対して悩む時間が勿体ないからです。

経営のこと、芸術文化のことでそれぞれ頼れる方が複数人いるのですが、様々な案件を相談しているうちに、その方々が「どういうことを指標に決断するか」ということが自分の中にインプットされていきます。

経営していると本当に今まで体験したことのないことが沢山起こりますが、その度に色んな方々に助けていただいて、次第に自分自身で決断ができるようになるようになっていきました。

助けていただいている分、相談したことが解決した時は必ずお礼を伝えたり、何かプロダクトを作った時はお送りしたりして感謝の気持ちをしっかり伝えるようにしています。

複数のタスクをこなすスキルはどこで身につけたのか?

調布国際音楽祭のSNS発信のお仕事では、写真・動画撮影、編集、文章作成など、様々なことを同時進行していました。

Q3.吉田さんのお話を聞いていると、すごく要領が良さそうだったり、複数のもののやりくりが得意そうに見えたのですが、それは音楽のキャリアの中で身に付けられたものなのか、会社を設立してから身に付けられたものなのか、どのような環境やタイミングで習得されたのですか?

例えば、コンサートを開催する時って、色んなことを同時進行で考えないといけないですよね。


自分の練習時間の確保、コンサートの告知、告知をするためのチラシの作成、練習場所の確保、一緒に演奏する人がいる場合はその人たちとの日程調整など、その内容は多岐にわたります。


今は音楽活動を休止しましたが、そんな風にフリーランスの音楽家として活動していたときに、複数のことを同時進行させることが当たり前になっていたと思います。



また、私は「何か1つのことだけに集中する」ということが全然できませんでした。何度かトライしたけれど、できなくて。そんな自分にガッカリして。
でも、今はそれは自分に向いてなかったんだなと思います。

何度かチャレンジしたけど、上手くいかなかったり、真逆のことの方が成果が出るなら、少し自分の能力を見る視点を変えたりするのも大事だと思います。

昔から、自分がどんなポジションで関わっていても「もっとこうやった方が効率が良いのにな」とか「こうしたら分かりやすくなるな」というように改善策を考える癖がありました。

ちなみに、大学3年生の頃からマクドナルドでアルバイトをしていて、マネージャーをやっていたのですが、お客様だけでなく、働くメンバーの状況や、揚げものの状況を見ながら、一番滞っている場所に自分が入って店舗を回すという経験をしていました。

複数のものを動かすのって大変ですが、色んな歯車がバッチリはまった時は、すごく楽しかったんですよね。

中学・高校と生徒会の会長をやっていた時にも、個人の適材適所を複数のメンバーの動きを考えたりするのが好きでしたし、自分の性格や好きなこと、楽しいこととたまたま特性が合致しただけなのかもしれません。

近年、複雑なことを整理するのが得意だと評価いただいたこともありましたが、好きで楽しくやっていたことだったので、それが得意なことだという自覚もなければ、どこかで意識的に磨いたわけではないという感じでした。

ただ、時間は有限なので、どうやったら短時間で求められている効果が出せるのか?ということはよく考えます。

一緒に仕事をしていて、テキパキ仕事をこなしている人の行動を真似たり、言葉づかいなどを参考にすることはよくありますし、常により良いパフォーマンスを出せるように自分をアップデートしたいと思っています。

失敗した時の乗り越え方

美味しいものやアート、こうしたいつもと違う場所で気持ちを切り替えて乗り越えるのもあり。

Q4.今頑張っていきたいと思っている場所で失敗してしまって。そんな時、佐和子さんはどう乗り越えていきますか?

私も沢山失敗します。ただ、失敗して凹んでいても状態は変わらないので、改善策を考えて実行していくしかありません。

失敗は誰でもするので、そこからどうやってリカバリーするのか。その後の行動がとても大事だと思います。

そこで頑張っていきたいのであれば、失敗したことに対して、誠心誠意しっかり謝って、今後はどのようにしていくのか、解決策を伝えます。



また、その際にどうやったらできるのか教えていただいたとしたら、アドバイスいただいたことには、しっかり感謝の気持ちを伝えます。

私は、こういった謝罪の意思を伝える時こそ、どんな日本語で伝えるのか?ということがとても大事だと思っています。

ただ固い日本語で謝罪するのではなく、失敗したことで迷惑をかけたことや、もしマイナスな思いをした人がいるのであれば、その方の感情に寄り添うような文章を作る必要があります。

どれだけその場で頑張りたいと思っていても、それを相手に伝わる言葉で届けないと、伝わりません。



自分が何をどんな風に失敗してしまって、どんな影響があったのか。そのことに対して、自分はどう思っているのか。相手にどんな感情を与えてしまったのか。伝えられることは沢山あります。



上手くいっているときよりも、こういう「何か失敗してしまったときの対応」こそ、その人の本質が見えるときだと思っています。



だからこそ、丁寧に対応をして、その後はしっかりと行動を積み重ねることで、ピンチをチャンスに変えることもできるかもしれません。

さいごに

今回授業でお話させていただくにあたって、私も現在進行形でキャリアについては考え続けているな、と思いました。

自分がどう生きていきたいのか?
やりたいことはあるけど、現状ではすぐに難しいことももちろんあるし、そうしたことに対しては数年かけて少しずつできるように変化していきたいと考えています。

また、授業でも少しお話しましたが、私は過去に心療内科に通っていたこともあるし、その時は本当に頑張りたくても頑張れない感じでした。

HSP気質なところもあるし、生理前にしんどくなることもあります。
あとは、どうしようもなく抜けているところもあります。

でも、そういったことに対して「なんで私はダメなんだろう」と考えても、現状は良い方向へ変化しないんですよね。
(その思考をした方がより行動できるって人にはその思考法が合ってると思うんですが、私にはあってない)

思考や行動を変えた方が良いこと、自分の心身を大事にしながら、これからも自分にあった生き方をしていけたらと思います。

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吉田佐和子
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