起業メモ #43 賞与不支給報告書を提出する
起業した直後は、初年度の売上げがどれくらいになるか不透明なので、自身に毎月払う役員報酬額だけを決めて、賞与は支給せずに2年目以降に改めて検討する方針としました。このように賞与を支払わない場合でも、「賞与不支給報告書」を提出する必要があることを、社会保険事務所から届いたはがきで知りました。
賞与不支給報告書とは
株式会社で役員や社員に賞与を支給した場合、誰にいくら払ったかを社会保険事務所に提出する必要があります。これは、社会保険料が給与や賞与の金額に応じて定められるためで、賞与支払日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届」を提出します。
一方、賞与を支払わなかった場合には「賞与不支給報告書」の提出が求められるようです。これは2021年4月の法改正で定められた様式で、これに合わせて「被保険者賞与支払届総括表」が廃止になりました。
対応していない会計ソフトがある
賞与不支給報告書については、比較的新しい様式なのに加えて、提出が不要なケースが大半なこともあってか、対応していない会計ソフトがそれなりにあるようです。ざっと確認したところ、マネーフォワードは対応していますが、弥生会計とfreee会計は非対応のようです。
日頃使っているfreee会計でも、給与・賞与関連の画面では「賞与不支給報告書」に関する言及はなく、サポートページに次のような記載がありました。このため、freee会計を使っている場合、賞与不支給報告書は自力で作成する必要があります。
提出を忘れているとはがきが届く
冒頭に書いたとおり、初年度は賞与を支給する予定がなかったのですが、賞与不支給報告書を提出する必要があることを認識していなかったため、社会保険事務所から「被保険者賞与支払届等の提出について」というはがきが届きました。社会保険事務所への届出時に、賞与の支払時期を「6月、12月」の年2回支給としていたのに、6月分の提出がなかったために送られてきたことになります。この書類に、賞与を支払っていない場合に「賞与不支給報告書」を提出する必要がある旨が書かれていて、初めてその必要性を認識しました。
書類の作成・提出は電子申請で簡単にできる
慌てて賞与不支給報告書を作成しようと思い、日本年金機構のホームページを見てみると、提出が必要な様式やサンプルがありました。記入すべき情報は、会社のプロフィールと支給予定年月だけなので、数分程度で作成できました。
加えて、e-Gov電子申請ソフトを使うと、ソフト上で上記の情報を直接入力して報告書の作成・提出ができました。さすがに電子申請だと処理が早く、申請後に1営業日程度で手続きが完了しました。