プロの演奏家として向き合う最後の作品『あしたの森のチコ』 3つの魅力
京都府立文化芸術会館で行われる創造音楽劇『あしたの森のチコ』公演がいよいよ明日に迫ってきました。
プロの演奏者として最後に関わるのがこの作品で良かったなぁ、と心から思います。
こちらの写真は通し稽古のワンシーン。
物語の舞台は、今から5年5ヶ月後のあるところ。
突然動物たちが消えてしまった世界。
自分たちのことばかり考えている人間たちによって、動物たちの生活は破壊され、自然はめちゃくちゃに。
そんな世界をどうにかしようと、動物や植物など、自然界のあらゆるものによって「地球の未来」について、終わることのない会議が行われていたところに、主人公である人間のチコがやって来たところから、物語はどんどん進んでいきます。
お互いの違いを認め合いながら、共に助け合い、生きていく大切さを描いた作品となっており、子どもから大人まで楽しめる内容となっています。
また、音楽はすべて生演奏なので、やはり録音にはない迫力や繊細さがあり、音楽だけでも楽しんでいただけます。
私は、本当に素敵な作品・音楽・出演者・スタッフの皆さんが一体となって創り上げられる、この場にいられることがとても嬉しいです。
そして、この作品でプロのクラリネット奏者としての演奏活動を終えられるのもとても幸せなことだと感じています。
あしたの森のチコの魅力①心震える音楽
心震える音楽には、無条件に心が惹きつけられますよね。
「あしたの森のチコ」に使用されている楽曲は、すべてオリジナルで作曲されたものです。
演奏していて何度も鳥肌が立つ曲って実はそんなに多くないんですが、とっても魅力的な曲の数々を作曲してくださったのは、西邑由紀子さん。
特にテーマソングは、一度聴くとずっと頭で流れ続ける中毒性がありますので、お楽しみに!
あしたの森のチコの魅力②京都で活躍する演奏家たちによる生演奏
今回は演奏者として参加していることもありますが、やはり演奏にも是非注目していただきたいのです。
私は、録音された音楽よりも、やはり演奏者が実際に楽器を奏でる方が、よりお客様の心情に迫ることが出来るように思います。
また、今回の会場、京都府立文化芸術会館のある京都市をはじめ、様々な場所で活躍されている方々が揃ってるんです。
この作品は2020年、2021年、そして今回の2023年と3回目の上演になるのですが、編成が変わったものの殆どのメンバーが初回から参加しており、安定感もバツグンです。
あしたの森のチコの魅力③一体感と迫力のある歌、演技
物語の中には、セリフを言って演技をする部分と、歌う部分があります。
それらを担当するのは、関西のあらゆる舞台で活躍するプロの皆さんと、今回の作品のために集ったアマチュアの皆さん。
この作品をつくるために何ヶ月も前から稽古に励んでこられただけあって、どのシーンもとても感情のこもった迫力ある仕上がりとなっています。
私は舞台の上で演奏しながら、すぐ真横で演じられている皆さんを見ているのですが何度も泣きそうになっちゃうんですよね。
さいごに
前回上演された2021年から2年の時を経て、私はクラリネット奏者をやめるという決断をしました。
また、京都府北部の皆さんに豊かな芸術文化に触れてほしいという思いから故郷の福知山で一般社団法人 福知山芸術文化振興会を立ち上げて主催事業を毎月行なっています。
そのため、最近は事業の企画制作に携わる時間が多かったのですが、演奏者として全幅の信頼をおける京都府立文化芸術会館のスタッフの皆さんの凄さを改めて感じています。
この「あしたの森のチコ」という作品を通じて、あらゆる世代の人々が集い、熱心に取り組み、それぞれの立場で輝く瞬間がある。
本当にあらゆる魅力の詰まったステージを、是非1人でも多くの方々にお越しいただければ嬉しいです!
また、この「あしたの森のチコ」は来月9月3日(日)に私の故郷のお隣、綾部市にある中丹文化会館で行われます。
ぜひ皆さまとどちらかの公演でお会い出来れば嬉しいです!
▼綾部の公演は下記からオンラインでも予約可能です